とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

トゥーロン国際オランダ戦、宇佐美◎、斎藤◎、指宿○、高木○、比嘉×。

 U-23年代の代表テストマッチトゥーロン国際大会の中継に今年はNHKがやけに力を入れている。もちろん五輪年だからだが、日本語の看板が並ぶと、フィギュア・アイススケートの大会と同様、異様な感じがしないでもない。
 日本としてもアジア最終予選が間近いこともあり、香川や清武、酒井宏樹などは招集せず、限られたメンバーでの参加。指宿や宇佐美、高木など普段ヨーロッパで戦っているメンバーの力量を図り、融和を見るのが目的だろう。それにしても関塚監督はいったいどんなメンバーで五輪に臨むつもりだろうか。今大会に参加した選手をどう扱うつもりなのか。斎藤や村松、大岩など、これまで五輪予選に参加してこなかった選手と指宿や宇佐美らを合わせてどうしようというのだろう。
 トルコ戦は見ていないが、戦う姿勢が見えず完敗という報道。大幅にメンバーを入れ替えて、攻撃陣にヨーロッパ組を先発させたオランダ戦は、キックオフ直後の3分、右SBリヘネンの上がりからFWグリエーのボレーシュートで先制されたが、直後の5分に斎藤がドリブルで中に切れ込みシュート。あっという間に同点に追い付いた。
 オランダと言えばW杯南アフリカ大会でも同じグループに入ったが、個人的には10年近く前、黄金の中盤有する日本が欧州遠征し、オランダ相手に前半はリードするも、後半あっという間に逆転されたゲームを思い出す(詳細は間違っているかも)。あの時のオランダのウィングの選手のぶっちぎり振りが今も記憶に残っている。
 今回観たオランダのチームにもルコキというぶっちぎりの右SHがいた。比嘉がコテンパン。だが、それ以外はプレスが緩く、日本が楽に攻めていける。6分、宇佐美がミドルシュート。11分、宇佐美から高木がドリブルで進み、シュート。12分、そのルコキが右サイドをぶっちぎりクロスにFWテン・フォールデがボレーシュート。右SB大岩がブロックする。
 宇佐美が持つと、大きなサイドチェンジやロングパスなど、広くピッチが見えている。指宿は高さを生かしたポストプレー。斎藤はマリノスでの好調を持続している。一方、高木はなかなかボールにからめない。
 オランダは前半24分にはCBを、後半早々にはMF二人を交代。選手を次々と試してくる。後半開始直後、またもルコキがドリブル突破。比嘉をぶっちぎってクロスを入れる。だが日本も3分、高木のスルーパスに宇佐美が抜け出す。GKを十分引きつけて左に流し、指宿がごっつぁんゴール。5分にも斎藤がドリブルからシュートを見せる。
 しかし6分、またもルコキのドリブル突破からクロスにテンフォールデがボレーシュート。今度はオランダがすぐに同点に追いつく。日本も11分、ボランチの村松がボールを奪い、指宿のスルーパスに斎藤が抜け出してループシュート。だがオランダのGKは身長が高い。楽々とキャッチされた。
 25分、後半から入ったファンハーレンのFKは強烈にバーを叩く。この選手はタメもでき、なかなかいい選手。日本は23分、指宿を下げて大津を投入するが、その後も一進一退。だが33分、高木が起点となって右に流すと、扇原が抜け出しシュート。3点目を挙げてオランダを突き放す。高木は後半になってようやくいい場面を作るようになってきた。
 一方、オランダはやっぱりルコキが脅威。というか比嘉も何度も同じやられ方をするんでない、と言いたいが、37分にもドリブル突破された。逆に41分、途中交代、水沼のクロスに高木が中にドリブルしてシュート。日本も最後まで攻めの姿勢を失わず、そのまま3-2で競り勝った。
 勝敗を云々するゲームではないだろうが、それでも勝てたのは気持ちがいい。ただしオランダはU-21の若いチーム。五輪予選は予選ラウンドでスペインに勝利してプレーオフに進出したが、ウクライナに惜敗して敗退した。ヨーロッパ予選は厳しいとは言え、まだ未完成のチームだ。次に対戦するエジプトの方が五輪出場に向けてより勝負に拘ったゲームをするのではないか。
 残りの五輪出場組は全てもう一つのB組に入った。中でもモロッコは五輪で同じグループに入った。この機会に対戦できればいい経験と情報収集になるだろう。できれば次のエジプト戦に勝利して、準決勝に進出したい。