とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

勝ち切った!日本。FIFA5位、ベルギーを破る。ミスからの2失点も反省材料。

 いいゲームだった。アディショナルタイムには久々に痺れる興奮を感じた。W杯でまたこんなゲームが味わえるだろうか。逆転、2点差、失点、痺れるアディショナルタイム。W杯前に本当にいい経験ができた。これを糧にさらに前進してほしい。
 5位ベルギーはCBコンパニーがケガで不在だったが、後はほぼベストメンバー。一方日本はオランダ戦に続いて遠藤を温存。CHは山口と長谷部で組み、両SBはダブル酒井、CBに森重、さらに前線は柿谷のCF、左右SHに香川と清武が先発した。
 序盤1分、右SHミララスが中にドリブルで切れ込んでシュート。DFがブロック。日本も3分、オランダ戦を彷彿されるようなパス回しからCF柿谷がシュートを放つ。序盤はOHアザール、左SHメルテンス、右SHミララスがうまくパスを回し、ベルギーが攻め込んでくる。日本もダブルボランチを中心にしっかり守り、香川や本田が積極的にボールに絡む。お互いペースを取り合う序盤の戦い。
 しかし15分、中盤深い位置からの左SHメルテンスの長いスルーパスにCFルカクが抜け出すと、GK川島が飛び出す。だがPA外でかわされ、ようやく追い付いたCB吉田もかわされ、クロスに右SHミララスがシュート。CB森重の動きも緩慢に見えた。GK川島の判断ミス。しかしそれ以上にルカクが速い。ベルギーがまず強さを見せる。
 日本は中盤でボールをキープし、縦パスを入れるが、これが悉くベルギーの守備に止められる。22分、左SHメルテンスがCFルカクとのワンツーで抜け出し、クロスに右SHミララス。だが何とか左SB酒井高徳が戻ってクリアする。日本も24分、本田のFK。だが中でタイミングが合わず。26分、本田のCKが抜けてCF柿谷が合わせるが、バウンドが高く届かない。29分には清武のショートCKからOH本田が縦パスを入れると、左SH香川がドリブルでDFをかわしてシュート。ポストを叩く。
 守備を固めるベルギーの前になかなかチャンスを作れなかった日本だったが、37分、若手が活躍する。37分、OH本田のスルーパスに右SB酒井宏樹が抜け出し、正確なクロスにCF柿谷がCBの後ろに回り込んでヘディングシュート。日本が同点に追い付いた。この時間帯、ベルギーの集中力が一瞬途切れて散漫になっていた印象。
 44分には左SH香川のクロスがゴール前を抜ける。CF柿谷が届かない。45分、カウンターから左SH香川がドリブル。左に流してCF柿谷が落とし、CH長谷部がミドルシュート。GKミニョレのナイスセーブで防がれたが、日本の攻撃がいい感じで展開し始める。
 後半に入り、頭から右SH岡崎とCH遠藤を投入。山口と清武を下げる。ベルギーもOHアザールに代えてフェライニを投入。5分、左SH香川のドリブルからCF柿谷が落とし、受けた香川が右に流してCH遠藤がミドルシュート。そして8分、CH遠藤と左SB酒井高徳とのワンツーから遠藤が右アウトサイドでノールックのクロスパス。OH本田が受けて狙い澄ましたシュート。これが決まり、ついに日本が逆転した。すごい!
 しかも日本の勢いはこれに留まらない。18分、右サイド中盤で右SH岡崎が粘り、CH長谷部の縦パスにCF柿谷がワンタッチでスルーパス、岡崎が抜け出しシュート。本田も香川も絡まない形で日本が突き放す3点目のゴールを挙げた。直後、柿谷はお役御免の交代。大迫がCFに入る。ベルギーはメルテンスに代えて右SHデブルイネを投入した。
 しかしベルギーの守備陣がバタバタと浮足立つ。27分には左SB酒井高徳がドリブルから中に切れ込みミドルシュートベルギーは27分、CHデンベレに代えてデフール。31分、デブルイネのCKにCBファンブイデンがヘディングシュート。GK川島がわずかに触り、バーがはね返す。しかしゴール前で日本の守備がベルギーの長身選手に付き切れていない。
 31分にはルカクに代えてCFフォッセンを投入。33分、右SHデブルイネのスルーパスにCFフォッセンがCB吉田をかわして抜け出しシュート。GK川島が飛び出し身体に当てる。こぼれ球をフォッセンがシュート。CB吉田がブロックした。残り時間15分を切って日本の守備が下がり気味。全体的に運動量が落ちて、前から守れなくなってくる。そして34分、デブルイネのCKに右SBアルデンヴァイレルトがほとんどフリーでヘディングシュート。ベルギーが点差を1点に縮めてくる。
 日本は37分、香川に代えてCH細貝。遠藤をOHに上げる。さらに41分、酒井高徳に代えて今野を左SBに入れる。44分、CB森重のパスミスから左SHミララスが左サイドを駆け上がり、森重をかわしてクロスを入れると、右SHデブルイネがシュート。だがGK川島が抑える。その後もベルギーが攻めていったが、日本も時間をうまく使いそのまま逃げ切った。3-2、日本勝利。
 1点差に詰め寄られ、若干浮足立った感じもしたが、何とか守り切っての勝利。オランダ戦の課題、「勝ち切る」ことがこのベルギー戦ではできた。だがやはりセットプレー対策は大きな課題だ。それとミス。攻撃は大迫と柿谷、清武と岡崎がいいライバルとなってお互いを高め合っている。CHは遠藤と長谷部に加え、山口が台頭。さらに細貝も守り切る場面では十分役割を果たしている。さらにCB森重。両SBは完全に2枚ずつ揃い、誰が出ても遜色ないプレーを見せている。これだけメンバーが揃うと、相手によって、またゲームプランによって先発選手を変えることが可能になる。
 欧州遠征1勝1分。若手の融合、諦めないゲーム運び、攻撃的な守備と仕掛け。多くの課題を少しずつ解いていき、そしてまた新たな課題が浮き彫りになる。実にいい感じで回っている。この調子なら十分ベスト8も狙えるぞ。次は来月の組み合わせ抽選会を楽しみにしよう。いよいよW杯に向けて気持ちが次第に高まってきた。今回の代表メンバーはどえらいことを成し遂げそうな予感がする。