セリエAは週半ばに第5節のゲームが行なわれたが、遅ればせながら先日放映された第4節ACミラン対ナポリのゲームを観た。ACミランは昨シーズン、途中で加入したバロテッリの活躍などで3位に入ったが、今シーズンはエルシャラウィのケガもあって今一つ調子が出ない。このゲームではカカやモントリーボも欠場して、中盤はデヨンクをアンカーにムンタリとポーリで組んできた。FWはマトリをワントップにバロテッリとビルサの構成。
対するナポリはマッツァーリ監督がインテルへ移籍し、後任にベニテス監督。ナポリの代名詞だった3バックを捨てて、4-4-2のプレスサッカーで昨シーズンとは全く違うチームになっていた。だがこれがよく嵌り、ここまで3連勝と首位に立つ。
ゲームは序盤からナポリが押し込む。1分、CFイグアインのドリブルからOHハムシクがシュート。4分、左SHインシーニェのクロスにCHベーラミがシュート。5分、CBサパタのミスパスをカットしてCFイグアインがシュート。ミランは全体的に集中力がなく、ナポリの選手の動きを漫然と見ている感じ。そして6分、中盤深い位置からの右SHカジェホンのFKをCBアルビオルがヘッドで戻すと、CBブリートスがヘディングシュート。早々とナポリが先制した。8分にはカウンターから右SHインシーニェがドリブルで持ち上がり、ハムシクとのワンツーから右SHカジェホンがシュート。ここは左SBエマヌエルソンがブロックしたが、ナポリに勢いがある。
ミランの反撃はようやく10分、スローインから右CHポーリが落としたボールをFWバロテッリがシュート。だがGKレイナがナイスセーブ。13分には右SBアバーテのクロスをCFマトリが落とし、バロテッリがシュート。これもGKレイナが止める。24分、右FWビルサのクロスにマトリがヘディングシュート。GKレイナがセーブ。その後はミランが攻勢をかけるが、ナポリは守備も堅く、このまま前半を終えた。
後半も序盤は一進一退の攻防。だが8分、ナポリはスローインのボールを受けたCFイグアインが反転して強烈なミドルシュート。GKアッビアーティが弾くが、ボールはそのままゴールに飛び込んでいった。ナポリが2-0と突き放す。ナポリは左SHインシーニェと右SHカジェホンの運動量が多く、ラインをよく保ってバランスがいい。CHベーラミが積極的なチェックでよく攻撃の芽を摘み、もう一人のCHジェマイリもよくバランスを取っている。
しかし15分、右CHポールからの縦パスをDFを背負ってPA内でバロテッリが受けると、後から来たCBアルビオルが足を蹴って倒してしまう。PK献上。ところがバロテッリのPKをGKレイナが止める。GKレイナはその後も大活躍。21分、バロテッリの強烈なミドルシュートを正面でキャッチ。26分、CFマトリからのスルーパスに抜け出したバロテッリのシュートもGKレイナがファインセーブで弾き出す。31分にもバロテッリのミドルシュートをファインセーブ。
ミランは11分ロビーニョ、28分ニアン、34分ノッチェリーノと攻撃的な選手を入れて反撃をするが、ナポリの守備は崩れない。攻撃の場面でもバランスよくパスが回る。38分、CKからCBサパタの戻しをニアンがシュート。だが前にいたCBメクセスに当ててしまう。ミランにツキがない。41分、バロテッリのFKもバーの上。逆に43分にはパンデフからCHジェマイリがシュート。GKアッビアーティの好セーブで何とか失点を免れる始末。結局アディショナルタイムにバロテッリの技ありミドルシュートが決まり、ミランが1点を返したものの反撃もここまで。ナポリが悠々と勝利し4連勝を飾った。
今シーズンはナポリが面白そうだ。いや昨シーズンまでも面白いチームだったが、監督の交代による戦術の変更とメンバーの大量移籍で全く別のチームとなり、それがうまく回っている。対するミランはケガ人で苦しんでいる。人材はいるがうまく束ねられていない印象。それこそ本田が早く加入し、全体を引き締める必要がある。そのうちイタリアでも本田待望論が生まれるのではないだろうか。