とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

なでしこ、アジア杯制覇。決勝は準決勝ほど劇的ではなかったけど、身体を張ったプレーが求められた。次へつながる大会だった。

 アジア杯決勝、オーストラリア戦。大会初戦で当たったゲームでは2点を先行され、大儀見の投入で2点差を追い付いてのドローだったが、大儀見がイギリスへ帰った決勝トーナメント。FWは高瀬のワントップ、宮間のトップ下という準決勝後半の布陣でスタートした。
 前半1分、右WGデバナからのスルーパスに右SB有吉の処理がもたつき、左WGカーがシュートを放つ。9分には左SB宇津木のバックパスを左WGカーにさらわれるが、シュートまでには至らない。さらに12分、右WGデバナのクロスにCFヘイマンがヘディングシュート。GK福元がナイスセーブを見せる。
 序盤からオーストラリアが高いプレスを仕掛け、日本のパスが回らない。それでも何とか身体を張って弾き返す。15分には宮間のFKからこぼれたボールをCF高瀬がオーバーヘッドキック。だがGKウィリアムズに抑えられた。
 しかし前半も中盤以降は次第にプレスにも慣れ、日本が押し返し始める。22分、OH宮間のミドルシュートからCKを得るが、ショートCKの連携ミスでボールを奪われ、右WGデバナが長駆ドリブル。何とかシュートに至らずクリアする。
 そして28分、CKのチャンスに宮間がショートCKで下げると、左SB宇津木がクロス。ファーサイドでCB岩清水がヘディングをすると、オーストラリア選手の体に当たってゴールに吸い込まれた。日本、先制。その後、33分にも左SH川澄のクロスにCF高瀬がボレーシュートを放つが、GKウィリアムズがナイスセーブ。前半は1-0の日本リードで終えた。
 後半に入り、頭からCBケネディをアレウィーに交代。4分、CFヘイマンが反転から強烈なミドルシュート。GK福元が正面でキャッチしたが、オーストラリアはボールを奪うとすぐさまゴール前にボールを運び、シュートを放ってくる。一方、日本は粘り強くパスを回して攻める。9分、オーストラリアのスローインからSBカトリーのクロスにヘディングシュート。GK福元が弾き出す。
 その後、オーストラリアが15分バット、22分フォードと選手交代をすると、日本も20分、CH澤に代えてFW菅澤を投入。宮間をCHに下げて2トップにする。23分、右SB有吉のクロスにFW菅澤が胸トラップからシュート。バーを叩き、弾かれる。惜しい。直後、オーストラリアも左CHゴリーのクロスに左WGカーがシュート。日本のネットを揺らすが、オフサイド。日本DF陣の冷静な対応に救われる。25分にはCBアレウェーのフィードに右WGデバナが抜け出し、GK福元の手の先でゴールに流し込む。CB川村が追い付いてクリア。CB川村は本当によくがんばった。このゲームでも何度も身体を張ってピンチを防いでいた。
 その後もオーストラリアが速い攻撃で何度もチャンスをつかむが、日本がCBを中心とした守備で弾き返す。31分には右SH中島に代えて後藤、38分にはFW高瀬に代えて吉良を投入。攻撃的な選手を入れて、前からの守備を補強する。そして長いアディショナルタイム3分が過ぎ、日本が1点差を守り切った。やった! 日本、アジア杯、初制覇。優勝を飾った。
 おめでとう、なでしこ。今大会はヨーロッパで活躍する選手がいない中でのアジア杯だった。初戦こそ大儀見の大きさを見せ付けられたが、次第に各ポジションの連携もよくなり、決勝トーナメントは大儀見抜きで競り勝った。ヨルダン戦では猶本や杉田、小原、高畑ら、初召集組も全員ゲームに起用され、なでしこの雰囲気を知ることができた。またCB川村とSB有吉はよくがんばった。ヨーロッパ組が帰ってくるとまた選外に漏れる選手たちも多いだろうが、今回のような真剣勝負を経験したことは今後の大きな財産になる。今後のなでしこへつなげる意味でもいい大会だった。