とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

チ・ソヨンの2発を追い付けず。韓国の執念に対して漫然と受けてしまった。

 東アジア杯最終戦は勝てば3連覇となるゲーム。対する韓国は既に中国と北朝鮮に連敗し、優勝の可能性はないが、日本相手に闘志を見せてきた。一方、日本は大野と阪口に代えて、岩渕と田中明日菜を先発。韓国を軽く見て選手や戦術を試す意図があったのではないか。
 序盤は日本が押し気味にゲームを進める。8分、CH宮間のドリブルから右に流し、右SH川澄が走り込んでそのままシュート。GKキム・ジュンミがキャッチ。9分、宮間のスルーパスにDFと競り合いながらFW岩渕が走り込み、こぼれ球にFW大儀見が詰め寄るが、GKキム・ジュンミがセーブ。12分、宮間のCKに岩清水がファーサイドボレーシュート
 だがゴールは突然に訪れる。14分、それまで攻め込んでもなかなか形が作れなかった韓国がPA前でFKのチャンスをもらう。するとチ・ソヨンが壁の上から落とす見事なFK。韓国が先制した。
 日本も23分、宮間のFKに岩渕がニアに走り込んでヘディングシュート。しかしうまく逸らすことができなかった。韓国の寄せが速い。日本がゲームの主導権を握って攻撃するが、なかなか形にならない。逆にカウンターで韓国がゴール前に迫る。25分、CHキム・ナラエからの縦パスに右SHジェン・ガエルが走り込む。左SB上尾野辺が何とかブロック。30分にもジェン・ガエルがワンタッチでゴール前に走り込むが、GK海堀の飛び出しでセーブした。
 韓国のプレスが速い。上尾野辺はよく攻撃参加し積極的なプレーを見せたが、岩渕と田中は韓国の速い寄せに自由にプレーをさせてもらえない。特に田中は本来はアンカーとして宮間を攻撃に専念させる狙いだったのだろうが、中途半端なプレーで却って宮間の足を引っ張ってしまった。
 そこで後半始めからCH阪口を投入。だが、激しくなる雨と中1日の疲れからか、なでしこにミスが多い。12分には岩渕に代えて大野を投入した。13分、ヨウ・ヨンガからの落としをジェン・ガエルがミドルシュート。あわやゴールを掠める。15分、チ・ソヨンが川澄をぶっちぎってドリブル。なでしこリーグでもレオネッサの中でチ・ソヨンの巧さ・強さは群を抜いているが、こうして対戦すると同僚たちも蹴散らす力強いライバルだ。17分、大野も積極的なドリブルで前進するが、ラインを出てしまった。
 なかなかシュートが打てない日本。すると22分、右サイドのスローインからクォン・ハヌルが抜け出し、岩清水をかわしてクロスにチ・ソヨンが走り込む。ゴール。韓国が貴重な追加点を入れた。
 阪口と大野を入れて攻撃に幅とタメができてきた日本は、必死に反撃を開始する。そして28分、大儀見の落としを安藤がつなぎ、宮間がミドルシュート。しかしバーにはね返される。今日のなでしこはゴールが遠い。運がない。と思ったが、はね返りを川澄が落とすと、大儀見がシュート。いったんはGKキム・ジュンミが弾き返す。さらにシュート。ようやく韓国のゴールをこじ開けた。1点差。その後は日本の猛攻が続く。29分には右SB中島に代えてFW菅澤を投入。3バックにして攻撃・攻撃・攻撃。
 33分、上尾野辺のスルーパスに大野が走り込み、クロスに宮間がシュート。DFがブロック。はね返りを再度シュートするが、枠を外す。35分、大野のクロスに大儀見がヘディングシュート。枠を外す。36分、大儀見から左に展開。左SH安藤がDFをかわしてシュート。ポストに弾かれる。やはりついていない。
 38分、菅澤の落としから大野がシュート。DFがブロック。39分、菅澤のシュートは力なくGKがセーブ。42分、宮間のFKにGKキム・ジュンミが飛び出しクリア。阪口が空いたゴールめがけてミドルシュートを放つが、DFにクリアされる。42分、宮間のクロスに阪口がヘディングシュート。GKキム・ジュンミがセーブ。アディショナルタイム、宮間のクロスに菅澤がヘディングシュート。だがこれも決まらない。韓国の執拗な時間稼ぎと必死の守備の前に最後まで同点ゴールを挙げられず、1-2で惜敗した。
 1点を返して以降は猛攻を繰り広げたが、ツキもなかったし、何より前半のできが悪かった。岩渕と田中の起用は疲れ対策と新戦力の融合という意図があったのだろうが、自国開催の大会で3連敗はできないという韓国の執念の前に無残に完敗した。まだまだ課題は多い。近賀と鮫島が不在の両SBは何とか目処がつきそうな感じになったが、CHと大儀見頼みの攻撃陣はもっと多彩さがほしい。次は来年のアジア予選になるという。それまで各自、さらに技術と確かな実力を磨く必要がある。アジアにこんなライバルがいることはうれしいことだ。がんばれ、なでしこ。