サンフレッチェ戦に続いて、マリノスの優勝を賭けた最終戦を観る。相手はようやく風間監督の戦術が浸透してきたか、白星を重ねてACL出場まで手の届く順位まで上げてきた5位フロンターレ。マリノスは優勝に向けて絶対勝たねばならないゲーム。ただサッカーを楽しみ勝利を狙うフロンターレと較べ、気負いが目立つ。
4分、左SH齋藤がミドルシュート。マリノスが序盤から押し込んでいく。フロンターレはマリノスのプレスに押され、ミスが出る。8分にはOH俊輔のフィードに右SB小林祐三が抜け出し、左SB登里が何とかクリアしたボールをCFマルキーニョスがシュート。だがGK西部がナイスセーブ。
フロンターレは17分、CF大久保がやや強引なミドルシュートを放つと、ようやくフロンターレが押し返していく。20分には左SHレナトの長い距離のFKが直接ゴールを叩く。24分、OH俊輔にOH憲剛が寄せてボールを奪い、ドリブルからCF大久保とのワンツーでさらに前進。右に展開し、右SB田中裕介のクロスを大久保が落として左SHレナトがシュート。さらに27分、右SH大島がドリブルで駆け上がり、DFがクリアしたところをOH憲剛がミドルシュート。フロンターレがペースを掴んでいく。
マリノスは29分、左SH齋藤がドリブルで中に切れ込みシュート。だが俊輔にボールが渡らない。32分、右SH大島のスルーパスから右SB田中がクロス。左SHレナトの前で何とか右SB小林がクリア。好調フロンターレに前半マリノスがなかなかチャンスがつかめない。スコアレスのまま前半を終えた。
後半4分、CB中澤に寄せてCF大久保がボールを奪う。GK榎本がクリアするもOH中村憲剛が拾いクロス。CB中澤がクリア。フロンターレの寄せが速く、マリノスがミスをしてはフロンターレのカウンターを浴びる。そして8分、OH俊輔からOH憲剛がボールを奪うと、一旦左SHレナトに預け、右SH大島がドリブルで駆け上がる。PA前でOH憲剛に託すと左に展開。CF大久保が無回転ミドルシュート。GK榎本が何とかパンチングでクリア。だがもう一度大久保がボールを拾い、落としを左SHレナトがシュート。ついにフロンターレが先制した。
これでいよいよフロンターレが勢い付く。CH稲本の寄せが速く、CBジェシが強くはね返す。マリノスは左SH齋藤くらいしか攻め手がない。23分、右SB小林のクロスのクリアをOH俊輔がミドルシュート。GK西部が難なく抑える。
マリノスは22分、CH中町に代えてFW藤田を投入。2トップで攻める。フロンターレも26分、右SH大島に代えて小林悠。速さで前線のプレスを強化する。27分、CF大久保のスルーパスに右SH小林悠が抜け出しシュート。GK榎本がセーブ。31分には右SH兵藤に代えて佐藤を投入。31分、俊輔のFKはGK西部が正面でキャッチ。38分、CB栗原のフィードにCFマルキーニョスが抜け出すが、シュートはサイドネット。
フロンターレは42分、レナトに代えてCB伊藤を投入。伊藤も今シーズンで引退だ。マリノスは左SBドゥトラに代えて端戸を投入。栗原を前線に上げてパワープレー。だがアディショナルタイムに入ってもフロンターレは落ち着いている。CH稲本が無難に大きくクリア。大久保が前線でボールキープ。ベテラン勢がゲームをコントロールする。アディショナルタイム4分、左SH齋藤のクロスにCFマルキーニョスがヘディングシュート。GK西部がナイスセーブ。5分、左SH齋藤のドリブルからCB栗原がシュート。これもGK西部がセーブ。さらに6分、俊輔のFK。ゴール右下を狙うが、またもGK西部がファインセーブ。GK榎本も上がっていく。しかし俊輔のCKもクリアされ万事休す。主審・西村さんの笛が鳴らされ、ついにマリノスが力尽きた。
もう少しで届きそうだったのに、2連敗で優勝が逃げていった。この2戦、ゴールを挙げられなかった。レナトと大久保の2枚がいたフロンターレに比べ、マルキーニョス一人では苦しかった。残念。だが最後まで必死に粘るマリノスの姿は優勝を決めたサンフレッチェのゲーム以上に感動的ではあった。そしてその思いをはね返したフロンターレ。シーズン序盤はなかなか勝ち点が上がらなかったフロンターレだったが、後半戦は非常に怖いチームになって、ついにはACL出場圏内の3位に辿り着いた。すごい。優勝はしたものの、ゴールに苦労したサンフレッチェに比べ、来シーズンはフロンターレを軸にシーズンが回るのではないか。そんな予感がするJリーグ最終戦だった。
