とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

ナビスコ杯王者の意地。アントラーズが2点差を追い付き、ベガルタの首位を阻止。

 面白いゲームだった。先のナビスコ杯決勝で、守備的なゲームを演じたアントラーズを中位チームの実力と断じたが、優勝して選手の意識が変わったか。または2点リードされて王者の意地を思い起こしたか、アントラーズが序盤から積極的に攻めてきた。
 だが、堅い守備からのカウンターがベガルタの持ち味。5分、リャン・ヨンギのCKに赤嶺が飛び込みヘディングシュート。ポストを叩く。そして12分、カウンターから中盤でCH富田が右に展開。右SB菅井のクロスにFW赤嶺が走り込む。ヘディングシュート。今度こそネットに突き刺した。ベガルタ先制。
 しかし直後の13分、アントラーズも反撃。CF大迫のポストプレーからトップ下興梠のクロスに左SH増田がシュート。しかし菅井がブロック。その後も右SH柴崎のスルーパスが何度もベガルタの裏を狙う。アントラーズが攻勢をかけるが、何と23分。左SHリャン・ヨンギのFKをDFがクリアしたところを右SH太田がシュート。はね返りをCH角田が右に流して太田がシュート。GK曽ヶ端のはね返りをウィルソンが押し込む。あっという間。ベガルタの勢いを見せつけるゴールで2-0と突き放す。
 ところがアントラーズはあきらめない。26分、左SH増田をジュニーニョに交代。さっそく快足を披露。すると30分、右SB西が中に入れると、興梠、大迫とPA前のポストプレーで粘る。そして興梠がシュート。アントラーズが1点を返す。さらに33分、CH本田に代えて本山を投入。柴崎をボランチに下げて本山をトップ下、興梠を右SHに回し、さらに攻撃的に。
 しかしベガルタもすごい。38分、リャンから左に展開。左SBパク・チュソンがクロスを入れると、ファーサイド、ライン際からの赤嶺のヘディングシュートがゴールに転がり込む。またも2点差に突き放した。
 反撃するアントラーズはサイドから何度もクロスを入れては連続CKで攻める。ロスタイム1分、CKからCB岩政がヘディングシュート。さらに2分、CKがファーサイドに流れたところからジュニーニョのクロス。岩政のヘッドのクリアを西がシュート。だが枠に入らない。前半は2点差のまま終えた。
 だが後半に入って、アントラーズの反骨心がさらに増す。1分、大迫のキープからクロスに柴崎がミドルシュート。そして2分、ジュニーニョのクロスに大迫がニアに飛び込む。ゴール。またも1点差に追い付く。
 14分、小笠原に代えてCB昌子を投入。青木をボランチに上げ、柴崎に攻撃のタクトを託す。直後、柴崎のCKのクリアから青木がシュート。GK林がキャッチ。19分、柴崎のCKにジュニーニョがヘディングシュート。21分、西がパスカットからそのままドリブル、シュート。さらに25分、左SB新井場がDFの股下を通し、興梠がドリブルからシュート。GK林が腕に当てる。そして31分、柴崎がフワッと縦に入れると、本山も浮き球のスルーパス。興梠が彼らしくすり抜けてシュート。ついにアントラーズが追い付いた。
 その後もアントラーズの攻勢が続く。34分、興梠のクロスにジュニーニョがシュート。35分、西のクロスを大迫が落とし、本山がシュート。さらに37分、大迫の落としから柴崎のクロスにジュニーニョがヘディングシュート。ベガルタも39分、富田に代えて関口を投入。攻撃的戦力を投入して反撃を図る。44分には関口のドリブルから太田がシュート。中盤が空いて最後まで攻め合うが、得点には至らず、ゲームは3-3のドローで終えた。
 いや面白い。先のナビスコ杯では柴崎がもっと攻撃的になればと嘆いたが、まさにそれを実践。攻撃的なアントラーズの怖さを見せつけた。新監督に変わりフィットするのに時間がかかったが、来シーズンへの明るい展望が見えたゲームだった。ベガルタは首位が掌中からスルリと逃げた。あと2節。まだまだ厳しい優勝争いが続く。勢いのベガルタ、戦略のサンフレッチェ。どちらが優勝してもおかしくない。