とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

ベガルタが止まらない! FC東京も4-0で撃破。完勝。

 今年のFC東京はJ1昇格とともにポポヴィッチ新監督を迎えて、昨年のレイソルを思い出すようないいサッカーを展開している。無敗ベガルタとの対戦は好調同士のいいゲームが見られると思ったが、なんと!ベガルタの好調ぶりは別格。FC東京を足元にも寄せ付けず、完璧な試合運びでFC東京を撃破。点差以上にその内容が際立っていた。
 序盤は両チームが狭い地域に密集して、後方からの長いスルーパスに前線が飛び出すライン上の駆け引きを繰り返す。2分、ウィルソンから赤嶺がシュート。GK権田がセーブ。しかしベガルタのプレスの方が上回り、次第にベガルタ・ペースになってくる。特に角田、富田のボランチがすばらしい。ここでFC東京の攻撃の芽を摘み取ると、すぐに前線にスルーパス。ウィルソンが収めて、赤嶺、大田、関口が飛び出す。
 13分、相手CKからウィルソンがつないで、右SB菅井が右にパス。太田のクロスに関口が走り込む。わずかに届かなかったが、菅井、大田、関口と速い、速い。20分にも後方からのフィードをウィルソンがヘッドでつなぎ、赤嶺のポストプレーから菅井がクロス、ウィルソンがヘディングシュート。さらに28分、角田の縦パスから太田が右に流し、菅井がクロス。ボランチから後ろの選手がボールを持つやいなやオートマチックに全選手が前に向かって走りだす。
 それでも30分以降、ようやくFC東京もパスを回して攻撃に出るが、シュートまでは打たせてもらえない。ロスタイム、菅井がケガでピッチ外に出る。集中力が途切れた瞬間、鎌田の長いFKに赤嶺がDFを置き去りにして走り込み、見事なトラップからGKをかわしてゴールに流し込む。ベガルタ先制。FC東京サポーターらはオフサイド・コールがやまない。ポポヴィッチ監督も興奮して審判批判をまくし立てていた。
 後半に入り、ベガルタはケガの菅井に代えて田村。さらに体調不良から回復したばかりの赤嶺に代えて松下を投入。大田を前線に上げる。一方のFC東京は大竹に代えて田辺を入れて、羽生をトップ下に据える。序盤FC東京が攻めていくが、ベガルタの出足が止まらない。7分、石川のFKに渡辺がヘディングシュート。だが力ない。セットプレーまで押され気味。FC東京は11分、米本、邪乳に代えてルーカスと谷澤を投入。早めに攻撃的選手を投入してくる。
 しかしその直後の13分、角田のスルーパスに右サイドラインぎりぎりに張っていた松下が走り込み、クロスに関口がDFの足を怖がらず頭から飛び込む。強烈なヘディングシュート。ゴール。FC東京の反撃の勢いを削ぐ2点目。しかもその後も勢いが止まらない。22分、松下のFKはGK権田がわずかに触ってバーを叩く。30分にはポポヴィッチ監督が異議で退席処分。
 31分、ゴールキックをDFがはね返したところを角田が拾い、松下、田村と右につなぐ。この間に角田が右サイド前線に走り込み、田村のスルーパスを受けてクロス。DFのクリアを富田がボレーシュート。これが絶妙の縦パスになって太田がトラップから反転シュート。3点目を叩き込む。
 34分、石川のクロスにルーカスがヘディングシュート。しかし力なく枠の外。全くFC東京にチャンスを作らせない。寄せの速さ。そして42分、松下のFKをCB鎌田がヘッドでつなぐと、ウィルソンがシュート。GK権田のセーブのこぼれを鎌田が押し込んでゴール。4-0。44分には今シーズン初出場のリャンヨンギが太田に代わってピッチに登場。場内の大声援を呼ぶ。最後まで攻め切ってベガルタが4-0で完勝。勢いの違い、実力の違いを見せつけた勝利だった。
 ここまでとは思わなかった。ベガルタの勢い。最後まで止まらない運動量。伊達に無敗で首位を走っているわけではない。すごい。今グランパスが当たったら木っ端微塵に葬り去られるだろう。それだけの勢いがある。これはしばらくベガルタから目が離せない。