とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

マンU、元旦のトットナム戦は敗戦。モイーズ監督が目指すのは速くて強いサッカーで、でも速さ勝負ならアデバヨールとレノンの方が上。

 元旦に行われたマンUトットナム戦を観る。トットナムパウリーニョやサンドロを始め、デフォー、フェルトンゲン、カブルなどがケガで欠場。それでも前線はアデバヨールとソルダド、右SHレノン、CHにデンベレとカプーと遜色ない布陣。対するマンUファンペルシーが欠場で、ワントップにウェルベック、トップ下ルーニー、左SHにはヤヌザイが先発した。
 前半5分、右SHバレンシアのフィードにCFウェルベックが抜け出すが、GKロリスらではね返す。さらに5分、右SHバレンシアの落としから右SBスモーリングがシュート。またもGKロリスがセーブする。序盤はホームのマンUが積極的に攻めていく。
 トットナムは14分、カウンターでFWアデバヨールのドリブルからFWソルダドがDFの股下を抜くスルーパス。右SHレノンがシュートを放つも、GKデヘアが足に当ててセーブする。トットナムは中央の守備を固めて、カウンターでFWアデバヨールと右SHレノンを走らせる。FWソルダドがポストになって、左SHエリクセンがフォローする。
 ゲームはマンUペースだが、右サイドからの攻撃が多い。右SHバレンシアが再三の突破を見せ、クロスを入れるが、中央で合わない。左SHヤヌザイは独りよがりな突破が目立つ。21分にはヤヌザイのCKにCBビディッチがヘディングシュート。だが枠を外す。
 すると34分、やはりカウンターから左SHエリクセンがFWソルダドに預け、そのまま前進。ソルダドのスルーパスエリクソンが走りこみ、クロスにFWアデバヨールがヘディングシュート。きれいな弧を描いてネットに吸い込まれ、トットナムが先制点を挙げた。39分にはFWアデバヨールのスルーパスに右SHレノンが俊足で走り込み、クロスにFWソルダドが走りこむが、膝に当ててうまくシュートが打てなかった。前半は1-0とトットナム・リードで終えた。
 後半もマンUが押し気味に攻撃するが、なかなかシュートチャンスがつかめない。5分、CHキャリックのループ状のスルーパスに抜け出したFWウェルベックがアクロバティックなシュート。しかしGKロリスがセーブした。16分、右SBスモーリングとCHキャリックを下げて、香川とエルナンデスを投入。バレンシアを右SBに下げて、ヤヌザイを右SH、香川を左SHに置いて、FWにウェルベックエルナンデスルーニーをCHに下げる4-4-2の布陣にする。
 香川は自由に動いてパスを引き出すが、ヤヌザイは何度も単身突破を試みる。モイーズ監督はこうした姿勢を求めているのだろうな。しかし次の得点はトットナムに動いた。21分、左SH香川が右サイド深く上がり落としたボールがトットナムの中盤選手に奪われ、FWアデバヨールがドリブルで上がる。FWソルダドが右SHレノンにつなぐと、高速ドリブルでDFをぶっちぎり、クロスに左SHエリクソンがヘディングシュート。カウンターが見事に決まり、トットナムが追加点を挙げた。
 マンUも直後の22分、右SHヤヌザイが中盤深い位置から斜めのクロスを入れると、FWウェルベックが走り込んでシュート。1点を返す。26分には左SBエブラのクロスをFWエルナンデスが落とし、右SHヤヌザイミドルシュート。しかし枠を外す。マンUの攻撃はヤヌザイウェルベックの突破など個人技頼み。その中でパスをつなごうとする香川は浮いている。
 それでも少ないながら香川がボールを触ると、チャンスを作っていく。31分、左SH香川のスルーパスからFWウェルベックが中に切れ込み、香川がライン際まで走りこむが、クロスはブロックされる。32分、右SHヤヌザイのクロスにFWエルナンデスがシュート。GKロリスが弾いたところをFWウェルベックが詰めるが、シュートは打てない。
 さらに39分にはCHクレバリーに代えて左SHヤングを投入。香川はルーニーと並び、CHに下がる。その後、45分、右SHヤヌザイのドリブルからCHルーニーがシュート。GKロリスがナイスセーブ。さらにルーニーのCKにCBビディッチのヘディングシュートもGKロリスがはじき出す。アディショナルタイム1分、ヤングのCKをCBエバンスが落とし、CBビディッチがシュート。さらにCKからCHルーニーのクロスにCBビディッチがヘディングシュート。マンUがCKの連続で攻めるが、中を固めたトットナムのDF陣を破れない。結局このままタイムアップ。2-1でトットナムが勝利した。
 マンUは終始、速さと個人技で突破を図り、クロスを入れるサッカーを繰り返したが、速さに勝るレノンとアデバヨール、そして連携の取れたトットナムのカウンター・サッカーの前に2失点。香川とルーニーというピッチ全体が見えてパスの出せる二人を活かすことができず、力攻めを繰り返したあげくに敗戦を喫した。やはりこのレベルの相手に力攻めだけでは及ばない。モイーズ監督はこの限界にいつ気付くのだろうか。それよりも噂に従って香川はアトレチコ・マドリードへ移籍したほうがいいと思うのは私だけだろうか。