とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

アジア杯初戦は2点差を追い付いてのドロー。大儀見が入ってガラッと変わった。

 ニュージーランドとの壮行試合で酷評した高瀬と吉良の2トップだったが、グループリーグ初戦、前大会優勝国のオーストラリア戦でもまたこの二人のコンビを先発で起用してきた佐々木監督。その意図はどこにあったか。だがゲームは序盤からオーストラリアが圧倒する。
 2分、OHゴリーの縦パスをCHバンエグモンドがスルーパス。右SHデバナが飛び出してシュート。ポストを叩く。オーストラリアが高い位置からプレスをかけて日本が受け身に回る。パスが前に運べず、ミスも多い。8分OHゴリーから右に展開。右デバナがフリー。パスを選択してくれて助かった。さらに11分、GKウィリアムズのフィードから左SHフォードがドリブルで抜け出しシュート。枠を外す。
 芝が重いせいか、日本のパスがつながらない。FWも下がってくるが、パスが収まらない。キープできない。18分には左SB宇津木のバックパスを狙われ、CFヘイマンが抜け出す。GK山根が飛び出し、何とかシュートは防いだ。
 しかし21分、自陣ハーフライン付近で左SHフォードがドリブルを開始すると、CH阪口が追い付けない。CB岩清水もかわされそのままシュート。ついにオーストラリアに先制点を与えてしまう。26分にはCH宮間の横パスを左SHフォードにカットされ、そのままドリブル。CB川村が何とかクリアする。この時間帯、日本の中盤へのプレッシャーが強く、左SB宇津木が中に絞ってCH的にフォローする。これで何とか決壊を防いでいる印象。
 35分、ついに日本はFW吉良に代えて大儀見を投入した。チェルシーから合流して間もなかった大儀見をなるべく使いたくなったのかもしれないが、大儀見が入って明らかに日本の攻撃が変わった。大儀見がタイミングよく下がってボールを収めると、ようやく日本のパスが回り始める。39分、FW大儀見のポストプレーからFW高瀬が落として、CH宮間がミドルシュート。43分にはCH宮間のスルーパスにFW大儀見が抜け出しシュート。GKウィリアムズのファインセーブに防がれる。直後のCKから左SB宇津木がヘディングシュート。さらに45分、CH宮間がミドルシュート。日本が攻め込んで前半を終えた。
 後半に入っても日本ペースが続く。2分、FW大儀見のポストプレーからCH宮間が左に持ち出し、ミドルシュート。バーを叩く。FW大儀見で収めてCH宮間らから大きくサイドに展開。オーストラリアの守備を振り回す。12分、CH宮間の縦パスから左SH川澄がスルーパス。FW大儀見が走り込むがGKウィリアムズが飛び出す。わずかに届かない。17分、FW大儀見のポストプレーからCH宮間が縦パス。FW高瀬が落としてFW大儀見が走り込む。DFの足が伸びてクリア。大儀見が倒れてスワPKかと思ったが、ここはオーストラリアDFも正当なタックルだった。直後のCKからCH宮間がクロス。FW高瀬がヘディングシュートを放つが、枠を外す。前半終盤から日本が圧倒的に攻め込むが、なかなかシュートが決まらない。
 すると19分、DFからのフィードに左SBカトリーが左サイド深く走り込み、右SB有吉が寄せ切る前にクロス。CB岩清水を背負ってCFヘイマンがポストプレーを見せると、落としをCHバンエグモンドがつないで右SHデバナがシュート。オーストラリアが追加点を挙げる。日本もよく戻って守備をしたが、前掛かりになったところでのカウンターにファーサイドで人数が足りなくなった。
 ここでオーストラリアがCFヘイマンに代えてギルを投入。日本も23分、右SH中島に代えて木龍を投入した。すると木龍がよくボールに絡む。右サイドから中に絞ってサイドチェンジのパスを入れる。
 そして24分、オーストラリアの縦パスをCB川村がよく飛び出してカットすると、CH宮間が大きく左に展開。左SH川澄がDFをかわしてクロスを入れると、CBポルキンホーネが痛恨のオウンゴール。日本が1点を返した。さらに26分にはFW大儀見のポストプレーから右SH木龍が積極的にロングシュートを放つ。枠に飛ぶが、長身GKウィリアムズが何とかキャッチ。しかし木龍の積極的なプレーは日本に勢いを持ち込んだ。
 33分、右SHに回った高瀬のクロスをFW大儀見とDFが競って、こぼれ球に左SH川澄がシュート。枠を外す。34分には右SH高瀬に代えて後藤を投入。後藤は右サイドから再三切れ込んで左足でクロスを入れる。そして38分、左サイドでSH川澄とSB宇津木のパス交換から前を向いた川澄が絶妙のクロス。FW大儀見が抜け出してシュート。ついに日本が同点に追い付いた。
 その後も44分、CH宮間のスルーパスにFW大儀見が抜け出すなど日本が攻めるが、オーストラリアも右SHデバナがシュートを放つなど攻め返す。お互い必死の攻防の末、結局ゲームは2-2のドローで終わった。
 2点差となったときには負けを覚悟した。前半序盤、オーストラリアに攻め込まれ、圧倒されたが、前半からエース大儀見を投入して何とか追い付いた。やはり大儀見がいないと攻撃が形にならないのか。その大儀見もグループリーグが終わればまたチームを離れてしまう。残りのグループリーグ2試合で何とかFWに目途を付けないと、アジア杯優勝はおぼつかない。大きなハンデの元で優勝を狙うなでしこ。成長への大きな試練の大会と言えそうだ。