とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

エスカレーターって危ない。

 先日、地下鉄ホームから改札に上がるエスカレーターに乗っていたら、突然、前に立っていた男性が後ろ向きに倒れてきた。70歳過ぎとみられるお年寄りで、酒も少々入っていたかもしれない。私は男性の乗る踏み段から1段空けた後ろの段に乗っていたが、あいにく男性の周囲は女性で、しかも地下鉄から降りてきた人が一斉に乗ったから、周囲は2列でビッシリ並んだ状態だった。
 とっさに倒れてくる男性の背中を押したが、予想以上に重くて支えきれず、次第に男性の腰が下がり、頭よりも足の方が高いような状態になってしまった。周りの人も突然の出来事で「大丈夫ですか」と声は挙がるが、どうしたらいいかわからない様子。
 しかしエスカレーターは止まらず、だんだんと終着が見えてくる。どうしようかと焦ったが、とりあえず男性を横向きにひねったら、足が下に降りて、仰向け状態から横向き状態になり、多少は男性の姿勢をコントロールしやすくなった。男性の脇の下に手を入れて、腰が浮いた状態で抱きかかえたまま、近付く終着に備え、最後は男性の足が浮いて何とか上階の床に着地できた。その後は床に倒れ込んだが、何とか最悪の事態は回避できた。男性は「すいません。すいません」を連呼していたが、ケガはないようだったので、後ろからの人に押されるようにその場を離れた。
 しかしびっくりした。とっさに非常停止ボタンなんて押せるものでもないし、押してくれた人もいない。あのまま倒れていても、終着のところで服などが引っ掛かり、自動的に停止したのかもしれないが、隙間に挟まれてケガをしたかもしれないし、急停止して満員のエスカレーターに乗っていた人たちが一緒に倒れるなんてことになったかもしれない。どうなったかわからないが、どうもならなくてよかった。
 ちなみに、娘も数年前に似たような経験をしたことがあるそうだ。「怖いお年寄りのエスカレーター」
 先日はエスカレーターに乗る人が列を作って並ぶ右側を、歩いて上ろうとする人たちがスイスイと追い抜いて行く。私も右側を進んでいったら、私の前を歩いていた男性がエスカレーターに乗るなり、ピタッと止まった。しばらく前から名古屋の地下鉄には「エスカレーターは歩いて上らないでください」という注意書きが書かれており、注意に従う人も多いのだが、右側は空けていることが多い。あえて右側に乗り、かつ歩かない、というのは後ろからのプレッシャーを感じてなかなかできないことだが、エライ。
 前に、「歩行できないエスカレーター」を提案したが、そろそろ真剣にエスカレータの高齢者・事故対策を考える時期ではないだろうか。