とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

右SHで本田の活かし方がチームとしてわかってきたみたい。ACミラン、キエーボ戦も3-0と快勝。

 前節フィオレンティーナ戦の勝利に続いて本田が先発したキエーボ戦。香川と並んで本田アシストのうれしいニュースが流れた。さっそく観てみることにした。
 序盤から押し込んでいったミランは前半4分、CBラミのクロスに右SH本田がニアに走ってDFを惹きつけた後ろでCFバロテッリがダイレクトで合わせてミランが先制する。3バックに両WBも下がって守るキエーボだが、ミランの右SH本田、OHカカ、左SHターラブトにCFバロテッリの攻撃陣が自由にポジションチェンジをして攻めていく。だがそれ以上に、ミンタリ、デヨングと置いた2枚の守備的CHが効いている。二人でキエーボの攻撃の芽を摘んで、キエーボに攻めさせない。
 6分にはCHデヨングでボールを奪い、左SHターラブトが中にドリブルで切れ込みミドルシュートキエーボは15分、右SHラドバノビッチのクロスにCHベンティボーリオがミドルシュートを放つが、これがキエーボの初シュート。しかしその後はゲームが次第に落ち着き始め、互角の展開で進行する。
 27分、ミランがCKのチャンスをつかむと、クリアボールを拾ったCHデヨングから右に流す。右SH本田がフワッとしたクロスをゴール前に入れると、走り込んだカカにピタリと合ってゴールに流し込んだ。ミラン、追加点。実に美しいアシスト・パスだった。
 だが本田の良さは攻撃だけではない。守備でもよく下がって攻撃を遅らせ、時に奪い取るなど、守備面でもよく貢献している。そして38分、左SHターラブトのスルーパスにCFバロテッリが走り込んで、クロスに右SH本田がフリー。だがシュートは枠を外してしまう。バウンドがやや弾んだかもしれないが、ここは決めて欲しかった。前半終了間際、突如CHムンタリが足の不調を訴え、エッシェンに交代する。
 後半も前半同様、お互い比較的自由にパスを回しつつ攻め合う展開。そして9分、カカのFKに右SH本田が飛び込んでヘディングシュート。しかしGKアガッツィがナイスセーブ。弾いたボールをDFがクリア。しかしこのボールを拾った左SBエマニュエルソンが左に流すと、左45度からカカがミドルシュート。これがきれいに決まり、ミランが3点目を挙げる。
 本田のヘディングシュートも惜しかった。が、どうも本田にゴールのツキがない。そういう時は守備で貢献。11分にも守備でボールを奪う場面が見られる。その後はミランが人もボールもよく回る展開で気持ち良さそうに攻めていく。
 15分、CHデヨングに代えてポーリを投入。まさか本田がCHかと思ったが、ポーリがそのままCHに座る。さらに29分にはOHカカをロビーニョに交代。今度は本田トップ下かと思ったが、やはり右SHのまま。ロビーニョがトップ下を務める。みんなトップ下がやりたくてしょうがない感じ。でも機動力にやや劣り、守備力の高い本田はトップ下ではなく右SHの方が活きる。特に右SBがアバーテ、デシーリョと負傷で、本来CBのボヌッチが右SBを務める状況では、変に動き回る選手よりは本田のようにキープできる選手の方が役に立つ。
 37分、OHロビーニョがカウンターでボールを前に運ぶと右SH本田が前を横切り中へ。右へ開いたCFバロテッリにパスが出てシュートを放つが、DFがブロック。39分、今度も同じようなカウンターの展開でOHロビーニョがドリブル。今度は右SH本田にパスが出るが、シュートは左SHフレーがブロックする。41分には本田のところで奪い取り、CFバロテッリが左に展開。左SHターラブトが中に切れ込んでシュートを放つ。
 アディショナルタイムにはCBザッカルドが途中出場のOHテレオと足が引っ掛かり、倒れてPK。しかしテレオが蹴ったPKはバーに当たって事なきを得た。結局このままアディショナルタイム2分が過ぎ、ミランが3-0で勝利した。試合後、キエーボの選手にユニフォーム交換を頼まれ応じていた。本田への注目度が垣間見えた。
 これでミランも連勝し、ようやく調子が戻ってきた。左SHのターラブトがドリブルで仕掛けるタイプに対して、本田はキープして決定的なパスを出す。そして中央には機動力のあるカカ。中盤の攻撃陣のバランスが取れてきた。あとは本田にゴールが生まれるのを待つばかり。しばらく中下位チームが続くのでそこで少しでも勝ち点を積み上げ、上位進出を狙いたい。