とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

なでしこ、ナイジェリア戦。いい感じで新旧融合。

 いつも対戦相手の強さを煽り気味にアピールするTV放送だが、ナイジェリアもアフリカ最強と銘打ったものの思ったほどには強くなかった。後半になって身体の強さを発揮し出したが、序盤は日本の技術を警戒したのか、当たりも強くなく、悠々と中盤でボールを持てるため、なでしこが気持ちよく攻撃を繰り出していた。
 なでしこの不安は代表初出場で組んだ北原と三宅のCBコンビ。特に三宅詩織は17歳で、レオネッサではレギュラーでやっているものの、さすがに初めての代表ゲームでは序盤堅さが見えた。それはもう一人のCB北原も同じ。8分、FW高瀬の落としから右SH川澄が縦に入れ、右SB近賀が気持ちよく抜け出してクロス。ここからのCKにCB北原が高いヘディングシュート。これでようやく北原の緊張がほぐれた感じ。
 17分にはナイジェリアのOHエスター・サンデーのドリブルにCB三宅がズルズル下がる。間合いを開け過ぎてミドルシュートを打たれ、バーを叩く。左SB上尾野辺も前半同様にズルズル下がる場面があり、CBも含めて3人がちょっと大丈夫かなと感じた。だが、緊張気味の彼女らを救ったのがCH澤。前半は下がり目のポジションでもっぱら守備を担当。抜群の危機察知能力でナイジェリアのチャンスの芽を摘んでいく。
 そうすると欲しいのがゴール。今一つ攻撃に絡み切れなかった左SH中野に代えて、26分、早々と中島を投入する。すると28分、右SH川澄のスルーパスにFW大儀見が抜け出すが、シュートチャンスに何故かパス。あれ、大丈夫かな。久し振りの2トップのフォーメーションで、もう一人のFW高瀬に気を使ったかな。29分にはCH宮間の落としからCH澤がスルーパス。FW大儀見が落とし、左SH中島のクロスにFW高瀬がシュート。しかしCBオハレがライン上でブロック。ゴールならず。さらに35分、CH澤の縦パスをCH宮間がつなぎ、さらに縦へ。FW高瀬が落とし、左SH中島がミドルシュート。いいコンビネーションが見え出す。
 そして36分、CB三宅の縦パスをFW高瀬が落とし、CH宮間のスルーパスにFW大儀見が抜け出し、GKをかわしてシュート。ついに日本が先制した。大儀見は前半でお疲れ。後半はベテラン丸山に交代した。
 後半2分、CH宮間のクロスを左SH中島が落とし、CH澤がシュート。GKホワイトが弾いたこぼれをFW高瀬がシュート。しかし枠を外した。3分にはCH澤の縦パスに左SH中島がDFを抜いて、FW丸山がシュート。だがGKホワイトがナイスセーブ。中島が代表でもいきいきとプレーしている。丸山にもいつもの溌剌プレーが戻っていてうれしかった。7分には左SB上尾野辺が中に切れ込んでミドルシュート。GKホワイトの正面をついたが、上尾野辺らしい積極的なプレーが見えてきた。上尾野辺はその後左SBで90分間使われ続け、守備面でも中に絞ってのスライディングなど彼女らしいプレーを披露した。
 そして8分、早いリプレイからFW丸山が左サイドをドリブルで抜け出し、クロスをGKホワイトが弾いたこぼれ球を右SH川澄がDFを落ち着いてかわしてシュート。2点目をゲットした。16分には高瀬に代わり、有町を投入。すると17分、CKからのこぼれ球をFW有町がシュート。彼女も湯郷ベルでのプレー以上にいきいきと積極的なプレーを見せてくれた。
 守備面では14分、CF長身のFWウチェチ・サンデーがドリブル。CB北原を抜いてゴールに迫るが、CB三宅がナイスカバー。さらに23分、サンデーのドリブルにCB北原が抜かれ、CB三宅のスライディングもかわされてピンチ。だがGK海堀が飛び出した。ナイスセーブ。GKも含めて、守備は最後まで落ち着いたプレーをすることができた。
 日本は24分、中島のケガに田中陽子を投入。さらに42分、田中に代えて高良を投入した。この間、田中もよくボールに絡んだが、ナイジェリアもようやく身体の強さを生かした守備を披露。弾き飛ばされたり、縦パスに身体を入れられ、収めきれずにラインを割るシーンがあって、その後はゴールに迫れず。だがいきいきとしたプレーは気持ちよかった。結局このままタイムアップ。ナイジェリアとの初戦は2-0で日本が勝利した。
 26日には2戦目が予定されている。たぶんこのゲームで出場せず、なでしこリーグを戦ったベレーザの選手たちが多く出場するのだと思う。それはそれで楽しみ。TV中継がないのが残念だ。