とんま天狗は雲の上

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縦書きは今や世界でも日本唯一の表記法

 今ちょうど、多和田葉子の「言葉と歩く日記」を読んでいる。すごく面白い。その中で「韓国の現代文学は横書き」という話が載っている。韓国の若い作家たちがドイツを訪問した際に応対をして、日本で出版された自分の本を見せたら、縦書きにすごく驚いたという話だ。「韓国の若い世代は縦書きの日本語を見て、古代エジプトのヒエログラフでも見たように驚くのか。」(P55)と書いてあって、私の方がびっくりした。
 確かに最近の韓国はハングル表記が主なので横書きになるのかなと思ったら、この本には韓国だけでなく中国も横書きだと書いてある。それも現代文学だけでなく、唐詩選まで横書きだと書かれていて二度びっくり。「きなこのおはぎ:中国の縦書き、横書き事情」によれば、中国でも「縦書きは遥か大昔の時は使っていたけど今は使わない。書道のときだけ」なんだとか。ひぇー! 知らなかった。「古代エジプトのヒエログラフ」という表現もけっして大げさではないのか!
 アラビア語が右から左への横書きというのは有名な話だが、アラビア語の中に英語が混在する場合はどう書くんだろう? Wikipediaで検索すると、どうや右から左のアラビア語の中に、そこだけ無理やり左から右に書くアルファベットの塊が挿入されるらしい。なるほど。日本語の縦書きの中に、横に寝てアルファベットが表記されるようなものか。そういえば、「言葉と歩く日記」でもそのように表記されている。
 世界の言語の中ではモンゴル語が唯一、左から右に書く縦書きだそうだ。とは言っても、モンゴル人民共和国として独立して以降、キリル文字での表記が一般的となり、縦書きは一般的には使われていないらしい。
 結局、世界でアラビア語などの中東圏と日本語だけが左から右への横書きでない表記を一般的に用いているということのようだ。もっとも日本語の場合は横書きがだいぶ主流になってきた。以上のことを知ると「がんばれ! 縦書き」と応援したくなる。やっぱり本は縦書きの方が見やすいし、読みやすい。