とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

サザエさんちのBCP

 サザエさんのお父さん「波平」の声を務める声優・永井一郎氏が亡くなった。突然のことで誰もが後任が誰になるのだろうと心配している。娘は「もう前から決めてあったみたいだよ」と言っていたが、どうもそれはガセネタらしい。昨日の「日刊ゲンダイ:誰がカツオを叱る? 悩ましい『波平』永井一郎さん後任問題」でも、「フジテレビは頭が痛い」と半分茶化したような記事が掲載されていた。
 しかし突然の死ということ以上に私が驚いたのは、故永井一郎氏の年齢。何と昭和6年生まれの享年82歳と言う。私の父と同じ年だ。失礼かもしれないが、いつ亡くなってもおかしくない年齢ではないか。私の父も今も非常に元気で、母が亡くなった後、家事一般すべて自分で行っているし、カメラ仲間を乗せて県外までクルマで撮影旅行に行ったり、海外旅行にもよく出かけている。それでもこの正月には足の指先が痺れるなど身体の不具合を訴えていたし、耳も遠くなった。
 サザエさんの声の収録に来る永井一郎氏はたぶん元気だったのだろうが、それでも声優仲間やスタッフは声には出さなくても永井氏の年齢による衰えは感じていただろう。突然の死去とまではいかなくても、病気になることは十分考えられるところだが、フジテレビのスタッフはどう考えていたのか。
 数年前にドラエモンの声優が一斉に交代し、巷では様々な声が上がったが、声優の高齢化を前に誰しもやむを得ない決断と考えたはずだ。ひょっとしたら、その結果、視聴率が落ちた事実があり、それを見てフジテレビのスタッフが決断を躊躇したということでもあるのだろうか。だが、一挙に交代をしなくても、万一の場合に備えて、対応方策を決めておくことはできたはずだ。
 災害発生に備えて、企業や行政が災害時に実施すべき活動や業務をあらかじめ決めておく計画を「事業継続計画:BCP(Business Continuity Planning)と言う。いまや、企業(特にメーカー)や行政でBCPを策定していないところの方が少ないのではないか。今回の永井氏の突然の死去とこれまでのフジテレビの対応を見ると、突然の死去ということを全く考慮していなかったと思われる。当然考えられる事態に対して、あまりに無策ではないか。それがフジテレビの体質か? それとも故永井氏の初七日までは静かにして、その後ビックリ発表があるのだろうか?
 看板番組「サザエさん」の今後にフジテレビという会社の現実が透けて見える。今後の動向が注目される。