とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

セルヒオ・ラモスは試合を変える男。後半ロスタイムの同点弾でレアルが甦り、CL10回目の優勝を飾る。

 チェンピオンズリーグ決勝はポルトガル・リズボンで、スペイン・マドリードのチーム同士の対戦。レアル・マドリードアトレチコ・マドリードマドリード・ダービーとなった。
 アトレチコが序盤からハイプレスを仕掛けていく。レアル・マドリードベンゼマクリスティアーノ・ロナウド、ベイルの3トップ。中盤にディマリアとモドリッチを配し、アンカーにケディラを置く布陣。シャビ・アロンソは累積による出場停止でスタンドからゲームを見守る。レアルはカウンター狙いだが、アトレチコが多くの人数をかけてボールを奪い、パスを回して押し込んでいく。だがアトレチコもなかなかシュートまでは至らない。9分には故障を押して出場したFWジエゴ・コスタが足の不調を訴えアドリアン・ロペスに交代。開始早々から不運に見舞われるが、その後もアトレチコの優勢は変わらない。
 27分、レアルは左SHディマリアがドリブルで仕掛ける。アトレチコの右SGラウール・ガルシアが堪らずファール。レアルはディマリアだけが攻め手。あとはなかなか攻め込めない。と思ったら32分、アトレチコのCHティアゴの横パスを右WGベイルがカットし、そのまま前進、シュートを放つが、アトレチコDFのスライディングにわずかにコースを外れる。
 すると36分、アトレチコのCHガビのCKのクリアを右SBフアンフランがヘッドで前へ送ると、CBゴディンがヘディングシュート。これが飛び出したGKカシージャスの上を超えてゴールに転がり込む。アトレチコが先制。前半はアトレチコ、1点リードで終えた。
 後半に入り、レアルはモドリッチがボールを触り、ゲームを作り出す。7分、左SHディマリアのドリブル突破をCBミランダが止めてイエローカード。C.ロナウドが蹴ったFKは大きく変化するが、GKクルトワがファインセーブ。その後も2本のCKにいずれもC.ロナウドがシュートを放つが、ゴールを破れない。
 すると14分、レアルはCHケディラをイスコに交代。さらに左SBコエントランをマルセロに交代する。するとマルセロが積極的に仕掛ける。12分にはマルセロと入れ違いで左サイドに上がったCBセルヒオ・ラモスのクリアにC.ロナウドベンゼマが飛び込む。わずかに届かない。22分、CHモドリッチが右にドリブルして中に戻すと、C.ロナウドの縦パスをCFベンゼマが落としてCHイスコがミドルシュート
 アトレチコも27分、FWビジャのキープから右に展開、右SGソーサのクロスにビジャが飛び込むが、GKカシージャスが抑える。その後、ラインを下げて守るアトレチコに対してレアルが攻勢をかける。28分、CHモドリッチの縦パスをC.ロナウドが落とし、右WGベイルがシュート。30分、中盤深い位置からのFKをCBヴァランが落とし、C.ロナウドボレーシュート。33分、右WGベイルがCFベンゼマとのワンツーで抜け出し、ドリブルからシュート。だが枠に入らない。
 時間をかけてしっかりと守るアトレチコ。レアルは再三マルセロやディマリアからクロスを入れるが、ことごとくアトレチコDFがはね返す。そしてアディショナルタイムに投入。アトレチコが必死のプレスで守る。だがアディショナルタイム3分、CHモドリッチがCKを蹴ると、CBセルヒオ・ラモスがヘディングシュート。これが決まり、土壇場でレアル・マドリードがゲームを振り出しに戻した。さすがセルヒオ・ラモス。いつも大事なゲームで大事なゴールを決める。まさに頼れる男だ。ゲームは延長戦に突入した。
 延長戦はアトレチコが深く守ってカウンターを狙う展開。レアルが押し込んでいくが、アトレチコの守備が堅くなかなかシュートも打てない。アディショナルタイム2分、ディマリアのCKにCBヴァランがヘディングシュートを放つが、GKクルトワがキャッチした。
 延長戦後半3分にはCHモドリッチミドルシュートアトレチコも4分、FKからCBゴディンがヘディングシュート。そして5分、左SHディマリアがドリブルで仕掛けると、激戦に足を攣った右SBフアンフランが止め切れず突破を許し、そのままシュート。GKクルトワが足に当てるが、弾んだボールにベイルが詰めてゴールに押し込む。ついにレアルが逆転した。
 アトレチコはもう攻めるしかない。9分、後方からの長いフィードのクリアをCHティアゴがミドルシュート。だが枠に入らない。中盤から前が上がりっぱなしでパワープレーを仕掛けるアトレチコ。13分、左SBマルセロがドリブルで進むと、アトレチコの選手が戻り切れず、プレスがかからないままシュート。レアル3点目。そして15分、C.ロナウドのドリブルをPA内で右SBフアンフランが手を掛けて倒しPK献上。これをC.ロナウドが決めて4点目。そしてタイムアップ。90分過ぎまで敗戦濃厚だったレアルが後半アディショナルタイムで追い付いて、延長戦で突き放し、4-1で勝利。レアル、チャンピオンズリーグ12年振り10回目の優勝を飾った。
 だがレアル以上にアトレチコの奮闘に心打たれた。闘将シメオネ監督も何度もピッチ内に進入し、主審にアピール。最後は退席処分になったが、その熱い気持ちに支えられ、選手たちが勇気を持って戦った。後半、守備に入るのが早過ぎたかもしれないが、体力も限界だったのだろう。最後は右フアンフランの足が攣って、そこから3失点。気の毒な結果にはなったが、その気持ちは心を打った。感動的なマドリード・ダービー。決勝戦だった。