とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

内田、長谷部、吉田の復調を確認できたのが最大の収穫。内田のゴールでキプロスに1-0で勝利。

 W杯前に日本で行われた壮行試合。相手はギリシャを想定したキプロス。想定どおり、キプロスがしっかりと戦ってくれたおかげで、日本にとってもいい収穫の試合となった。
 日本は香川・本田・岡崎の攻撃陣にCF柿谷の布陣。CHには山口と遠藤。右SBに内田。CBには今野と森重が先発した。
 序盤、キプロスが高い位置からプレッシャーをかけてくる。逆に日本は練習の追い込みでどの選手も身体が重い。ミスが多く、キプロスにボールを奪われてはDFの裏にパスを通され、再三ピンチを招く。日本は8分、CH遠藤がミドルシュート。16分には左SH香川がミドルシュートを放つが、遠目からしかシュートが打てない。
 それでも20分過ぎ位から次第に日本のボール保持率が高まり、パスを回して押し込む展開になる。もっともキプロスも守備を固めると、なかなか崩しきれない。29分、CB森重がキプロスの縦パスを飛び出しよくヘディングでカットして前に送ると、OH本田が右SH岡崎とのパス交換で抜け出し、縦パスをCF柿谷が落とすと本田がミドルシュート。GKコンスタンティノイがナイスセーブを見せるが、ようやく日本がいい連携プレーを見せた。
 そこから次第に日本が攻撃の形を作っていく。35分、右SH岡崎が倒されて得たFKを本田がブレ球シュートを狙うが、大きく枠を外す。やはり本調子にはほど遠い。その後、キプロスがゴール前に迫るが、日本の守備陣が集中した守りを見せてゴールは許さない。身体は疲れていても集中力は高い。42分、左SB長友のクロスにCF柿谷、右SH岡崎が飛び込むが、わずかに届かない。全体に動きが悪い中、長友だけが一人奮闘し、左サイドから積極的に仕掛けていく。別格の体力か。
 そして43分、OH本田のクロスがDFにはね返されたボールをCH山口がナイスカットして縦パス。右SH岡崎がポストになって浮かせたパスで前に送ると、OH香川が走り込んでシュート。こぼれたボールに右SB内田が詰めてゴールに流し込んだ。日本、先制。
 ケガ明けが心配された内田だが、身体は重そうなものの、気持ちでは負けずによく身体を張ったプレーを見せていた。そして積極的にゴール前まで詰めてのシュート。本番に向けて期待がさらに高まった。
 後半に入り、CH遠藤、右SB内田、CB今野に代えて、長谷部、酒井宏樹、吉田を投入。すると5分、左SH香川のスルーパスにCF柿谷が抜け出しシュート。後半に入り、ようやく香川や本田の動きにもキレが戻ってきた。また後半から出場したCH長谷部の動きがいい。ピッチを大きく動いて相手の攻撃の芽を摘み、縦パスを入れ、チャンスを演出する。またCB吉田もケガを恐れない思い切ったプレー振り。裏を取られかかるなど、いつものプレーも見せたが、まずはそこまで復活してきたことを喜びたい。
 11分、左SB長友が中に切れ込んでミドルシュート。わずかに枠を外すが、みんなが不調な時に、長友がチームを引っ張る。そして13分、今度はCF柿谷に代えて大久保が登場。場内が大きな拍手に包まれる。すると17分、左SH香川のパスを受けてCF大久保がミドルシュート。いつも積極的にゴールを狙う大久保らしいプレーを見せてくれる。19分にはCF大久保の落としからOH本田が前にドリブル。クロスにCH長谷部がシュート。直後のCKから本田のクロスにCB吉田がヘディングシュートを放つ。
 するとそこからは完全に日本ペース。22分、左SH香川のミドルシュートはGKコンスタンティノイのナイスセーブで防がれる。さらに左SH香川のスルーパスに右SB酒井宏樹が駆け上がり、クロスにCH長谷部がシュート。これもGKコンスタンティノイがナイスセーブ。25分、右SH岡崎に代えて清武を投入。28分、OH本田のスルーパスに右SH清武が抜け出しクロス。33分、左SH香川からのパスをCF大久保がクロス、香川の落としをOH本田がシュート。だがキプロスがしっかり守る。まるでギリシャのような堅守。40分にはOHマクリディスからのスルーパスに右SBスティリアヌが左SB伊野波の裏を取ってゴール前に抜け出す。シュートはサイドネットに外したが、危ない場面だった。
 攻め切れない。後半終了間際に危ないシーンを作られる。ゴールは1点だけと課題もあったが、練習で疲れていたことを思うとそれも仕方がない。それよりもケガ明けの選手たちがいずれもいいプレーを見せてくれたし、森重や山口、柿谷など先発争い線上の選手も気持ちのこもったプレーを見せていた。少し心配なのはCH遠藤。でも彼ならきっちり本番には間に合わせるだろう。W杯へ旅立つ前のいい壮行試合になった。