とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

ヴォルティスJ1昇格を決める。トリニータの二の舞にならないことを祈りたい。津田、ガンバレよ!

 ヴォルティスのメンバーの中に元グランパスの選手、津田と千代反田がいた。どんなプレーをしているのか見たくて、サンガとのJ1昇格戦を観戦した。
 序盤からJ23位のサンガが押していく。7分、右CH工藤がミドルシュート。11分、工藤のスルーパスに右WG駒井が抜け出し、クロスに左WG山瀬が詰める。DFがクリア。ヴォルティスはもっぱら守る。だが、サンガの攻撃はやはりJ2レベル。速さ、パスの正確さ、創造性、いずれもJ1に較べるとイマイチ落ちる。なかなかヴォルティスの守備を崩しきれない。左WG山瀬、左CH倉貫、右CH工藤とJ1経験者がいるが、しょせんJ1チームから放出された程度の実力ということか。
 27分、FKのクリアから左SB福村がクロスを入れると、両チームの選手が競ったこぼれ球がゴールポストの右を転がっていく。31分には密集からこぼれたボールをCBパヤリッツァが持ち込むが、GK松井がセーブ。パヤリッツァ! あのパヤリッツァか! 懐かしいグランパスの選手がここにもいた。
 32分、右WG駒井がドリブルでDFを二人抜いて左に展開。CF横谷が切り返してシュートを放つがGK松井が抑える。ヴォルティスも33分、FW津田がパワフルなドリブルで左サイドを抜き、クロスに左SH大崎がミドルシュート。これがヴォルティス最初のシュート。37分には左WG山瀬のクロスにCBパヤリッツァがヘディングシュート。だがサンガのゴールが遠い。
 すると39分、左SBアレックスのCKにCB千代反田がヘディングシュート。何と、ヴォルティスが先制点を挙げる。さらに43分、右SB藤原が大きく蹴ったフィードボールをFW高崎がヘッドでフリックすると、FW津田が飛び出してGKと一対一。ズドンと決めて追加点を挙げた。守りのヴォルティスが2点をリード。サンガもアディショナルタイムにCH秋本がヘディングシュートを放つが、GK松井が楽々キャッチした。
 後半に入ると一転、今度はヴォルティスが積極的に攻めていく。7分、左SBアレックスが自陣深い位置でパスをカットすると、そのまま持ち上がり、長いスルーパス。FW高崎がドリブルで駆け上がり、クロスにFW津田が走り込む。直前でCH秋本がクリア。だがヴォルティスのプレスが速い。13分にはFW高崎に代えてドウグラスを投入。16分、右SB藤原の縦パスをFW津田が落とし、CH柴崎が切り返しからシュート。DFがブロックしたが、勢いは断然ヴォルティスのペース。
 サンガも17分、CKのクリアをCH工藤が拾い、ドリブルからクロスに左WG山瀬がシュート。GK松井がナイスセーブを見せる。さらに19分には山瀬のCKがDFに当たり、あわやのところでGK松井がクリア。その後、山瀬、倉貫に代えて三平と原を投入。サンガが次第に押し返してくる。
 ヴォルティスは22分、左SB那須川を投入。アレックスを左SHに上げて守りを固める。きれいな守備ブロックを作って、サンガの攻撃を押し返す。30分にはFWドウグラスがドリブルで駆け上がり、クロスにFW津田が走り込むがDFがクリア。ヴォルティスのカウンターも怖い。直後、津田に代えて安藤を投入。
 サンガも34分、DFから長いフィードを蹴り込んでいくと、GK松井が飛び出して、しかしボールに触れず、三平がボレーシュート。DF藤原がゴール内で身体を張ってクリアした。さらに42分、右SH駒井のミドルシュートはG松井がパンチング。最後までヴォルティスの堅守を崩せず、ヴォルティスが四国初のJ1リーグ昇格を決めた。
 おめでとう、津田、千代反田、そしてヴォルティスの選手たち。だが勝ったとはいえ、このサッカーで来シーズンJ1を戦っていけるだろうか。昨シーズンもトリニータの劇的なゴールは感動的だったものの、J1リーグではその実力差は如何ともできなかった。トリニータの二の舞にならないか心配だ。後半のように前からのプレスを徹底すれば、今シーズンのベルマーレ程度には活躍してくれるかもしれないが、しょせんベルマーレも降格チームだ。
 J2の3位以下とJ1チームとは実力差がかなりある。気持ちだけで戦えるほど甘くはない。今から効果的な補強、戦術の徹底など十分な対策を取っておく必要がある。とは言っても、新しいチームがJ1に昇格するのは喜ばしい。堅守速攻でJ1常連チームを脅かす活躍を見せてほしい。