とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

ラウンドアバウトな感想

 「ラウンドアバウト」ってご存知だろうか? 大体、いい加減? そろそろ切り上げよう? いやいやそれはラウンドアップ。ラウンドダウンが切り下げなら、ラウンドアバウトは四捨五入? いや違う。
 実は、ラウンドアバウトとは交差点の構造の一種類のことです。今年2月に長野県飯田市で既存交差点の信号機などを撤去し、ラウンドアバウト方式にする改築が行われ、一躍注目を浴びた。6月には道路交通法が改正され、正式に交差点形式の一つとして認められ、国交省ラウンドアバウト検討委員会を設置して検討を始めるなど、今後の普及に向けた様々な動きが活発になっている。
 推進派の人々が主張するメリットは渋滞の緩和だが、一方で安全性に対する疑義は拭いきれない。「日刊ニュージーランドライフ:ロータリーとラウンドアバウトの違い」では、ロータリーとラウンドアバウトの違いについてわかりやすく説明しているが、要は交差点に進入する際に、一旦停止をするかしないかの違いということらしい。
 私も10年ほど前にイギリスへ行った際にラウンドアバウトを経験したが、初めて通過するときにはかなり戸惑った記憶がある。私の唯一始めての外国旅行だったが、オックスフォードへ留学した大学の先生を訪ねて、他の大学の先生らと3人で渡英し、イギリスでは留学中の先生ともどもレンタカーを借り、4人でロンドン周辺を旅行して回った。
 最初、留学中の先生がハンドルを握ったが、あまり得意でない様子だったことと、私も海外運転免許証を取得して運転をする気満々だったことから、途中から一番若い私が専ら運転をすることになった。
 オックスフォードを出発してまずは高速道路で南に向かう・・・はずが、高速道路へ進入するラウンドアバウト交差点に戸惑い、クルクル回っているうちに方向感覚がわからなくなって、焦って進入した道路は逆方向へ向かう高速道路だった。仕方なく次のICで降りて引き返したが、私のラウンドアバウト初体験は悲惨な記憶として残っている。
 もっともその後は信号のないラウンドアバウト交差点は快適に通過していったが、それでもロータリー内を二重になってクルマが回っているような大きな交差点では戸惑いがちにエイヤッと交差点内に進入していく。けっこう度胸がいる。また交差点に入る手前ではスピードを落とすし、うまく進入できないクルマもあるから、渋滞になっている交差点もあった。ラウンドアバウト交差点が本当に渋滞低減効果があるかどうかはわからない。心理的には、信号もなく渋滞していると進入に手間取っているクルマに対して非難したい心情に駆られる。逆に後ろからあおられると焦って事故が発生するのではないかと不安になる。
 イギリス旅行に同行した大学教授は、ラウンドアバウトは昔、交通手段がもっぱら馬車だった時代の交差点だと教えてくれた。馬は信号が理解できないからね。推進派はみんなが気をつけて交差点に侵入するラウンドアバウトは事故率も低いと主張するが、それはイギリスなどの外国のことで、日本人の性格にあっているかは定かでない。クルマが走ってなければ赤信号でも堂々と道路を横断するイギリス人とはかなり違うのではないかと思う。