とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

香川の正しい使い方。後半トップ下に入ってようやくマンUにリズムが生まれ、勝利につながった。

 朝起きたら、本田がミラン・デビューを飾ったサッスオーロ戦をやっていた。霧に包まれた重いピッチでの肉弾戦。まるで重量級のボクシングを観るようなゲームだった。それに引き換え、マンUスウォンジー戦の香川はまるで牛若丸のように軽量級の面白さを披露した。もっとも楽しかったのは後半だけだったが。
 ルーニーファンペルシーが負傷欠場したこのゲーム。マンUウェルベックのワントップにヤヌザイをトップ下、香川は左SHで先発した。序盤スウォンジーが軽快にパスをつないでいく。5分、右SHポスエロの縦パスを左SHルートリッジが落とし、OHシェルビーがシュート。GKデヘアがセーブする。
 一方、マンUはなかなかパスがつながらない。11分、ヤヌザイのFKがゴール左角を襲うが、GKトレメルがファインセーブを見せる。お互いチャンスはあるが、なかなかシュートにまで至らない。スウォンジーはOHシェルビーを中心に、長短のパスを展開していくが、マンUもゴール前の守備は厳しく、ゴール前でパスミス。一方、マンUは右SHバレンシアの突破頼み。CFウェルベックとOHヤヌザイの中央は動きが少なく停滞。香川が中に絞っても連携にはほど遠く、堅く縮こまった印象でリズムが出てこない。
 それでも香川は左SBエブラとの連携はいい。31分、左SBエブラの縦パスに左SH香川が抜け出し、クロスを入れる。CFウェルベックが詰めるが、GKトレメルがセーブ。35分、左SBエブラのクロスを右SHバレンシアが落とし、CHフレッチャーがミドルシュート。36分、右SHバレンシアとOHヤヌザイのパス交換からバレンシアが斜めのスルーパス。右SBラファエルが走り込み、クロスにCFウェルベックがシュートを放つも、わずかにポストの左に外れた。
 トラップをしてはパスの出し手を探すマンUに対して、スウォンジーはポンポンと短いダイレクトパスをつないでリズムを作る。39分、CFボニが左に流し、左サイドにいたSHポスエロが中に戻すと、左SHルートリッジが落とし、CHアマットが右に展開、OHシェルビーがシュート。惜しくも左サイドに外れた。
 なかなか攻撃が機能しないマンU。40分過ぎから香川が中に入って、CHからのパスを受けて回していく。ようやく前でボールが収まるようになり、マンUのサッカーが落ち着いてくる。後半に期待を残して前半を終えた。
 後半に入るとはっきりと香川がOH、ヤヌザイを左SHにポジションチェンジする。すると2分、左SHヤヌザイからのクロスのクリアをOH香川がヘディングシュート。GKトレメルがファインセーブで弾き返すが、右SHバレンシアが押し込んだ。後半早々マンUが先制点を挙げる。
 その後も香川がOHに入ってパスが繋がり出し、中盤のプレスも効いて、マンUにリズムが生まれる。8分、左SHヤヌザイの縦パスをCFウェルベックが落とし、OH香川がミドルシュート。そして14分、OH香川が起点となって右に流すと、右にポジションチェンジしていたヤヌザイがクロス。DFのクリアをSHバレンシアが縦に入れて、CFウェルベックがシュート。マンUが2点目、追加点を挙げた。
 21分にはSHバレンシアの縦パスに走り込んだOH香川のクロスにCBスモーリングがシュート。ゴール正面だったが、外してしまった。スウォンジーは前半と打って変わってパスを繋げない。マンUのCHの前のスペースを香川が下がって埋めるようになり、スウォンジーのパスの起点をふさいでしまった。逆に香川がスウォンジーのCHの前のスペースを使う。25分、左SBデービスのクロスをCHアマットがヘディングシュートしたが、これがスウォンジー後半初めてのシュート。だがGKデヘアが正面で悠々キャッチした。
 31分にはカウンターから左SHヤヌザイが前にフィード。右SBラファエルが受けてドリブルで駆け上がると、最後は一緒に走ってきた香川にパス。切り返してDFをかわすが、GKトレメルが詰めてきて一瞬シュートを逡巡。結局、急いで帰ってきたDFに当ててシュートを外してしまった。残念。まだ本調子には戻り切っていないようだ。
 その後は34分左SBビュットナー、41分CFエルナンデスを投入して攻めの姿勢を崩さず、そのままマンUが2-0と押し切った。マンU、公式戦4試合振りの勝利。
 ファンペルシーのケガはだいぶ良くなってきたようだが、ルーニーの方はもう少し時間がかかりそうだ。このゲームの後半に示したように、香川がOHのポジションで出場し続けることができれば、ようやくマンUも調子を上げることができるのではないか。今後の香川に期待したい。