絶好調の大久保に引っ張られ、じわじわと順位を上げてきたフロンターレ。中村憲剛も最近は積極的にシュートを放ち、ゴール数を伸ばしてきた。加えてレナトが復帰。フロンターレの強力な三銃士がサンフレッチェの堅守に挑む。対するサンフレッチェはここ4試合勝ちなしの2連敗。前節のFC東京戦など、けっしてチームが崩れているわけではないが、ミキッチの欠場で攻撃力が落ちている。
序盤、予想と逆にアウェイのサンフレッチェが積極的に前に出てくる。ホームのフロンターレがサンフレッチェの攻撃をブロックを作ってがっちりと受け止め、パスコースがないサンフレッチェがボールを後ろに下げる。じりじりとDFラインを上げるフロンターレ。いつしかフロンターレが押し込む展開になっている。
そして5分、PA手前でファールを受けると、左SHレナトのFKがポストを叩く。すると10分、右サイドでOH憲剛とのパス交換から右SB田中裕介が中に切れ込み、スルーパス。憲剛が走り込んで即シュート。GK西川の左側、ニアサイドを抜いてフロンターレが先制した。
フロンターレはけっして厳しいプレスをかけるわけではないが、守備のバランスが良く、サンフレッチェがボールを持って押し込んでいっても、最後のところで詰まってしまう。そして攻撃の場面ではCF大久保と左SHレナト、OH憲剛の連携がいい。3人で再三突破を図り、チャンスを作っていく。
それでもサンフレッチェの守備もしっかりしていて、なかなかシュートは打たせない。34分、レナトのCKからCBジェシがヘディングシュート。GK西川ががっちりキャッチ。41分、CF大久保のパスを受け、OH憲剛が前にドリブル、シュートを放つ。ここからのレナトのCKを右SB田中がつないで、CBジェシがシュート。だが枠を外す。
サンフレッチェは43分、右SH森崎浩司からのクロスをOH高萩が強烈ボレーシュート。だが、GK西部がスーパーセーブを見せる。逆に44分、左SHレナトがミドルシュート。そしてアディショナルタイム2分、カウンターでレナトが持ち上がると、左の大久保にスルーパス。GKと一対一からシュートのタイミングでレナトに戻す。シュート。前半終了間際、フロンターレが追加点を挙げて、2-0と突き放した。
後半2分、CH稲本のアーリークロスに右SH森谷がヘディングシュート。だがその後はサンフレッチェが積極的に反撃をしていく。フロンターレは守備意識を高くしっかりブロックを作り、機を見てカウンター。7分、左SHレナトのドリブルから右SH森谷がミドルシュート。サンフレッチェも8分、CH青山がミドルシュート。だがサンフレッチェのシュートはいずれもミドルレンジから。なかなかゴール前まで入っていけず、CF佐藤がボールを触る場面もほとんどない。14分にはOH憲剛のスルーパスに左SHレナトが抜け出しドリブル。右WBファン・ソッコが堪らず倒してPKを献上。だがレナトが蹴ったPKはGK西川がしっかり読み切って正面でキャッチした。
16分、サンフレッチェは清水に代えて、久し振りに故障明けのミキッチを投入。ファン・ソッコを左WBに回す。すると24分、右WBミキッチのクロスのクリアをCH森崎和幸が強烈なミドルシュート。GK西部がファインセーブ。こぼしたところにCF佐藤寿人が詰めてゴールを揺らすが、佐藤はオフサイドの判定。ゴールは認められなかった。
ミキッチは35分にも切り返しからのミドルシュートがバーを叩く。GK西部がわずかに触って弾いていた。サンフレッチェは27分野津田、37分には浅野を投入。Jリーグ初出場の浅野は41分、ドリブルで左サイドを駆け上がり、クロスを野津田がつなぐが佐藤がシュートを打てず。その後も浅野の積極的な仕掛けが見られたが、ゴールはならず。2-0でフロンターレが勝利した。
サンフレッチェが不調というより、フロンターレの好調さが上回ったゲーム。フロンターレは今後も上位チームの脅威になるとともに、首位争いにも名乗りを上げる勢いだ。サンフレッチェはようやくミキッチが復帰して、次節以降立ち直ってくれるだろうか。個人的には四中工出身の浅野の活躍が見てみたい。勢いのある選手がサンフレッチェに活気を戻してくれるだろう。
