とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

雨中の激闘、日韓戦。日本には柿谷がいる。2発で韓国を撃沈!

 序盤から韓国が猛攻を仕掛けてきた。いつ終わるかと思ったら、なんと90分間続いた。そして激闘の末の2-1の勝利。これを国内組で達成したことには意味がある。ザッケローニ監督は今後どういうメンバーを選考していくのか。柿谷は当確。山口や槙野、森重はどうか。国内組のがんばりに1年後への夢が広がった。
 前半4分、左SHユン・イルロクのクロスに右SHコ・ヨハンがボレーシュート。韓国は積極的にサイド攻撃を仕掛けてくる。そして8分、中盤深い位置からのフィードにCFキム・ドンソプが抜け出してシュート。GK西川が足に当てるスーパーセーブ。サイドだけでなく中央は速いカウンター攻撃でDFラインの裏を突いてくる。
 韓国が圧倒する。守備に回る日本。だが日本の守備は集中している。CB森重、CH山口。両SB駒野と槙野が積極的に攻撃を仕掛ける韓国の両SHによく対応する。さらに韓国は両SBキム・チャンスキム・ジンスも積極的に攻撃参加。工藤、原口の両SHも守備に回ってよく走った。だが、二人が前を向いてボールを触る場面がない。OH高萩、CF柿谷にもボールが全く入らない。
 押されっぱなしでいた25分、韓国のCBホン・ジョンホからのフィードを日本のDFが跳ね返したボールがCH青山に入る。するとすぐに前方にフィード。ラインを上げるCBホン・ジョンホと入れ替わるように柿谷が走りこむと、そのままGKと一対一。こういう場面にはめっぽう強い柿谷が冷静に流し込んで、日本が最初のチャンスで先制点を挙げた。
 だが直後からまた韓国が反撃。日本も集中して守るが、33分。左SHユン・イルロクが縦に入れると、CHイ・スンギが落として、再度ユン・イルロクがミドルシュート。これが見事に決まり、韓国が同点に追い付いた。1-1。だがこれで日本の守備が崩れることなく、粘り強く守り前半を終えた。
 後半7分、槙野が守備で交錯し背中を痛めたか、右SB徳永と交代する。駒野を左SBに回す。8分、OH高萩のFKをGKチョン・ソンリョンがパンチング。こぼれたボールを受けた原口がフェイントからシュート。DFに当たる。直後、高萩のCKに工藤がニアに飛び込みヘディングシュート。この時間帯、ようやく日本が韓国ゴールに攻め込んだが、ゴールが遠い。
 20分にはCBキム・ヨングォンのフィードにCHイ・スンギが抜け出す。が、森重がナイスタックル。雨の中、重いピッチ、90%近い湿度に疲れが目立つ。次第に運動量も落ちる中、気力だけで戦う両チーム。25分、工藤に代えて山田を投入。韓国は26分、CFキム・ドンソプに代えてチョ・ヨンチョルを投入。嫌な選手だ。さっそくチョ・ヨンチョルのドリブル突破を栗原がナイスタックル。放り込むボールは栗原が高さで弾きだす。
 40分、左サイドで左SHユン・イルロクの仕掛けからスルーパス。OHハ・デソンが走りこんでクロスにCHイ・ミョンジュがスルー。右SBキム・チャンスがシュートを放つも枠を外す。ゴール前を固めた日本DFの気迫がシュートを寄せ付けない。43分には高萩に代えてCF豊田を投入。韓国も長身CFキム・シヌクの投入。両チーム高さ勝負。
 そしてアディショナルタイム1分、左SB駒野が左サイドを抜け出し、左SH原口に預けるとそのままドリブル。中を駆け上がる豊田と柿谷を見つつ思い切りシュート。GKチョン・ソンリョンが弾いたボールを足を止めた柿谷が冷静にゴールに流し込む。ゴール!!! ついに日本が勝ち越し点を挙げた。
 長い5分のアディショナルタイム。韓国は左SBキム・ジンススローインからこぼれ球を左SHユン・イルロクがシュート。CB森重が身体を張る。さらに続くCK。GK西川が弾いたボールがゴールに向かって飛ぶ。CF豊田がライン上でヘディングクリア。最後まで気力を出し続けた日本が2-1、韓国相手に魂魄の勝利。東アジア杯の初優勝を飾った。
 激闘という言葉がふさわしい、気持ちと気持ちがぶつかり合ったゲームだった。だから日韓戦はすばらしい。海外組がいない中で、これだけの熱戦を繰り広げた。最後まで集中した守備が途切れない。そしてカウンター2発で勝利。
 天才・柿谷の復活アピール。原口、工藤の両SHもよくがんばったし、両SB駒野と徳永は老練な円熟を見せてくれた。そしてCB森重、CH山口。彼らの集中力は日本の守備に新たな力を加えるだろうか。長谷部、細貝、吉田、今野、さらに栗原、伊野波といる中で、今後どういうメンバーで守備を作っていくのか。攻撃陣も既に大半が埋まっている中、新たにメンバー入りを果たす可能性はあるのか。コンフェデ杯で層の薄さと限界を感じた。1年という期間の短さに焦りも感じたが、今回新たな可能性が加わった。彼らをどうミックスし、新たな味に仕上げていくのか。この1年間の楽しみが大きくなった。もちろん大きな期待とともに。