とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

CHの差、SBの差、FWの差。セレッソとの差は点差以上に大きい。もう一度、一から作り直さないと、J2転落も現実性を帯びるぞ。

 前節連敗をストップして6試合振りの勝利を挙げたグランパス。対するセレッソは6試合勝ちなし。だが攻撃の形はしっかりとできている。
 序盤4分、右WB酒本のクロスにCFフォルランがスルーパス。抜け出したFW柿谷が今シーズン初ゴールを決めた。フォルランをDFとCHの間でフリーにしてしまった守備。柿谷にも左SB本多の後ろに楽々と走り込まれ、守備に大きな問題があることを序盤から露呈した。
 一方、グランパスはなかなか攻撃の形が作れない。17分、FW玉田のパスカットからドリブル、FW永井に一旦預けて玉田が抜け出すと、落としを右SH枝村がシュート。カウンターで攻める。セレッソは22分、CH山口がFW柿谷のスルーパスに抜け出し、落としから右WB酒本がクロス。CH山口が積極的に上がり、攻撃に絡んでいく。両WBも短い距離で攻撃に絡み、グランパスの守備を崩していく。
 グランパスは27分、CH中村の縦パスから左SH小川がスルーしてFW永井が抜け出す。シュートはGK武田に阻まれたが、永井の速さは武器になる。だが中盤から永井を使うパスが出ることは少ない。セレッソは30分、CB闘莉王のはね返しのヘディングを拾ったCH山口がFW柿谷とのコンビで攻め上がりシュートを放つ。パスを出して終わりのグランパスのCHとは迫力が違う。
 37分にはCH山口のスルーパスにCFフォルランと左FW南野が抜け出す。オフサイドの判定になったがビデオで見る限り、誤審。左サイドには左WB丸橋も飛び出そうとしている。グランパスのDFラインがマークで間が空いたところを、セレッソの攻撃陣が飛び出しを狙っている。逆にグランパスは攻撃参加する選手が少ない。FWの永井と玉田に小川と枝村の両SHの4人にお任せ状態。CHはもちろんSBが上がる場面もほとんど見られない。
 それでも後半に入ると、グランパスの選手に攻撃的な姿勢が見られるようになる。7分、足を痛めた永井に代えて松田を投入。9分、SH小川の横パスをFW松田が落とし、CH田口のスルーパスに小川が走り込んで、クロスにSH枝村がシュート。ようやく複数人が絡んだ攻撃を見せる。すると13分、CH田口の縦パスにFW玉田がスルーパス。左SH小川が走り込んだところをCB山下が倒す。2枚目のイエローカードで山下退場。そしてPK。これを闘莉王が落ち着いて決めてグランパスが同点に追い付いた。
 その後は一人多くなったグランパスが積極的に攻める。前半は見られなかった両SBの攻撃参加からクロスがゴール前に入るも、ケネディは不在。ことごとくセレッソのDFにはね返される。26分、CH田口のパスカットからFW玉田がFW松田とのコンビで攻め上がりシュート。だがセレッソの守備は厳しい。なかなか余裕を持って前を向くことができない。
 セレッソは24分、南野に代えて左SH長谷川アーリアジャスール。28分、CH扇原に代えてゴイコ・カルチャを投入。運動量を増やして一人少ない守備を固める。そして32分、左SB丸橋が仕掛けると、右SH枝村と右SB矢野の間を抜け出しクロス。中央にFWフォルランがフリーで待っている。これを確実に決めてセレッソが勝ち越した。どうしてあそこでフリー。CH田口は何をやっているんだ。
 グランパスは38分、小川に代えて左SB佐藤を投入。闘莉王をCFに上げて攻める。39分には左SB佐藤のクロスをFW松田が落とし、FW闘莉王がシュート。こぼれ球をCH田口がシュートするが、GK武田がスーパーセーブを見せる。アディショナルタイムにはOH玉田の縦パスを右SH松田が落とし、右SB矢田のクロスにCF闘莉王がヘディングシュート。だがこれもGK武田がファインセーブ。結局、闘莉王をCFに上げて攻めるもノーゴール。一人少なくても4-4-1として守備を固めたセレッソを最後まで崩すことができず、1-2で敗戦した。
 CH山口、FW柿谷、CFフォルランと預けどころがあり、前を向いてゲームを作るセレッソに対して、グランパスは永井も小川も使われて生きるタイプ。玉田も仕掛けるFWで、ケネディがいないとボールの収めどころがない。SBもCHも攻撃参加しないと本当に攻撃の選手が少なく、攻撃が単発になってしまう。しかも守備も個人能力で守っている感じで、簡単にゴール前でフリーにしてしまう。これでは勝てない。ケガ人の多発は厳しいが、現状メンバーでもう一度、一から作り直さないと、J2転落も現実性を帯びるぞ。