とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

医療機関に医師一人当たり診察点数上限を定めたらどうなるだろうか。

 妻が高血圧・高脂血症で1・2ヶ月毎に30分ほど離れたクリニックに通院している。近所では評判の高い診療所で、いつ行っても満員。予約制だが、なかなか予定どおり診療が始まらないことが多い。
 小児科もこちらは比較的近くに、土日でも開院しているクリニックがあり、診察も丁寧で親身になって応対してもらえるので人気があり、いつも混雑している。娘が成長した後は行っていないが、儲かりすぎたのか最近は医療法人に改組したらしい。
 一方、家の近くでいつ行ってもすぐに診療してもらえるクリニックがある。評判が悪い訳ではないが、妻が通っている診療所に較べると、親身度が違うかもしれない。
 医師にしてみれば、忙し過ぎない程度に患者に来てもらえればいいのだろうが、評判や人気が出ると混雑するクリニックはますます混雑していく。冒頭のクリニックは予約制を導入し、1日の診察件数をコントロールしているのかもしれないが、新患もあってうまくコントロールしきれていないようだ。
 医療機関の混雑ということでは大病院の3分診療が問題になった時期があったが、最近はどうなのだろう。先日読んだ「困っている人」では、東京の有名大学病院等ではあまり状況は変わっていないようだ。
 ここでふと建築業界のことが頭に浮かんだ。アネハ事件以降、建築確認が厳格化された。それ以前に、建築確認業務の民間開放が行われ、民間確認検査機関が多数誕生した。これらの民間確認検査機関の認可にあたっては、確認業務を行う建築確認適合判定資格者の人数に応じて、確認検査できる件数に一定の基準があり、資格者の少ない機関では業務量に制限がかかる仕組みになっている。
 同様の仕組みは老人ホームやデイケアデンター、訪問介護事業所などにもあって、業務量に応じてヘルパーや介護士の数が決められている。
 医療機関にはこうした仕組みはないのだろうか。医療行為に応じて診療点数が決められているが、基本的に医療行為は人件費だから、診療点数がそのまま診療時間と連動していると考えることもできる。だとすれば、1日に診療できる医療行為の総量を診療点数によって制限することもできるのではないか。
 もっとも同じ診療時間、同じ診療点数ならば、名医に診てほしいのは心情だから、結局上限を制限しても混むクリニックは混むし、つぶれる医療機関もあるのだろうが、診療点数の仕組みってどうなっているのだろうかとふと思った。結局、「医は仁術」ならぬ、「医は算術」なのかもしれないが。