とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

フランスが怒涛の攻撃でウクライナに逆転。W杯本戦出場を決めた。

 W杯ヨーロッパ予選のプレーオフ、フランス対ウクライナの第2戦を観た。フランスはスペインと同組で2位となったが、プレーオフには絶対勝利して本戦に出場したい。対するウクライナグループリーグ2位とは言え、1位のイングランドとはわずか勝点差1。FIFAランキングもフランスを上回り、絶対負けられない対戦。第1戦はウクライナがホームで2-0と勝利し、たとえホームとは言え、2点差をひっくり返しての勝利は難しいと思っていたが、フランスの意気込みは違った。序盤から猛烈に攻めていく。
 3分、CKから右SHバルブエナのクロス、CFベンゼマのクロス、さらにバルブエナのシュート性のクロスとウクライナのゴール前を脅かす。フランスは屈辱の第1戦から先発5人を代えてきた。ジルー、ナスリ、レミーに代えてCFベンゼマ、右SHバルブエナ、CHキャベイユを起用した攻撃陣はわかるが、何とCBを二人とも交代。若いサコとバランを起用した。8分、バルブエナのCKからCHポグバのヘディングシュート。10分、バルブエナのFKからベンゼマのヘディングシュート。エブラ、ドゥビュシの両SBも高く構え、これでもかと押し込んでいく。
 ウクライナも19分、ロタンのCHにCFゾズリャがヘディングシュートを放つと、ようやくウクライナが少し盛り返し始めた。とその直後の22分、バルブエナのFKのクリアを左SHリベリーが強烈なミドルシュート。GKピャトフがはね返すがこぼれ球にCBサコが詰めてゴールに流し込む。フランスが先制。まずはいい時間帯に1点を返した。
 するとこれでフランスがさらに勢い付く。26分、CFベンゼマの落としから右SHバルブエナの縦パスのこぼれをCHポグバがシュート。30分、左SHリベリーの高速クロスにベンゼマが抜け出して、身体ごと腹でボールをゴールに押し込む。ゴールかと思ったがオフサイドの判定。だがビデオで見る限り明らかに誤審。31分には左サイドでSHリベリーとSBエブラのパス交換からリベリーが中にパス。CHポグバが落とし、リベリーのクロスにバルブエナがシュート。GKピャトフがナイスセーブを見せる。
 そして34分、CHマテュイディの落としからCHキャベイユの縦パスをバルブエナが落とし、ベンゼマがシュート。フランスが2点目を挙げる。しかしバルブエナに入った時点でベンゼマは明らかにオフサイドポジション。DFと競り合ったバルブエナのプレーを、DFが触って抜けたと見たのだろうが、30分のゴールと相殺してゴールを認めたかのようだ。
 これで前半のうちにフランスがウクライナに追い付いた。さらにイケイケになるかと思ったが、ウクライナも反撃を強め、前半はこれで終了。第2戦前半でプレーオフはまたイーブンの状況になった。
 ゲームは後半早々にまた動く。2分、ウクライナのCBハチェリディがリベリーの突破を止めて2枚目のイエローをもらい退場。後半早々からウクライナは一人少ない状況になる。6分、左SHリベリーのスルーパスにCHマテュイディがシュート。9分、右SHバルブエナのクロスからCHキャベイユがシュート。13分、バルブエナのクロスから左SHリベリーのスルーパスベンゼマが抜けてシュート。しかしいずれも枠を外す。
 一人少なくなったウクライナが守りを固める一方、フランスも同点に追い付いたことでこれまでの攻撃一辺倒ではいられなくなる。緊張感がシュートの力みを与える。攻め切れずウクライナのカウンターに思わずファールをしてしまう場面も増えてくる。25分にはルーズボールからウクライナのCBラキツキーがシュート。CBサコが触ってコースが変わり、あわや失点。GKロリスが何とか抑える。
 ほぼ互角の展開が続く。そして27分、左SBエブラが切れ込んで強烈なミドルシュート。GKピャトフがファインセーブで弾き出す。これを拾ったCHポグバが落としたボールをSHリベリーがクロス。CBサコが触って押し込んだ。ゴール。ついにフランスが3点目を挙げる。
 その後はフランスがパスをつなぎ攻め急がない。33分にはサーニャ、37分にはジルーを投入し、しっかり守る。1点返せばアウェイルールで有利になるウクライナは、再三FKのチャンスを得るが、ゴール前でなかなかシュートが打てない。41分にはバルブエナのFKにCFジルーがヘディングシュート。あわやダメ押しのゴールを決められそうになる。GKピャトフがスーパーセーブ。結局このままフランスが押し切って、2戦トータルで3-2。見事逆転でフランスが本戦出場を決めた。
 ウクライナは国内リーグ所属の選手が主体だったが、いいチーム。だがゲームはフランスが勝手にバタバタして2点差を付けられ、そこから奮闘して逆転した。ウクライナにとってはそんなフランスに付き合わされた感じ。毎度プレーオフでお騒がせのフランスだが今度のW杯はポグバ、マテュイディ、サコ、バランと守りの中心に若手が揃って、うまくやれば本戦でかなり期待が持てる。問題は攻撃陣だろう。このゲームのような気迫を持てば、怖いチームになる。