とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

本田の出来というよりもミランの出来が最悪だ。

 本田が交代退場する際に大ブーイングを浴びたというボローニャ戦。本田のプレーを中心に観戦した。と言っても、前半の本田は右サイドに張り付いて、無難なパス回しに終始し、ほとんど活躍のシーンが出てこない。苛立ちをじっと抑えていたようなプレー振りだった。
 前半4分、CHモントリーボミドルシュート。9分には右SBデシーリョのクロスに右SH本田がゴール前まで上がっていく。本田は右サイドでつなぎに徹するが、この場面ではやはりゴールという結果がほしいんだなと思った。でも合わない。その後はまた右サイドで自重するプレーが続く。
 13分、DFクリアのこぼれをCHモントリーボボレーシュート。だがGKクルチが弾き返す。CFバロテッリが詰めてシュートを放つが、うまくヒットしない。逆に22分、ボローニャが左SBマントバーニのクロスにCHクルヒンがヘディングシュート。GKアッビアーティがファインセーブする。
 ミランが押してはいるのだが、なかなかチャンスが作れない。左SHターラブトが積極的に仕掛けるが、単独突破だけではボローニャの守備は崩れない。29分、右SH本田がカウンターで持ち上がり、OHカカがつないでCFバロテッリがドリブル。カカの落としを本田がシュートするも、DFが数人しっかり戻って囲まれる。
 ミランの攻撃に鋭さはないし、連携も乏しい。本田もミランの絶不調に取り込まれ、打つ手なしといった感じ。32分、バロテッリのFKはGKクルチがハンブルしてあわやと思わせたが、何とか抑える。42分、左SHターラブトのクロスを右SH本田が落とし、CHモントリーボミドルシュート。GKクルチがセーブした。
 後半に入り、本田が次第に中でプレーするようになる。やはり前半は右サイドに張り付いていろという指示だったんだなと思う。8分、左SBコンスタンのクロスに本田がヘディングで折り返すが、ゴール前に誰も入ってこない。また中央で本田がボールを受けても、みんなただ立ち尽くすばかりでパスの受け手がいない。これでは本田に活躍しろと言っても無理だ。本田は一人で突破してシュートを放つタイプの選手ではなく、他の選手を使って生きるタイプ。結局、後半、本田が中に絞っても自体は何も変わらない。
 逆にボローニャがチャンスをつかんでいく。15分、右WBガリッチのクロスにFWクリスタルドがシュート。16分、CHフリストドゥロポロスが起点となって、右WBガリッチのクロスにフリストドゥロポロスがシュート。GKアッビアーティがナイスセーブでゴールを逃れる。18分にはCHフリストドゥロポロスの縦パスにFWビアンキが抜け出しシュート。枠は外すが、次第にボローニャ・ペースになってくる。
 堪らずミランは18分、CHデヨングに代えてムンタリ。そして21分、本田も交代、FWパッツィーニが投入される。だが、これでミランのペースはさっぱり戻らない。いや中盤が薄くなり、さらにボールが支配できなくなる。それでも34分、CHモントリーボのフィードにFWパッツィーニが走り込むが、クロスを入れても誰も走り込まない。GKがこぼしたボールに右SHカカが走り込むがDFが先にクリアした。パッツィーニも怒る。
 ゲームは41分、CFバロテッリが強烈なミドルシュートを決めてミランが勝利。だが勝っても全然喜べない。全くサッカーになっていない。このサッカーをやるなら本田はトップ下かボランチに置くべきだろう。交代後、ロッカールームに直行した本田の苛立つ気持ちもわかる。セードルフ監督もそろそろ再考する必要がありそうだ。