中3日と休養十分のブラジルに対して、スペインは120分を戦った後の中2日。加えて圧倒的なブラジル・ホーム。イタリア戦でも苦戦して勝ち上がったスペインはブラジルに対しても苦戦するだろうなとは思っていたが、まさかここまでブラジルが完勝するとは思わなかった。
序盤2分、フッキのクロスがネイマール、アルベロアと当たって倒れたフレッジの前にこぼれる。フレッジがそのままの姿勢で足を振るとボールがゴールに飛び込んだ。開始早々にブラジルが先制。スタジアムからは歓喜の大歓声。猛烈な応援がブラジル・チームを後押しする。8分にはネイマールの縦パスがDFに当たりこぼれたボールをフレッジが落とし、オスカルがシュート。
ブラジルの速いプレスにスペインがミスを連発。パスがつながらない。13分にはCHブスケスからボールを奪ったCHパウリーニョがループシュート。GKカシージャスがかろうじてキャッチする。19分、イニエスタがミドルシュート。ようやくスペインがブラジルのプレスに慣れてパスが回り出す。続くCKにCFフェルナンド・トーレスがヘディングシュートを放つも枠を外す。
ブラジルは速いプレスからショートカウンター。25分、左SBマルセロから右SBダニエウ・アウベスへサイドチェンジ。アウベスのスルーパスにフレッジが走り込んでシュート。30分、フッキがドリブルで持ち上がり、スルーパスにオスカルが抜けようとしたところをセルヒオ・ラモスがファール。フッキのFKはわずかにポストの左。32分、ネイマールがドリブルで駆け上がると、DFの間を抜けるスルーパスがフレッジにピタリと合ってシュート。GKカシージャスが速い飛び出しでスーパーセーブ。
41分、スペインはF.トーレスが中盤でポストになってスルーパスにマタが抜け出す。十分引き付けて右にパス。ペドロがGKを抜いてシュートを放つが、CBダビド・ルイスが驚異的な戻りでクリアする。ブラジルのゴールには完全にカギがかかっている。そして44分、オスカルがドリブルで前に運ぶと、ネイマールが一旦受けて、オスカルに戻し、オフサイドラインから戻ってもう一度、オスカルのスルーパスにラインの裏に飛び出す。GKカシージャスの右肩を抜き、ネット上部に突き刺すシュート。前半終了間際、ブラジルが2-0と突き放す。
追うスペインは後半最初から右SBにアスピリクエタを投入。だが2分、フッキのキープからゴール前へのクロスにネイマールがDFを引き付けてスルー。裏にフレッジが抜け出してシュート。後半早々と決定的な3点目を入れた。
スペインは7分、早くもマタに代えてヘスス・ナバスを投入。10分、ナバスがPA内に入ったところを左SBマルセロが倒してしまう。スペインにPKを献上。ところがセルヒオ・ラモスのPKが枠に入らない。徹底的にゴールに嫌われるスペイン。13分、ペドロが起点を作り、イニエスタがミドルシュート。だがGKジュリオ・セザールが正面でキャッチ。スペインはシャビがボールに触る機会も少なく、イニエスタのドリブルも単独突破で連携が作れない。14分には早々とF.トーレスに代えてビジャを投入した。
しかし23分、ネイマールがカウンターからドリブルで抜け出すと、CBピケが足をかけて止める。一発レッドカードの退場。これで完全にスペインは終戦。35分、ビジャの落としからペドロがシュートを放つが、GKジュリオ・セザールがファインセーブ。さらに41分、ヘスス・ナバスのクロスにビジャがシュートをするも、またもGKジュリオ・セザールがスーパーセーブ。今日はブラジルにゴールはないも等しい。どうしてもゴールが入らないスペイン。このまま90分が過ぎ、3-0でブラジルがコンフェデ杯優勝を決めた。
さすがホームのブラジルは強い。ホームの大声援に全員ノリノリ。やることなすことうまく運んで、W杯前哨戦のコンフェデ杯は大成功で終わった。この勢いならW杯優勝も十分可能だ。心配はネイマールがバルセロナに移籍してどうなるかという点。これでメッシとのコンビ・バッチリでゴール量産するようなら、ブラジルのW杯優勝は鉄板だが、そうはならないのがW杯。
一方のスペインは無敗記録が26戦(公式戦は29戦無敗)で止まってしまった。だが、これで逆に変なプレッシャーから解放されて一から始めることができるだろう。それよりも課題は年々選手の年齢が上昇していること。シャビやビジャも30歳半ばに近くなり、若手の融合がこれからの課題だ。今大会ではアルバが活躍したが、マタやダビド・シルバはまだ十分溶け込んでいない。アスピリクエタが交代出場したが、さらに経験を積みつつどれだけ積み上げることができるか。来年再びW杯で両雄の対戦が観られると面白いのだが。