ユーロ2012、グループBはFIFAランキング3位のドイツ、4位のオランダ、9位のデンマーク、10位のポルトガルという、どこか勝ち抜いても不思議ではない死のグループとなった。
先に行われたオランダ対デンマークは、オランダが攻め続けるもののどうしても得点が入らず、前半24分にクローン・デリがドリブルからGKステレケンブルクの股下を抜くシュートでデンマークが先制。これを最後まで守り切って、デンマークが勝利。ロッベンはチャンピオンズリーグの調子を持ちこしたように、シュートを打てどもポストを叩いてゴールに入らず。アフェライ、ファン・ボメルもシュートチャンスを外す。後半、スナイデルの絶妙のスルーパスもフンテラールがシュートを打ち切れず、こぼれ球に対するファンペルシーの反応もGKアンデルセンが抑え込んだ。
オランダの敗戦で始まったグループBの戦いは、ドイツ対ポルトガル戦に多少は影響があっただろうか。
開始2分、ドイツがボアテングのクロスにマリオ・ゴメスがヘディングシュート。GKパトリシオが横っ跳びセーブする。9分、エジルが右に流し、右SHミュラーのサイドチェンジにポドルスキーが左足アウトでシュート。ドイツがポゼッション高くパスを回すが、ポルトガルは中盤のプレス、統率された守備ブロックでドイツに攻めの糸口をつかませない。
ポルトガルのクリスチャーノ・ロナウドが初めていい形でボールを持ったのは前半18分、左SBコエントランの縦パスに追い付き、跨ぎフェイントでボアテングをかわしてクロスを入れるが、中央で合わない。
前半は静かにゲームが進む。30分、エジルの左サイドからのクロスに、中央でポドルスキーがダイレクトシュート。だが大きくふかす。40分、右サイドからミュラーのクロス。ゴメスの頭を越え左サイドへ。エジルが折り返しのクロス。ミュラーがシュートをするが、枠を外す。
前半残り5分。ここからポルトガルが押し返す。ナニがドリブルでバドシュトゥバーを抜くと、45分モウチーニョのCK、DFのクリアをCBペペがシュート。バーに当たり、ライン上で弾んで外に出る。緊迫した展開のまま前半を終えた。
後半1分、ミュラーのクロスにポドルスキーがシュート。DFのクリアをケディラがシュート。これもDFがブロック。こぼれ球をミュラーがクロスを入れるが、またもDFがクリア。ポルトガルも4分、コエントランのドリブルからC.ロナウドが受けてシュート。うまく当たらずGKノイアーがキャッチ。
ドイツ・ペースながらポルトガルも少しずつその牙が見え始める。ゲームに動きが出始め、緊張感がいよいよ高まる。12分、エジルからポドルスキーのクロスにM.ゴメスがヘディングシュート。大きく外す。19分、カウンターからモウチーニョがドリブルで持ち上がる。左のC.ロナウドにパスするも、シュート直前、右SBボアテングが左足でスライディング、クリア。
両チーム、互角のまま静かにゲームが進む。よもやこのままと思い始めた27分、シュバインシュタイガーから右サイド、ケディラが上げたクロスは詰め寄ったモウチーニョに当たって軌道が変わり、M.ゴメスの上に。下がりながらのヘディングシュートがゴール・ファーサイドに決まり、ドイツが先制した。M.ゴメスらしい体格と強さを生かしたゴール。
だがそこからポルトガルが反撃する。37分、C.ロナウドがドリブルで抜け出し、シュート。ノイアーがナイスセーブ。38分、コエントランのドリブルから左に流し、C.ロナウドがクロス。コエントランのシュートはDFがブロック。39分、右SHナニのクロスがバーに弾む。40分、ナニのクロスにニアで途中交代のバレラが走り込むが、CBフンメルスがクリア。41分、ナニがミドルシュート。43分、コエントランのフィードに途中交代のFWオリベイラが走り込み、キープからクロスにバレラがシュート。だがGKノイアーが寄せてスーパーセーブ。
さらにロスタイム3分、モウチーニョからコエントランの縦パスにC.ロナウドがクロス。ナニのシュートはDFがブロック。直後のナニのCKにCBブルーノ・アウベスがヘディングシュート。だがバーの上。攻めに攻めるが、ドイツDFも必死の守り。最後まで守り切ってドイツが初戦勝利を挙げた。
初戦のゲームにするにはもったいないような好ゲームの末、ドイツが競り勝った。だがポルトガルもその実力をしっかりと示して自信を深めたはず。デンマークは初戦勝利で勢いに乗るか。逆に初戦敗戦のオランダはグループリーグを抜け出せるのか。デンマークの勝利、ポルトガルの奮闘で死のグループBはいよいよ面白くなってきた。
