とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

どうして追い付かれるかなあ。勝利はしても評価は厳しく、代表で使える選手、使えない選手をセレクション。

 前の中国戦から11人全員を入れ替えてきたオーストラリア戦。今度は3-2で勝利したものの、相変わらずの2失点。当然、代表で使える選手、使えない選手のセレクションは厳正に行われるだろう。とりあえずCB鈴木はいらない。
 ゲームは序盤から日本ペース。8分、右SH齋藤が右サイドをドリブルで切れ込み、クロスに左SH山田がボレーシュート。中国戦の反省を生かしてか、3日間の練習の成果か、守備は組織的に作ってきた。攻撃も組織的。その中で斉藤の個人技は目立っていた。
 23分にはFW大迫のスルーパスに豊田が走り込むが、CBノースが自由にさせない。サガンのようにCF豊田をめがけてロングボールを放り込むシーンは少ない。あくまで組織的に。山田からゲームを作る仕掛けのパス。そして26分、齋藤はドリブルで仕掛ける。左から中へ。そしてシュート。見事に決まり日本が先制した。
 だがそこで安心したのか、日本に消極的なプレーが見えてくる。28分、右SB森脇からCB千葉へのパスがトラップミス。左SHマッケイが奪い、クロスにCHミリガンがヘディングシュート。雨のせいか、芝のせいか、日本にパスミスが多い。40分にもCB鈴木のミスからCKを献上し、マッケイにミドルシュートを打たれる。
 だが攻撃では豊田がいいパフォーマンスを見せる。37分、CH高橋から左に展開。山田のクロスにFW豊田が強烈なヘディングシュート。惜しくもGKガレコヴィッチの正面。44分、FW大迫から右に流し、豊田のクロスにCH高橋がミドルシュートを放つ。日本の組織的な守備の前にオーストラリアが攻めあぐね、ゲーム内容も日本の方が勝っていたが、どこかおとなしい感じがする前半だった。
 後半も淡々とした感じでゲームに入る。芝が合わないのかCBにミスが多いのも気になる。だが11分、CB鈴木の縦パスを豊田が落とし、大迫が見事なヒールトラップ、シュートフェイントからシュート。GKの横を抜いてゴールに突き刺す。大迫の巧さが凝縮されたゴールだった。
 ところがこれで日本が優勢に出られない。13分、FWヴィドシッチに代えてニコルズを投入。すると14分、マッケイのFKをCHミリガンがヘッドで戻し、DFのクリアミスをミリガンがもう一度狙う。GK権田が抑える。さらに16分、CHザドコヴィッチがFWニコルズとのワンツーで右サイドを抜け出しクロス。これもGK権田がキャッチした。
 20分、途中交代の山口の縦パスを豊田が落とし、大迫がシュート。30分には左SH山田のクロスに豊田がヘディングシュートを放つ。だが31分、ニコルズからのスルーパスにFWデュークが抜け出しシュート。オフサイドをアピールしたがゴールが認められてオーストラリアが1点差に追い付く。浮足立つ日本。そして34分、右SBフラニッチから中にパス。ザドコヴィッチを経由してCHミリガンのスルーパスにFWニコルズがCB鈴木を惹きつけ、交差して走り込む右SHユリッチにCB千葉がついていけず、シュート。あっという間に同点に追い付かれた。
 ところがその直後の34分、途中交代の工藤がボールを収め、豊田にパス。落としを大迫がシュート。すぐに日本が1点を勝ち越した。しかしまだ落ち着かない。オーストラリアがキックオフからFWデュークがスルーパス。右SHユリッチが中に落とすと、デュークが走り込んでシュート。と思いきやクロス。DFがクリアした。助かった。さらに38分、マッケイのFKにユリッチが倒れてファールをアピール。ビデオで見直すと、森脇が抱きかかえ、引き倒している。PKを取られてもおかしくないプレー。
 その後もオーストラリアが攻める。日本は37分に千葉に交代したCB栗原のみが落ち着いている。マイボールに自陣から上がって行ったのも栗原のみ。前線で豊田がチェイシングしてオーストラリアの攻撃を遅らせる。中堅の二人が率先して日本に落ち着きを取り戻し、何とか逃げ切った。
 うーん、勝ったとは言え、あまり喜べない内容。確かに大迫と齋藤の巧さは光った。豊田もよく特長を出していた。だが扇原が山口に交代した後の守備のドタバタはいただけない。鈴木と森脇はもう代表に要らない。次の韓国戦、どういうメンバーが先発するのか。ザッケローニの選択の結果が見られるのではないか。