とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

日本、2点差を守れず中国に引分け。若手年代もひ弱さを露呈。

 東アジア杯男子の初戦も中国が相手。海外組がいない日本はJリーグの若手主体で代表を組んだ。柿谷のワントップに原口と工藤が左右に開いて、トップ下は高萩。青山と山口のダブルボランチに駒野と槙野の両SB、CBは森重と栗原。GKは西川が先発した。
 序盤、中国が前から積極的にプレスをかけてきた。2分にはCHハン・ボウウェンのCKにCBリ・シュエペンが足を伸ばす。そして4分、FWユ・ターパオがPA内で強引なドリブルを見せると、栗原の対応が遅れて倒してしまう。PK献上。これをOHワン・ヨンポに決められ、早々と日本が先制される。
 その後も日本はなかなかうまくパスが回せない。様子を見ながらのパス回しは、足元へのパスが多くなり、全体的に動きが出てこない。16分にはFWガオ・リンのクロスに右SHチュ・ボがヘディングシュート。それでも19分、OH高萩から右に展開、工藤が持ち上がってクロスに原口が走り込む。シュートはGKツェン・チェンの正面に飛んだが、この後、次第に日本がペースを取り戻していく。
 29分には青山の縦パスを高萩が落として、原口のスルーパス。だが工藤に届かない。そして33分、左SB槙野が上がって得たCKのチャンスを高萩が蹴ると、いったんDFがヘディングで当てたボールを工藤がニアで折り返し、栗原が頭から飛び込む。日本が同点に追いついた。
 だがその後また中国が盛り返してくる。36分、右SBチャン・リンペンがドリブルで切り込んでシュートを放つと、39分にはハン・ボーウェンのFK。そして42分、FWユ・ターパオが左サイドから中にドリブルで切れ込み、ガオ・リンのスルーパスにユ・ターパオが抜け出してシュート。GK西川のスーパーセーブに救われた。前半はこのまま1-1。前半のうちに追い付けてよかった。
 後半に入ると日本が断然動きが良くなる。特にバイタルエリアでCHが速い寄せから再三ボールを奪取。パスもスムーズに繋がるようになり、中国を圧倒する。12分には原口がミドルシュート。そして14分、CH青山から左に展開、左SB槙野のクロスに柿谷がニアに飛び込みヘディングシュート。これがきれいに決まり、日本が勝ち越した。
 さらに16分、高萩からの長いフィードに柿谷が抜け出し、原口が中から左に走ってDFを引っ張ると、右のスペースに工藤が走り込みシュート。中国を突き放す3点目を挙げた。19分には青山のフィードに柿谷が抜け出し、GKと一対一と思ったが、トラップをミス。しかしこれで日本の勢いが落ちてくる。
 22分、OHワン・ヨンポがミドルシュート。GK西川がナイスセーブ。日本は21分、青山に代えて高橋を投入。さらに27分、原口に代えて齋藤を投入した。29分、高萩がドリブルからミドルシュート。しかしGKツェン・チェンがセーブ。そして35分、中盤でワン・ヨンポがボールを持つと、日本の寄せが甘い。そこで思い切ってミドルシュート。バーに当たってはね返ったところに右SB駒野が足を伸ばすと、FWユ・ターパオが寄せて倒れる。またもPK献上。これもワン・ヨンポが決めて、中国が1点差に追い付いてくる。
 日本は寄せが甘くなり、中国にスペースを与える。40分、左SBロン・ハオのクロスに右SBチャン・リンペンがボレーシュート。GK西川がファインセーブ。そして42分、左SBロン・ハオが駒野をかわしてクロスを入れると、途中交代スン・ケーがシュート。日本はゴール前で大きく振られて、ゴールを許してしまった。同点。結局、このままタイムアップ。若手代表の初戦は引分けで終わった。
 3-1でリードした時点ではこれで確実に勝利だと思った。駒野のPKは厳しい判定だったが、その後、守りを引き締めることができなかった。浮足立ってしまった。この姿はコンフェデ杯のイタリア戦でも見たような気がする。相手の勢いに対して逆境を落ち着かせることができない。リーダーの不在? 力不足? これで何度勝利を逃せば気が済むのか。日本チームには選手が代わっても構造的な問題が隠れているようだ。