本田が決勝点につながるCKでアシスト、というニュースはダイジェストとともに見ていたが、まさかこんなゲームとは思わなかった。13位カリアリ対11位ミランの中位同士のゲーム。得点力は乏しいカリアリだが、粘り強い守備に苦戦した。
強い風が吹き荒れるピッチに両選手がボールコントロールに戸惑い、どこか集中力が欠ける。2分、ミランのGKアメーリアのミスパスをOHコッスが引っかけ、FWサウのクロスにコッスがシュートを狙う。ミランは何とかCBラミがブロックするが、立ち上がりから締まらない展開。7分、CFバロテッリから左SHロビーニョがシュート。
この日、右SHに入った本田もカリアリのプレスと強風に戸惑い、序盤うまくボールに絡めない。それでも10分、CHモントリーボからのサイドチェンジを受けると、ヒールで流して右SBデシーリョの上がりを促しクロス。バロテッリのシュートはならなかったが、直後に本田の蹴ったCKは直接ゴールに向い、あわやゴールの軌道を描く。
だが流れの中ではなかなかチャンスがつかめない。本田について言えば、右SHのポジションに縛られ、トップ下に入ったときに較べ、カカやロビーニョとの自由なポジションチェンジがみられない。右サイドで守備への意識が高かったか。16分、左SBエマヌエルソンのクロスにCFバロテッリがシュートを放つが、GKアブラモフの正面。
そして18分、中盤でCHデヨングがボールを奪うと、CHモントリーボの縦パスを左SHロビーニョが落とし、OHカカがドリブル。右に流してバロテッリのスルーパスに本田が走り込み、GKと一対一からシュート。だがGKアブラモフの右手に防がれる。その後もお互いミスが多く、互角の展開。
中でもGKアメーリアが不安定だなと思っていた28分、GKアメーリアのミスキックをFWピニージャがカットし、クロスにFWサウがDFをかわしてシュート。何とカリアリが先制する。その後もカリアリのプレスが厳しく、ミランはなかなか攻撃がスムーズに進まない。逆にミランのプレスの緩さが気になる。本田も右サイドから離れず、窮屈そうにプレーをしている。
それでも35分過ぎ位からようやくピッチ中央から左にまで流れていく姿が見られるようになると、39分、右SBデシーリョのクロスに本田が前線に上がってヘディングシュート。だがまたもGKアブラモフの正面。悔しがる本田。まだ本来の余裕がないか。
後半2分、CFバロテッリから右に展開、右SH本田のクロスはバロテッリの前でDFがクリア。CHモントリーボがミドルシュートを放つ。9分には右SH本田が右サイドをドリブルで上がり、DFを抜いて縦パス。OHカカが走り込んでクロスにCFバロテッリがシュート。枠を外す。さらに14分、本田のドリブルから左に流して左SHロビーニョのクロスに本田がシュート。わずかに抑えきれずバーの上。激しく悔しがる。
なかなか同点に追い付けないミランは15分、左SHロビーニョに代えてCFパッツィーニを投入。バロテッリを左SHに下げる。20分、右SBデシーリョからのクロスを本田がファーサイドで受けて、中に切れ込んでシュート。だがDFがブロック。23分、左SHバロテッリのミドルシュートもGKアブラモフが正面でキャッチ。
24分、カリアリがFWサウに代えてカブレラ。ミランはデヨングに代えてムンタリを投入する。28分、カリアリは右CHデッセーナの縦パスをFWピニージャが落とし、FWカブレラのスルーパスにピニージャが抜け出してミドルシュート。だがわずかにポストの左に外れる。32分にはエマヌエルソンを下げて右SBアバーテを投入。デシーリョを左SBに回す。
だがなかなかチャンスを作れないミラン。CFパッツィーニに至っては、交代以降ほとんどボールに触れない。38分、本田のFKにOHカカが飛び込んでヘディングシュート。だがDFがクリア。そして42分、右SH本田が上げたクロスをDFがクリア。だがこれを収めようとしたFWカブレラがPA少し外でハンドの反則。これで得たFKをバロテッリが直接決めて、ようやくミランが同点に追い付いた。
そして44分、本田の蹴ったCKにCFパッツィーニがうまくDFの身体を抑えて右足でボレーシュート。土壇場で逆転ゴールを決めてミランが勝利した。
それにしても後半40分までが長かった。カリアリのプレスが厳しいこともあったが、攻撃がなかなかスムーズに運ばない。それでも惜しいシュートは何本もあったし、そのうちの数本は本田が放っている。こうして苦しい勝利を続けていけば、いつか爆発する時が来るだろう。強豪相手に爆発する本田を早く見てみたい。