とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

ノース・ロンドン・ダービーにしてはお粗末なゲーム。アデバヨールがゲームを壊した。

 7位トットナム対8位アーセナル。なかなか中位から抜け出せない両チーム。それぞれマンU、マンCに惜敗というゲームもあったが、フラムやウィガンに勝てないのはどこかに問題がある。アーセナルについて言えば不安定なディフェンス。このゲームでも序盤からトットナムの高速FWにDFラインがズタズタに引きちぎられた。
 10分、CBに入ったフェルトンゲンのフィードにFWデフォーがいったん戻ってターンをすると、CBメルテザッカーがついていけない。あっという間に抜け出されシュート。GKシュチェスニーがいったんはブロックするもこぼれ球にアデバヨールが詰めてゴール。トットナムが先制する。さらに13分にもデフォーのスルーパスにベイルが抜け出し、レノンがシュート。アーセナルのDFラインが落ち着かず、簡単に裏を取られてしまう。攻めてもいつものようにパスがつながらない。CBから前線にロングボールを放り込む、アーセナルらしからぬ攻撃に終始する。こんなアーセナルは最近見たことない。どうしちゃったんだろと大心配。
 ところがこの状況をトットナムアデバヨールが反転してみせる。18分、トラップが大きくなったところをカソルラが奪おうとすると、そこへ足の裏を見せた高いタックル。カソルラがもんどりうって倒れる。アデバヨール、レッドカード一発退場。元アーセナルとして激しいブーイングにさらされ、アーセナルの手助けをしたわけではあるまいが、これでゲームが180度変わってしまった。
 一人少なくなったトットナムに対してアーセナルのパスが回るようになる。いつものアーセナルが戻ってくる。そして24分、ウォルコットが右サイドで粘ってクロスを挙げると、セットプレーで残っていたCBメルテザッカーがヘディングシュート。まずは同点に追い付く。
 さらに31分、ウィルシャーのFKにジルーがドンピシャ・ヘッド。だがGKロリスがナイスセーブ。32分、右SHウォルコットからCHアルテタとつなぎ、カソルラミドルシュート。40分には右SBサーニャのクロスにジルーが強烈ヘディングシュート。だが、またもGKロリスがスーパーセーブ。フランス代表同士、GKロリスが絶好調。
 だが42分、アルテタの縦パスをウィルシャーがポスト、受けたポドルスキーのシュートはDFに当たり、ゴールに転がる。ゴール。ジルーの強烈なシュートははね返すが、コロコロシュートにはGKロリスもタイミングが合わなかった。
 さらにロスタイム1分、ウォルコットのFKのクリアを拾ったカソルラがドリブル。いったん倒されながらも起き上がって前進。クロスにジルーが合わせる。アーセナルが3点目を入れてトットナムを突き放した。アデバヨールが退場するまでには全く考えられないような展開。僕もTVの前で唖然とした。
 後半開始からウォーカー、ノートンの両SBに代えてCBドーソン。トップ下にはデンプシーを配する3-5-1の布陣に変えてきた。これでしばらくはトットナムが優勢。アーセナルが3バックに戸惑っていた。だがそれも15分まで。GKからのフィードをジルーがヘッドでつなぐと、ウォルコットのスルーパスポドルスキーがクロス。カソルラがシュート。4点目を追加する。3バックのサイドのスペースをうまく使われる。
 もっともアーセナルも中盤はスカスカ。26分、バイタルエリアでボールを持ったベイルがミドルシュートトットナム2点目。さらに28分にはデンプシーのパスを受けてまたもベイルがシュート。だが35分アンドレ・サントス、41分オクスレードチェンバレンを投入すると、またアーセナルの攻撃が活性化する。ロスタイムにはオクスレードチェンバレンがパスカットからドリブルで前進。クロスをウォルコットがシュート。ついにアーセナルが5点目。ここでタイムアップ。5-2でアーセナルが勝利した。
 それにしてもバタバタとしたゲーム。お互い守備に難を抱えることがよくわかった。攻撃力は一流。だがどれだけ得点してもまた失点する守備を何とかしなくては何ともならない。いつになったら守備を安定できるのか。そうでないといつまでも中位で苦しむことになるだろう。