とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

Jリーグは混沌。アントラーズがサンフレッチェを破り、首位浮上。

 前節、ヴィッセルが首位に浮上したJリーグ。だが、今節のアントラーズサンフレッチェが事実上の首位決戦だと多くの人が思っていたであろう。そして日中のゲームでヴィッセルがドロー。勝った方が首位に立つゲームとなった。
 ミッドウィークのACLで勝利し、決勝トーナメント出場を決めたサンフレッチェ。選手を使い分けてうまく戦っているが、それでも疲労が気になる。このゲームではミキッチがケガで欠場。右WBに柏を起用し、左WBに清水が先発した。一方、アントラーズの選手は若い。青木の出場停止で21歳昌子とJリーグ初先発の19歳植田でCBを組む。右SB伊東は20歳。CH柴崎21歳、OH土居21歳、左SHカイオも20歳。その中で要所にCFダヴィ30歳、CH小笠原35歳、GK曽ヶ端34歳を配する。遠藤の26歳がベテランに見える。
 ゲームは序盤からサンフレッチェがいつものようにパスを回して隙を窺う。アントラーズはしっかり守備ブロックを固めて守る。ところが前半10分、思いがけない形でゲームが動いた。CB千葉からGKへのバックパス。GK林の戻しのパスが弱い。CFダヴィが猛烈にプレスをかけて奪うと落としに左SHカイトがシュート。サンフレッチェのミスでアントラーズが先制した。GKが昨年の西川であったらと思うが、GKは今シーズンのサンフレッチェの弱点の一つだ。
 その後も守備を固めるアントラーズになかなかサンフレッチェがいい形を作れない。すると19分、今度は中盤でCH小笠原が強烈なタックルを受けて倒れる。ファールかと選手の動きが止まった瞬間、レフリー西村さんが流すと、左から中に走り込んだCH柴崎がボールを拾いスルーパス。OH土居が抜け出しシュート。アントラーズが早々に追加点を挙げた。
 サンフレッチェは28分、CB水本のクロスにSS石原がダイビングヘッド。33分、SS高萩のスルーパスに右WB柏が走り込み、クロスにCB水本がシュート。GK曽ヶ端がナイスセーブ。43分、高萩のスルーパスに今度は左WB清水が走り込み、クロスにCF佐藤がボレーシュート。またも曽ヶ端がナイスセーブで弾き出す。前半はこのまま2-0で終えた。
 後半もサンフレッチェがパスを回してアントラーズが守る展開。そして9分、CH柴崎のドリブルをSS高萩がファールで止めて得たFKを遠藤が蹴ると、走り込むダヴィの勢いに惑わされてGK林が動けず。そのままゴールに飛び込んでアントラーズが追加点。ついに3-0となってしまった。
 サンフレッチェは15分、CH青山に代えて森崎浩司を投入。20分にはCH森崎浩司ミドルシュートを放つが、GK曽ヶ端の正面。逆にアントラーズがカウンター。22分、左SHカイトがドリブルで長駆前進、シュート。26分には高萩と清水に代えて、SS野津田と左WB山岸を投入する。しかしなかなか前線に収まらない。アントラーズも26分、右SB伊東に代えて西。30分、OH土居に代えてCHルイス・アルベルト。36分、CFダヴィに代えて左SH豊川を投入。着々と守備を固めていく。
 サンフレッチェもなんとかアントラーズの守備の綻びを突き、崩そうとするが、うまく縦パスが入らない。40分、右WB柏のクロスのクリアをCB塩谷がミドルシュート。だがGK曽ヶ端の正面。逆にアントラーズのカウンターを浴びる。アディショナルタイム、CH柴崎のスルーパスに左SH豊川が抜け出し、クロスに右SB西がミドルシュート。結局、打つ手がないままタイムアップ。アントラーズサンフレッチェのミスを突いて得点を挙げ、がっちりと守って逃げ切った。若い力で完勝だ。
 これでアントラーズが首位に返り咲いたが、7位アルビレックスまで勝ち点2の中にひしめく大混戦。次はどのチームが首位に立つのか。どこが抜け出すのか。その中で若いメンバーが経験を積み重ねているアントラーズが頼もしい。W杯中断までのリーグ序盤。勝負の後半に備えて、各チームの戦力が整いつつある。