とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

クールビズよりシーズンビズ

 今月初めからクールビズが始まっている。とは言っても5月1日は3月並みの寒さでマスメディアでもコートや上着を着込んだクールビズを報道していた。確か福島第一原発事故以前の2010年まではクールビズは6月からだったはず。それが原発事故に伴う電力不足対策として開始時期が5月に繰り上げられた。それでも国は5月1日開始だったが、個々の企業や自治体はそれぞれ開始時期はバラバラで、うちの会社も昨年は確か5月半ばからだったはずが、今年はGW真っ最中の5月1日からとなった。みんなどうするかなと恐る恐るネクタイなしで出勤したら、ネクタイ着用・非着用が半々くらい。今年の1日は寒かったからね。
 その後もなかなか気温が上昇せず、半々位の状況が続いていた。そして昨日、突然28度の高温。今日は30度を超えると言う。そうそう例年、梅雨前の5月中下旬にいったんすごく暑くなり、6月になってまた下がるんだよね。うちの職場は技術部門なので、冬場でもスーツの上着はロッカーに置いて、作業着を羽織る者が多く、最近は作業着も脱いで長袖シャツだけという服装が多い。でも、白物の長袖シャツにノーネクタイって締りがない。カラーや柄物シャツ、ボタンダウン襟など胸元に少しアクセントがほしい。
 毎年クールビズと言われるたびに、高校時代の服装検査や制服規制を思い出す。愛知県内では当時から県内最進学校旭丘高校のみが服装自由で、私が通学する高校でも、たぶん学生運動の名残りもあったと思うが、学生集会の場で制服廃止・服装自由の要求が掲げられ、議論されたのを覚えている。
 個人的には服装など自由でいいじゃないかと思っていたが、それでも自由な学風の高校だったので、髪型などはけっこう自由で、私も中学時代の反動から長髪にしていたような気がする。それと山岳部で活動する際には、山行にふさわしいという条件で自由な服装で部活をしていたから、制服規制に対してあまり不満を抱くことなく卒業してしまった。
 しかし社会人になってからなお「服装規制かよ」とは思う。最近の学生は就活が厳しいので、真っ黒なリクルートスーツで歩いている姿をよく見る。うちの娘もこの4月に入社後、しばらくはリクルートスーツで通勤していた。入社して数年経った20代・30代の社員は、クールビズと言ってもけっこうおしゃれなシャツを着ており、規制の中で自分を表現することに慣れているのかもしれない。
 それにしても服装など個人の自由でいいじゃないか。極論、夏にセーターを着ようが(そういえば昨年は夏にスキー帽を被る若い女性がいた)、冬にTシャツでいようが、それがその職場のTPOに合っていればそれでいい。もちろん相手がスーツ姿が想定される商談などの場でアロハシャツで行くのはいかがなものかと思うが、それで契約が成立するなら全然OKだし、却って効果的だという場合だってあるかもしれない。
 たとえばユニクロでは店員に店頭ではユニクロの商品を身に着けることを義務付けている(商品購入は自己負担、社員割引あり)と言うし、自動車会社の社員は自社メーカーのクルマしか乗れないのかもしれない。それは各会社の販売戦力の一つでもあり必要なことだと理解するが、一般企業でクールビズを規定するのは意味がない。
 そう言えば地場産業の振興を目的に、一宮市がカジュアル・フライデーを実施していたなと思って検索したら、5〜6年前に中止していた。どうやら職員の服装が自由すぎてだらしないと市民の反感を買ったらしい。
 官公庁などではクールビズ期間以外の服装規定はあるのだろうか。ネクタイ着用なんてどこにも規定されていないのではないかな。だとすれば、クールビズ期間中、ネクタイ着用不可と規定することにどういう意味があるのか。やはりクールビズなんてくだらないな。服装など個人の良識に任せておけばいいのだ。
 で、いつでもその季節とTPOに応じたビジネスファッションを着ることを何と言えばいいかと考えた結果、シーズンビズってどうですかね。我が社はシーズンビズを採用し、社員の自主的判断を信頼しています、て言ってもらえば、みんなそれなりの服装にすると思うんだけどな。