とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

カウンター3発。バイエルン対ドルトムントは両チームの特徴がよく見えるゲームだった。

 今月に入ってからとにかく忙しい。家でのんびりサッカーを見ている時間もなかなか取れない。ようやく先週行なわれたブンデスリーガバイエルンドルトムントのゲームを見ることができた。
 両チームともその前のミッドウィークでCLを戦ったばかり。その中でホーム・バイエルンはほぼいつもの先発メンバー、ドルトムントレバンドフスキをベンチに温存した。序盤はバイエルンが優勢。両SBのアラバとラフィーニャが中にしぼり、両SHリベリーロッベンがサイドのスペースを広く使う。両CBのダンテとハビ・マルティネスが広く開き、CHラームが下がって一見3-2-4-1のような布陣。アラバとラフィーニャボランチのようにつなぎの役割を果たしている。
 対するドルトムントの特徴は運動量。とにかく人数をかけて守り、ボールを奪うや人数をかけてカウンター攻撃を仕掛ける。両チームの戦術を堪能する。6分、右SHロッベンのスルーパスにOHゲッツェが抜け出すが、オフサイドの判定。実はかなり微妙。10分にはドルトムントの縦パスをGKノイアーがCBよりも高い位置に飛び出してパス回しに参加する。ノイアーフィールドプレーヤーの一人としてパス能力も高い。
 そして20分、ドルトムントの速い攻撃が功を奏する。右SHホフマンのスローインをCFオバメヤンが落とすと、OHロイスが左に流す。ゴール前でゴールを狙いつつ横へ動かしていくと最後バイエルンの右サイドが空いた。そこに左SHムヒタリャンが走り込みシュート。あっさりとバイエルンDFを攻略した。ドルトムントが先制。
 その後も22分、CFオバメヤンが切れ込むドリブルからミドルシュート。GKノイアーのファインセーブでクリア。バイエルンも25分、左SBアラバからの横パスを右SBラフィーニャがダイレクトでスルーパス。OHゲッツェが抜け出すが、シュートはCBがブロックした。SB同士が短い距離でパスをして相手を崩すという点がバイエルンらしい。
 ドルトムントの密集した守備もいい。バイエルンはCFマンジュキッチにボールが渡る場面がほとんど見られない。と思ったら43分、CBダンテからの長いフィードをCFマンジュキッチが落とし、そこからボールが回る。最後はOHゲッツェの落としから右SBラフィーニャのクロスにCFマンジュキッチボレーシュート。GKバイデンフェラーもナイスセーブを見せて防いだ。
 後半もバイエルンがパスを回し、ドルトムントがカウンターを狙う展開。すると4分、バイエルンのCKからDFがクリアしたボールをムヒタリャンが奪い、ドリブルで前に運ぶと既にCFオバメヤンとOHロイスが走り込んでいる。右のオバメヤンに展開し、DFを惹き付けて中へパス。OHロイスが決めて後半早い時間にドルトムントが追加点を挙げた。
 さらに11分、今度はCBパパスタソプロスのフィードに右SHホフマンが抜け出し、そのままシュート。これが決まり、3点差をつけた。バイエルンの最終ラインはやや課題がありそうだ。もっとも本来CHのハビ・マルティネスをCBに起用していたが。また後半からGKをノイアーからレーダーに交代していたことも影響したかもしれない。
 さすがに3点差を付けられバイエルンは15分、リベリーに代えてミュラーを投入。24分にはロッベンに代えてクロースを投入。両ウィングを交代させ、それ以降は両SBも他のチームと同様、サイドに開いてプレーするようになった。ドルトムントは17分、ホフマンに代えてレバンドフスキ、24分CBフメルスに代えてフリードリッヒを投入した。
 26分、左SHゲッツェとOHミュラーのパス交換から右に流してCFマンジュキッチがシュート。27分にはCHシュバインシュタイガーミドルシュートドルトムントも31分、カウンターから右SHオバメヤンがシュート。ここはGKレーダーがナイスセーブを見せる。オバメヤンはここでお役御免。ヨイッチに交代する。
 38分、クロースのFKにCFマンジュキッチがヘディングシュートを決めるが、わずかにオフサイド。45分、OHミュラーの縦パスを左SHゲッツェがさらに前へ。CFマンジュキッチの落としをゲッツェがシュートするが、GKバイデンフェラーがファインセーブ。3失点後はバイエルンが攻勢をかけて反撃するが、さらに守備意識が高まったドルトムントが最後まで運動量が落ちることなく守り切る。ドルトムントが3-0と快勝した。
 この後で行なわれたドイツ杯準決勝では両チームとも勝利し、決勝で再びバイエルンドルトムントが対戦することとなった。バイエルンはCLでも準決勝に進出。次はドルトムントを破って進出したレアル・マドリードが相手だ。こちらはドルトムントの雪辱をバイエルンが果たすことを狙う。両チームの対戦はどちらも最後まで手を抜かずきびきびして見ていて楽しい。ブンデスリーガの両雄が世界のサッカーをリードしている。