とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

ドログバが決めた。ドログバが作った、チェルシーの歴史。チャンピオンズリーグ・初優勝!

 バイエルンチェルシーという予想外の組み合わせとなったチャンピオンズリーグ決勝戦。ホームスタジアムの地の利を得たバイエルンか、バルセロナを破って決勝進出したチェルシーか。白熱の戦いは真っ赤に染まったミュンヘン・アリーナ・スタジアムで始まった。
 序盤、サポーターの熱狂的な声援を受けて、バイエルンが攻勢に出る。チェルシーバルセロナを破ったときのように、きっちりとブロックを作って守りから入る。5分、シュバインシュタイガーミドルシュートを放つと、CKからのシュバインシュタイガーの戻しをボランチのクロースがミドルシュート
 チェルシーは固い守りからカウンターを狙う。7分、カルーが抜け出してドログバのクロス。バイエルンリベリーロッベンの両ウィングが攻撃の中心を担う。8分、リベリーから右に流してロッベンがシュート。13分、リベリーのクロスにCFマリオ・ゴメスがヘディングシュート。そして21分、ロッベンがドリブルでPA内に進入し、リベリーボシングワを抑えてコースを作ると、すかさずシュート。だがチェルシーのGKチェフが弾き、ポストに当たる。ナイスセーブ。
 その後も一進一退の攻防。29分、リベリーのFKは壁に当たる。34分、マタのFKはバーの上。36分、出場停止のアラバに代わって左SBに入ったコンテントのクロスにトップ下ミュラーボレーシュートを放つも枠に入らない。チェルシーも37分、マタが左に流し、左SHに入ったバートランドのクロスをドログバが落とすと、ランパードが右に流してカルーがシュート。バイエルンのGKノイアーがナイスセーブ。
 チェルシーメイレレス、ラミレスがいない中、左SHにマルーダではなく若いバートランドが先発。テリー、イバノビッチが出場停止のCBはケーヒルとダビド・シルバで組むが、何ら遜色なくよく闘う。42分、ロッベンがドリブルで進入。ミュラーがD.シルバと競り合って落としたところをM.ゴメスがシュート。だが枠を外す。
 バイエルンの方がシュートもCKも圧倒的に多いが、チェルシーは強固なブロックを作ってよく守り、ドログバが先頭に立ってカウンターの牙をちらつかせる。0-0だが締まったいいゲームだ。
 後半6分、スローインからドログバが反転してミドルシュート。強靭な身体能力で怖さを見せつけると、バイエルンはカウンター。9分、ミュラーのドリブルからクロスをロッベンがシュート。左SBアシュリー・コールがブロック。弾いたボールをリベリーがシュート。ネットを揺らすが、オフサイドの判定。A.コールは14分にもM.ゴメスのポストからロッベンのシュートをブロックする。ベテランらしい落ち着きと読みのいい守備で貢献する。
 その後はまたバイエルンが攻め、チェルシーが守る態勢に戻る。だがバイエルンの攻撃もなかなか糸口がつかめない。M.ゴメスにほとんどボールが入らない。25分、ロッベンのクロスをクロースがシュート。だがまたもA.コールがブロック。27分、ロッベンのシュートはGKチェフが正面で難なくセーブ。
 守りに守ってきたチェルシーが先に動く。28分、バートランドに代えてマルーダを投入。29分、A.コールのクロスをGKノイアーが弾いたところ、ドログバがシュート。またもGKノイアーがセーブ。37分、左サイドからのロッベンのクロスに、ファーサイドミュラーがヘディングシュート。これもGKチェフがセーブ。
 ところが直後の38分、同じような位置からクロースが上げたクロスにミュラーが叩きつけるヘディングシュート。これがチェフの足元でバウンドしてニアのネット上部に突き刺さる。ようやくバイエルン先制。これまでいい守備を見せていたA.コールは、その手前のM.ゴメスに付いて、ミュラーまでカバーできなかった。
 ここですかさずチェルシーはカルーに代えてフェルナンド・トーレスを投入。バイエルンミュラーに代えてCBファンブイテンを投入。守備を固める。ところが終了間際の43分、チェルシーがこのゲーム初めてのCKを得ると、マタのクロスにドログバがニアに飛び込んでヘディングシュート。何と土壇場でチェルシーが同点に追い付いた。
 ゲームは延長に突入。延長前半1分、F.トーレスがドリブルで前進PA内で足を掬われるもファールをもらえないとすかさず起き上がってクロスにランパードがシュート。ここはDFにブロックされたが、同点に追い付いたチェルシーに勢いがある。ところが3分、リベリーが左サイドからドリブルでPA内に進入すると、後ろから迫ったドログバの足が引っ掛かり倒れる。PK。ところが何と何と、ロッベンの蹴ったPKをGKチェフが腹で止める。リベリーはこのままオリッチに交代した。
 延長後半3分、ラームがドリブルで上がると、クロスをファーでオリッチが折り返す。中にファンブイテンが詰めるが追い付けず、ボールはポストのわずか右を転がっていく。7分、ロッベンのスルーパスにラームが抜け出しクロス。M.ゴメスが腹トラップ。だがケーヒルがヘッドで競ると、最後はD.ルイスがクリア。チェルシーのCBが身体を張る。結局このままタイムアップ。チャンピオンズリーグ決勝はPK戦での決着となった。
 PK戦も序盤はバイエルン・ペース。ラーム成功。マタが失敗。続いてM.ゴメス成功。D.ルイス成功。バイエルンの3人目は何とGKのノイアー。しかしこれも成功し3-1とリード。ランパードが落ち着いて決めて3-2。バイエルンの4人目は途中交代のオリッチ。だがこれをGKチェフが抜群の反応、片手1本で弾き出す。A.コール成功。3-3。バイエルン5人目、シュバインシュタイガーのシュートはGKチェフがわずかに触り、ポストにはね返される。顔を覆うシュバインシュタイガー。そしてチェルシーの5人目はドログバ。ベテランらしい落ち着きでGKノイアーの逆を突きゴールを決める。4-3。折り重なり喜びを爆発させる選手たち。チェルシーが4年前のマンUとのPK戦敗退の雪辱を果たしてPK戦を制し、チャンピオンズリーグ優勝を決めた。
 このゲームで目立ったのはA.コール。そしてドログバ。キャプテンのテリーがいない中、ベテランたちが落ち着いてゲームをコントロール。これにケーヒル、D.ルイスの若いCBコンビが応えて、最後までM.ゴメスを自由にさせず、リベリーロッベンのドリブル突破にも中央をよく締めてブロックした。
 固い守備と速い攻撃。強かった頃のチェルシーが戻ってきた。これで来年度のチャンピオンズリーグ出場も決定。移籍の噂のあるメンバーも何人かはこれで踏みとどまるだろう。今年の12月、クラブWCが楽しみになってきた。何としてもグランパスが出場したい。ACLをがんばろう。