今シーズン、ジュビロが好調だ。前節終了時点でグランパスに勝ち点で並ぶ3位。山田が代表合宿に呼ばれたが、かつての巧いサッカーだけでなく、早いプレスに運動量も多い現代的サッカーを展開しているイメージを抱いていた。相手も似たようなサッカーを行うセレッソ。面白いゲームになるかと期待した。
序盤、駒野と山田の右サイドがいい。全員がよく動いてルーズボールを拾い、攻撃につないでいく。9分、山田のクロスに左SHペク・ソンドンがシュート。13分にもペクがドリブルで切れ込んでミドルシュート。
セレッソも山口・扇原のダブルボランチ、CBの藤本・茂庭の4人で粘り強く守り、一瞬のカウンターを狙う。10分、山口から正確なフィードに左SB丸橋が走り込み、クロスにケンペスがシュート。GK八田がナイスセーブ。そして20分、右サイドからキム・ボギョン、ブランキーニョとつないで、最後は清武。うまくDF、GKをかわしてゴールに転がり込むシュート。セレッソが巧さを見せて先制した。
ジュビロも22分、松浦の股抜きパスから山田のクロスにペク・ソンドンがシュート。だが、前田がほとんど出てこない。ワントップでよく動いているが、前田が動いた後のスペースを埋める人がいない。ペクがシュートを放つが、枠に飛ばない。山田、松浦もシュートよりもパスを回してしまう。
27分、ケンペスからキム・ボギョンのクロスにDFクリアのこぼれをブランキーニョがシュート。31分には清武が扇原とのワンツーから大きなサイドチェンジ、ケンペスがシュート。33分、扇原が左に流し、丸橋のクロスにケンペスがジャンプするが、直前でCB藤田がクリア。セレッソの方がゴールに近いプレーが多い。
35分、駒野のCKにCBチョ・ビョングクがヘディングシュート。GKキム・ジンヒョンがナイスセーブ。前半最大のチャンスもゴールを決められない。
すると後半早々の2分、ケンペスからキム・ボギョンがドリブル、扇原がポストになってキムに戻すと、DFがクリア。これを扇原がコースを狙ったミドルシュート。セレッソが追加点を挙げる。7分には右SB酒本の長いスルーパスにケンペスが走り込むなど、やはりセレッソの攻撃は常にゴールを目指している。
8分、いいポジションにはいるがミスが多かったペク・ソンドンに代えて山崎を投入。20分、山口からケンペスが右に流し、キム・ボギョンのクロスにケンペスがシュート。決まったかと思ったがポストを叩く。ジュビロは23分、駒野が強烈なFK。GKキム・ジンヒョンが一旦は弾くが何とか抑える。28分には山田のスルーパスに松浦が走り込みシュートするも、またも枠を外す。2-0のまま互角の展開で進む。
29分、ジュビロは松浦に代えて阿部を投入。セレッソはブランキーニョの代えて柿谷。38分、清武の縦パスをキム・ボギョンが受けて、DFをかわしてシュート。これが決まり、セレッソが3点目を挙げる。39分にはケンペスに代えて播戸を投入。
ところが3点リードしてセレッソが深く引き過ぎる。42分、山崎のクロスのDFクリアを山田がシュート。ジュビロが1点を返す。45分、セレッソも扇原の縦パスからキム・ボギョンが左に流し、柿谷がシュート。GK八田がセーブ。ロスタイム2分、左サイドからの阿部のクロスにCBチョ・ビョングクがヘディングシュート。今度は決めて1点差に追いすがる。しかし反撃もここまで。終盤反撃を受けたが、3-2でセレッソが逃げ切った。
前半からペースを握って攻めていたはずのジュビロがゴールを挙げられず、あれよあれよと3点差に離されて、ようやく残り5分を過ぎてから2得点。だがこれもセレッソのまずい守備で拾った感が強い。中盤から最後のパスまではうまく攻めるが、最後にシュートを打つ人がいない。逆にセレッソはボランチの縦パスから一気に決定力のあるFWや攻撃的MF陣がゴールを重ねる。似ているようで全く対照的なチーム同士だった。
攻撃力高く、時に守備のバランスが崩れるセレッソ。対してバランス重視で攻撃に迫力を欠くジュビロ。どちらが面白いかと言えばやはりセレッソか。ジュビロは山田や山崎がキム・ボギョンのようにもっと我儘にプレーをしてもいいのではないか。そうすれば化けると思うが、このままでは中位チームにしかなれないように思う。
