とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

35年近く前に作った差し歯の治療に歯医者に行く。

 先日、朝、フランスパンで作った調理パンを食べる際に、前歯でパンをくわえて引っ張ったら、左上の前歯がグラグラ。そういえば私の前歯は差し歯だった。
 小学生高学年の頃、友達と相撲を取っていて、外掛けで相手を倒した際に、土俵で前歯を折ってしまった。私が通っていた小学校には土俵があったのだ。授業中だったような気もするが、記憶が定かでない。
 上前歯が片方欠けたまま、部活の器楽クラブの練習でティンパニーを叩いていて、バチを飛ばし、拾おうとして身を屈めた拍子にティンパニーのチューニングボルトに前歯を打ち付け、もう片方の上前歯も折れてしまった。なぜ、口を開けたまま、ハンドル上のボルトに歯をぶつけたのか定かでないが、それで前歯が折れてしまったことははっきり覚えている。
 二つの出来事の間にそう間がなかった記憶がある。片方が折れた時にすぐ歯医者に行かなかったのか、治療中だったがまだ差し歯が入っていなかったのか、そのあたりは記憶にない。
 当時の差し歯は金歯で、歯の正面中央だけが白く抜けてセメントが詰めてあった。高校生まではそんな歯で過ごした。その後、差し歯全体が白いものに交換したが、それがいつだったか覚えていない。近所のI歯科だったと思うので、たぶん高校生の頃か、大学生で夏休み等で帰省した際か。妻に聞くと「初めて会ったときにはその歯だったと思う」と言うから、やはり高校生の頃か。だとするともう35年以上前だ。
 今回、久しぶりに歯医者に行った。差し歯を入れた以後には虫歯治療で歯医者に行ったことはあるが、それも10年以上昔のことだ。というか、以前いつ行ったのかさっぱり記憶がない。
 妻が通っている歯医者があいにく休みだったため、同僚に職場近くで最近通って評判のいい歯医者を教えてもらった。訪ねて行った歯医者は、昔ながらの看板で、名称も「○○歯科」。最近の小綺麗な「○○デンタルクリニック」ではない。どんな治療をするのか不安だったが、待合室に「○○大学非常勤講師」の額と「日本補綴歯科学会認定医」の認定証が飾られている。後者はなんて読むのかわからなかったが(「ほてつ」と読みます)、差し歯の専門医らしい。とりあえず一安心する。
 名前を呼ばれてイスに座ると、まず歯科衛生士さんが症状を聞き、差し歯を抜いて、レントゲンを撮る。その後、歯科医がやってきて、話をする。歯の状態について大変ていねいに説明をしてもらう。
 「ところでこの差し歯はいつ、どこで作られたんですか?」「たぶん高校生の頃、地元市で」「35年以上前にセラミックの差し歯を使っているのは珍しい。当時としては最先端の技術のはずですよ」と言う。そうなんだ、知らなかった。その間、一度も差し歯でトラブルがなかったこともすごい。I歯科はそんなに技術のある歯科医だったんだろうか。
 差し歯に隣り合った歯の虫歯治療をして、その後、従前の差し歯を使って固定する。いちいち手鏡で見せてくれては治療に入るので納得できる。いい歯科医に当たったみたいだ。その日は差し歯の復元で治療は終了した。
 1週間後、再度通院。差し歯の確認。異常なし。その後、歯科衛生士さんに歯の掃除をしてもらう。下前歯の舌触りが変わる。私の場合、下の前歯・八重歯の歯並びが悪く、その部分がうまく磨けていないと言われる。それよりも「その他の歯はよく磨けています」と言われたことがうれしい。「お風呂で歯磨き派なんですよ」「私も」と歯科衛生士さんと盛り上がる。
 翌週、親知らずに見つかった虫歯の治療をしてすべて完了。短期間で済んでよかった。その後は下前歯部分を特にていねいに歯磨きをしている。「半年から1年に1回は歯の掃除をした方がいいですよ」と言われた。来年の春になったらまた歯医者に行こう。歯医者がけっこう楽しみになった。