とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

大儀見がいない時のFWはどうするか。新戦力を多く試して、いざベトナムへ。

 女子W杯最終予選に向けての壮行試合、ニュージーランド戦。新戦力をいろいろ試したが、課題も多く浮かび上がったゲームだった。大儀見の合流が遅れる中、先発FWは吉良と高瀬。吉良はレッズでもポスト役を務めることが多く、高瀬とはうまく役割分担ができなかった。結果的になかなか中盤からFWにボールが入らず、苦戦の要因となった。
 序盤、ニュージーランドの動きがいい。だが、なでしこも負けずに対応する。6分、左SB宇津木のクロスにFW吉良がシュート。7分には右SHウィルキンソンのドリブルに対してCB川村がうまく対応する。新戦力の選手たちが落ち着いてプレーした。このゲーム、川淵は左SHでの起用。アメリカでの経験を生かしてか、積極的にゴールを狙う。16分、川澄が中に切れ込んでミドルシュート
 だが、CHで起用された宮間へのマークが厳しく、前線へなかなかいいパスが出ない。前半、右SH中島がボールを触る回数も少なく、川澄も中に切れ込んで自ら仕掛けるシーンが多い。29分、FW高瀬のポストからCH宮間が左に展開。左SH川澄が中に切れ込みミドルシュート。だがゴール前にはFW陣がフリーで待っていた。
 逆に35分、右SBパーシバルのCKをSHグレゴリウスがフリック。SHウィルキンソンがヘディングシュートを放つ。GK山根がセーブした。ようやく40分、相手パスをカットしたFW吉良がボールを落とすと、CH阪口がつないでCH宮間が長いスルーパス。FW高瀬が胸トラップからGKをかわしてきれいにゴールに流し込む。ようやく日本が先制点を挙げた。
 後半3分、右SH中島の落としからCH宮間がミドルシュート。だが枠に入らない。後半になってもなかなかFWにボールが入らない日本。すると13分、左SB宇津木に代えて18歳乗松。そして中島に代えてCH澤を投入。宮間を左SHに上げて、川澄が右SHに回る。
 雨が降り出し、次第に強くなってくる。そして17分、中盤深い位置でボールを受けたCHハセットがドリブルを開始すると、CH阪口が届かず独走を許す。そして右に展開。右SHウィルキンソンのクロスをいったんは右SB有吉がヘッドでクリアするが、このボールを受けたCHヤロップがそのままミドルシュート。これが見事に決まり、ニュージーランドが同点に追い付いた。日本の中盤がぽっかり空いていた。
 その後さらに豪雨の中、ニュージーランドのCKが続く。日本はDF陣が集中した守備を見せる。川澄が右サイドに回り、ようやくライン際まで縦に突破する動きが見られるようになってくる。すると26分、FWを丸山と菅澤のコンビに交代。この二人の場合は菅澤がポストに丸山がセカンドストライカーとその役割がはっきりしている。30分にはFW菅澤から右に展開、右SH川澄が中に切れ込んでゴール前に入れたクロスにFW丸山が飛び込む。その後も澤や丸山らベテラン勢が勝利にこだわった必死のプレーを見せる。若手にはいい見本になるだろう。菅澤らの表情も引き締まって残り時間は少ないながら勝利を目指すプレーが続く。
 そして41分、右SH川澄に代えて猶本を投入。代表デビューだ。すると直後のCKを宮間が蹴ると、FW菅澤がナイスヘディングシュート。ようやく日本が勝越し点を挙げた。43分には宮間のパスを受けて右SH猶本がシュート。サイドネットに外したが、積極的な姿勢がチームに伝わる。アディショナルタイムには45分から交代出場した左SH後藤がドリブルで左サイドを突破し、ゴール前にいいクロスを入れる。結局このままタイムアップ。2-1で勝利してW杯最終予選に向けてかろうじて明るい船出を飾った。
 もちろん新戦力も含めた戦力の試行やチームの融合をめざすゲームで、結果は二の次だろうが、新戦力のメンバーが舞い上がることなく落ち着いてプレーをしていたことには感心した。だが先発した吉良と高瀬は個々にはいいプレーを見せたが、二人のコンビはまだまだ。MFとの連携も取れていない。大儀見は確かグループリーグだけの参戦のはず。彼女がいなくなったあとの決勝トーナメントでいかに戦うかは今後に向けても大きなテーマだ。まだまだ試すことは多くある。なでしこのW杯連覇への道はまだスタートを切ったばかりだ。