とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

GK西川が決勝進出を決めた。伯仲の戦いはサンフレッチェがPK戦を制す。

 天皇杯準決勝。第1戦ではマリノスサガンを後半40分過ぎの2ゴールで倒し、決勝進出を決めた。第2戦はリーグチャンピオンサンフレッチェFC東京の対戦。もう少し楽なゲームになるかと思ったら、FC東京サンフレッチェと同じ3-4-3の布陣で守りを固め、重苦しい展開の緊張感にしびれるサッカーとなった。
 序盤はFC東京が3バックに慣れない中、サンフレッチェが攻勢でゲームに入った。だがしばらくするとFC東京もペースを取り戻す。お互い中盤で激しい当たりをぶつけ合う。12分、左WB太田のクロスに右SH東が飛び込むが、CB水本も負けない。こぼれたボールはGK西川が抑えた。14分にはCB加賀のフィードを右SH東が落とし、CH高橋がミドルシュート
 FC東京チャン・ヒョンスを中央に、加賀と森重のCB。米本と高橋がCHに入り、両SHは東と長谷川。15分、CB千葉のフィードから右WBミキッチがクロスを入れると、FC東京も20分、CB森重のフィードを右SH東が落とし、CF渡邉がミドルシュート。GK西川が正面でキャッチする。
 次第にFC東京が押し返してチャンスを作っていくが、サンフレッチェの守備も堅い。お互い同じシステム、同じやり方。FC東京の攻勢をがっしりと受け止めると、またサンフレッチェが押し返していく。30分、右WBミキッチのクロスに左SH高萩がミドルシュート。これがサンフレッチェの初シュート。36分にはCH青山のフィードにCF佐藤が抜け出すが、シュートは打たずに落とすと左WBファンソッコがシュート。だがDFがしっかりブロックする。前半はスコアレスで終えた。
 後半に入ってもがっぷり両チームが組み合う。7分、右WB徳永のクロスをSH長谷川がスルー。CF渡邉のシュートは枠を捉えられず。サンフレッチェも9分、CH森崎の縦パスからCF佐藤が落とし、SH高萩のスルーパスにCH森崎が抜け出す。走り込んだSH石原にクロスを出すが、DFがクリアした。11分、右WBミキッチのクロスにCF佐藤がヘディングシュート。12分、東のCKにCB森重がヘディングシュート。お互いシュートを放つも決め切れない。
 15分、高萩のFKにGK塩田がファインセーブ。直後のCKのクリアをCB水本がボレーシュート。GK塩田がセーブ。こぼれをCB千葉がシュートを放つが、これもDFがブロックした。FC東京も19分、CB森重のフィードをCH青山がクリアミス。CF渡邉がゴールに迫るが、シュートはGK西川が顔面ではね返す。その後、FC東京が押し込むが、サンフレッチェもしっかり守る。拮抗した目の離せないゲームが続く。
 38分、DFからのフィードに走り込んだミキッチをかわしてCB森重がバックパス。しかしこれにCF佐藤が走り込む。GK塩田がかろうじてクリア。これを右WBミキッチが拾う。しかしFC東京守備陣の寄せも速い。シュートは弱く、GK塩田が抑えた。
 サンフレッチェは41分、CF佐藤に代えて野津田を投入。石原をCFに上げる。FC東京も44分、CF渡邉を石川に交代する。すると直後の45分、太田のCKがDFに当たって石川がミドルシュート。だがまだゲームになじんでいなかったか、ふかしてしまった。ここで90分が終了した。
 延長に入って3分、FC東京が東に代えてCF林を投入。だが延長前半は膠着状態のまま進む。林・石川とフレッシュな選手が入ったFC東京がやや優勢だったが、サンフレッチェの守りもしっかりしている。14分、CH森崎のミドルシュートが延長前半唯一のシュートだった。
 延長後半1分、CB森重の縦パスをCF林が落とし、SH長谷川が抜け出してシュート。GK西川がファインセーブを見せる。サンフレッチェは2分、SH高萩に代えて浅野、5分左WBファンソッコに代えて清水と若い選手を投入する。13分、CH米本がCF林とのパス交換から前進。クロスに左SH三田がシュート。だが枠に入らない。さらに14分、左SH三田のスルーパスに右SH石川がシュート。これもGK西川がファインセーブで弾き出した。結局120分戦ってスコアレスのまま。勝負はPK戦に移った。
 PK戦先攻のFC東京が太田・森重・チャンヒョンスと3人連続してPKを決めると、サンフレッチェは1番手青山、3番手千葉が外してしまう。FC東京はあと一人決めれば勝利。だがここからドラマが始まった。4番手三田のPKをGK西川が止めると、サンフレッチェの4番手はGK西川が自ら蹴る。ゴール真ん中にしっかり決めると、FC東京5番手の長谷川も止める。サンフレッチェの5番手塩谷が決めて同点に追い付くと、6番手浅野、7番手野津田と若手がキッカーを務める。FC東京の7番手はベテランの石川。しかしこれをGK西川がまた止めた。最後は野津田がしっかり決めてサンフレッチェが勝利。元日決勝進出を決めた。
 GK西川が引き寄せたPK戦勝利だった。これで決勝はマリノスサンフレッチェ。リーグ戦優勝を逃したチームと逆転優勝したチームのまさに因縁のゲームとなった。これは面白い。正月が来るのが楽しみだ。そして決勝がこの2チームになったことでセレッソACL出場が決まった。セレッソにとっては正月を待たずに大きなお年玉がやってきた。