とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

コストコ、ツカレタ。トリエンナーレ、モットツカレタ。

 あいちトリエンナーレ2013が始まっている。既に4月の時点で前売入場券を購入してあったため、何とか元を取り戻そうと、9月になってから会場巡りを始めた。今回のあいちトリエンナーレ愛知県芸術文化センター長者町会場だけでなく、名古屋市美術館納屋橋会場、さらには岡崎市でも複数の会場に分かれて開催されている。これらの会場をそれぞれ別の日に訪れることも可能で、各会場の入場時に日付スタンプを押してくれるので、さながらスタンプラリーのようになる。
 ちなみにスタンプラリーと言えば、名古屋市営地下鉄が各会場と数ヶ所の地下鉄駅に設置してあるスタンプを集めて回ると記念品を提供するスタンプラリーと、岡崎会場を巡るとガチャガチャ抽選ができるスタンプラリーが実施されており、これにも参加してスタンプを集めて回っている。
 まず、9月7日(土)に愛知芸術文化センターへ出かけた。地下2階にヤノベケンジのサン・チャイルドの大きな像が展示されている。10階会場に入場すると、最初は半分壊された家具等を配置した作品や潰された楽器が吊るされた作品などトリエンナーレらしい現代アートが展示され、こんなものかと見学していたら、突如、ヤノベケンジのコーナーで太陽の結婚式の神殿などわかりやすい空間が現われる。10階展示は青野文昭の東日本大震災の漂流物等を修復・貫入・合体させて異物にしてしまう作品など興味深いものもあったが、全般的にいかにも現代アートといった作品が展示されていた。
 続いて8階会場に移動する。最初に宮本佳明福島第一原発と芸術文化センターを合体させた作品に驚いた。福島第一原発神社ともどもまさに原発を皮肉った批判と思わざるを得ない。ミカ・ターニラの映像作品もフィンランド原発が建設されていく過程をただただ客観的に映し出していくもので、強いメッセージ性を帯びている。また、気仙沼のリアス・アーク美術館のコーナーでは被災後の様々なメッセージや写真を展示している。8階は全体的にメッセージ性の強い作品が多いようだ。
 この日は猛暑で、これらの作品を見ただけで疲れてしまい、後は後日ということにしてしまった。ちなみに地下鉄スタンプラリーについては、この翌日、名古屋駅近辺へ行く用事があったため、地下鉄定期券も駆使して金山駅を除いてすべてのスタンプを制覇した。
 続いて9月12日(木)。この日は急遽休みを取れることになり、岡崎市で働く娘を迎えに行きがてら、岡崎会場を回ろうと考えていたら、朝から妻が「コストココストコ」と言う。「絶対行かないよ」と言うのに、まだ「コストココストコ」とつぶやき続ける。聞けば前夜、私が眠りについた後で、HPを検索してコストコ攻略情報を見ていたらしい。ついに根負け。常滑市中部国際空港手前の埋立地りんくうタウンに8月30日にオープンしたばかりのコストコ中部空港倉庫店に寄って、それから岡崎会場に向かうことになった。
 自宅からは名二環・知多半島道路を経由して1時間強。通行料金は1000円近くかかる。11時位に着いて駐車場に入るが、誘導員は入口に一人いるだけで場内はフリー。大きなカートを押す人の後をのろのろと付いて空きスペースを探す。無駄なことには人を割かない、さすがコストコって、オイオイ。まずは新規入会手続きの列に並ぶ。平日なのに20分近く待たされる。建物はチープでほとんど装飾もなく、大きさも感じない。入会登録手続き用のパソコンがズラッと並び、ジーパン姿のラフで都会的な雰囲気の若者たちが対応してくれる。たぶん東京等から応援に来ているんだろう。一家族4200円。一人入場料2100円のアトラクションと自分に言い聞かせる。
 会員カードを受け取って、今度は入店のために列に並ぶ。カートの数で制限しているのか、カート回収が間に合わないのか。場内は大きなカートを押す列でゆっくりと進んでいく。最初は電化製品など、そして食料品。ローストチキンとパエリアのコーナーに列ができていて、妻に命じられるまま、20分余りも並び、ようやくゲットする。他にはチーズやピザ、玉ねぎ、電池など。トイレットペーパーはアメリカンサイズでわが家のペーパーホルダーに収まるか不安だったので購入せず。かなり抑制的に購入したつもりだが、それでも1万円弱。回りでは5万円なんて言葉も聞かれ、油断をするとあっという間にそれ位の金額には行ってしまいそうだ。
 場内のフードコートは満員だったので、近くのコンビニでペットボトルを購入し、海の見えるパーキングでパエリアを食べる。1300円位でほぼ4人分。味はけっこういける。食べ終わったのは2時半過ぎ。やはりコストコに時間をかけすぎた。
 その後、知多半島道路、東海環状道路、東名高速道路と乗り継いで岡崎へ向かう。岡崎康生会場に着いたのは3時半。昭和40年代に再開発事業で建設された商業ビル「シビコ」の空きフロアーを会場に利用している。3階までエレベーターで上がり、そこから階段で5階へ。新聞紙が大量に積まれた薄暗いスペースに光や音が響く向井山朋子+ジャン・カルマンの作品はかなり不気味。もう一つのパレスチナ人アーティストの作品は段ボールで造った町と実際の街が溶け合う不思議な作品。でも面白い。6階は東北の砂浜で撮られた写真パネルがフロアー狭しと並ぶ。そして屋上は先日見学した愛知産業大学言語・情報共育センターを設計した建築家ユニットstudio velocityの作品。眩しいほど白く塗られた屋上に細い糸のネットが張られている。ただしネットの存在に気がつかない人が多い。「眩しいだけ」という感想をよく聞いた。建築家の作品なんてしょせんそんなものと思わないでもない。「見せる」よりも「作る」ことが先行してしまう。
 その後、少し離れた春ビルと旧連尺ショールームも見学。静かで落ち着いた作品。娘に連絡を取ったら、「残業でとても一緒に帰れそうもない」と言う。仕方なく東岡崎駅ビルの作品を見て、その日は帰ることにした。松本町会場は遅くてもう閉館していた。
 以上、わずか2日間でも延々と時間がかかる。続きは別の日に報告したい。ああ、疲れた。

 続きは、「あいちトリエンナーレ、5日かけて全会場制覇。+コストコ・ツカレタ。」へ。