とんま天狗は雲の上

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放射線量の公表とがれき処分

 中日新聞朝刊2面に毎日東海地域の放射線量が掲載されている。東海各県の放射線量が表になっており、その脇の記事には前日との比較増減などが記載されている。表の中にはないが、その脇の記事中に数ヶ月前までは福島県放射線量が記載されていた。それがいつも東海各県の数値よりも一桁高くなっており、やはり福島県放射線量が高いのだなあとそれなりに気にしてきた。
 それが最近は福島県の情報が記載されることがほとんどなくなった。どこかから不安を煽るなという指摘があったのかもしれない。それで調べてみたら、文部科学省が全国の空間線量のリアルタイムの測定結果を「放射線モニタリング情報」として公表していた。また、この情報を地図上に表示したり、推移をグラフで示したサイトが「新・全国の放射能情報一覧」だ。
 これを見るとやはり福島県放射線量が飛び抜けて高いのがわかる。愛知県を見てみると岡崎市の測定値が一貫して高い。福島県に戻ると、夫沢のモニタリングポストがダントツで高い。こちらは福島第一原発に近い大熊町の測定値でやはりむべなるかなというところだ。
 福島市内ではほとんどの学校と公園等で測定がされているが、いずれも愛知県内の数値に比べれば数倍は高い。宮城県に目を転じると、福島県に近い県南部では高い測定値もあるが、仙台市内は名古屋とあまり変わらない測定値となっている。
 さらに岩手県内を見ると、そもそも測定点が少ないが、放射線量も愛知県内と全く変わらない。というか岡崎市の測定値の方が高いくらいだ。岡崎市の測定箇所を確認すると、西三河県民事務所。矢作川沿いの市の中心部だが、何か特別な理由でもあるのだろうか。
 北九州のがれき搬入騒動を契機に、復興支援のためにがれき処分を受入れることを後押しする報道がされていた。しかし、がれき仮置地の空間放射線量を示すことがほとんどされないのはなぜだろうか。処分地よりも低い線量の地区からのがれきだということを示せば、ある程度説得力がでるような気がする。
 もっともそれならなぜわざわざ北九州市島田市まで運んで処理する必要があるのか理由がつかない。低い放射線量であることを示して、近隣市町村での処分を進めるのが合理的なはず。場合によっては政府が割り振ってもいい。その上でそれでも拒否する市町村は公表すればいい。そういう筋道を通らず、自主的に手を挙げる自治体を待って対応する政府の対応は、裏に何かあるのではと不審を抱かせる原因になっている。