とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

代表選手がいないチーム同士のナビスコ杯はけっこうおもしろい。グランパス、闘莉王の決勝弾でレイソルに勝利。

 今年2回目の生観戦。水曜日のナビスコ杯、グランパスレイソル戦に行ってきた。6時半に会場に着いて友人を待ったが、会場はホームゴール裏以外は閑散。3,000人位かなと思ったが、キックオフ前には急速に席が埋まり、最終的には6,000人弱の入場者数だった。
 先発はGK楢崎にCBは闘莉王と牟田。SBは右に矢野、左に本田。ボランチダニルソンと田口が座り、右SHに矢田、左SHに小川。FWは玉田と永井の組み合わせだ。3月に観戦に来た時には、刀根、望月と当時は名前も知らない選手が大勢出場。矢田もその時に名前を覚えた。それを思えば、今回はケネディがオーストラリア代表で不在な以外はほぼレギュラーメンバーが並ぶ。その中で、矢田がしっかり右SHで先発しているところに、彼の成長と西野監督の手腕を感じる。
 対するレイソルも同じく代表から漏れたFW工藤やCB鈴木が先発メンバーに名前を連ねる。3バックは他に近藤と渡部、左WBに橋本、右WBは高山。ボランチに大谷と茨田が入り、3トップは工藤の他に田中順也レアンドロレアンドロ・ドミンゲスが退団したが、それでも怖いメンバーだ。
 ゲームの内容はメモをしていたわけではないので、ほとんど忘れかけているが、前半のうちはグランパスが優勢にゲームを進めた。5分過ぎには右SB矢野から絶妙のクロスがゴール前に入る。リーグ開幕当初、抜擢レギュラーだった田鍋はベンチにはいたが、右SBのポジションは怪我で欠場している間にしっかり矢野が確保してしまったようだ。
 その後もグランパスがパスを回していく。ダニルソンがCHにいると、やはり安心感が違う。少し無理な体制でも強引にボールを奪いに行き、そして奪い切ってしまう。右SH矢田も何本かいいスルーパスを出していた。なかなかFW陣とうまくタイミングが合わなかったが、彼の技術力の高さはよくわかった。FW陣ではやはり永井の速さが目立つ。無理かなと思うボールでも彼が追うと追い付いてしまう。もっとも他の選手が追い付けずに永井が味方の攻め上がりを待つシーンも見られた。
 一方、レイソルの攻撃は左WB橋本の攻め上がりが目立つ。レイソルの3バックは右CBの鈴木がやや高めにポジションを取り、右WBの高山はさらに高い位置を取るものの、そこは左SB本田がよく戦って、レイソルに先手を取らせるようなことはなかった。前半はグランパスが押し気味でゲームを進めたが、結局ゴールならず。勝負は後半に移った。
 後半は前半と打って変わってレイソルが積極的に攻めてきた。CFレアンドロがポストとなって高いキープ力で収めて、そこから展開していく。だがグランパスの中央は堅い。闘莉王が身体を張り、ことごとく跳ね返す。またレアンドロのキープもダニルソンが積極的に仕掛けて自由にさせない。3分、レイソルの攻撃を跳ね返してカウンターで永井がPA前までドリブル。だが、レイソルのCB近藤に倒されてFK。玉田が蹴るが壁に当たって跳ね返される。しかしそれよりも永井が立ち上がれない。いったんは足を引き摺りピッチサイドで治療を受けたが、ピッチに戻ってしばらくしてまた座り込んでしまった。結局、7分、松田に交代。さらに20分、今度は玉田がピッチにうずくまる。やはり足を痛めて右SH田鍋に交代。矢田がFWに入って玉田の代わりを務めた。
 久しぶりにケガ明けで出場した田鍋がどんなプレーを見せるかと期待したが、期待倒れ。右サイドを飛び出してもボールに追い付けず、守備も緩慢。なぜ矢野が右SBに定着したかがよくわかる。前にスペースのあるSBだと田鍋の特長も出せるのかもしれないが、右SHのポジションでは華麗にDFを抜くドリブルもなく、平凡なプレーに終始した。
 レイソルは24分、右WB高山を太田に交代すると、意識的に高い位置を取ってレイソルが押し込んでくる。さらに30分には左WB橋本も輪湖に交代。35分にはMFからのスルーパスレアンドロが抜け出し、GKと一対一のチャンス。だがそこでGK楢崎が立ちはだかる。スーパーセーブで弾き返した。他にもGK楢崎ならでは、闘莉王ならではの守備があって、レイソルに得点を許さない。
 そしてその後続いたCKのチャンスの後、闘莉王が戻ってこない。このまま引き分けかな。闘莉王、戻ってこいよと思った後半40分、CKのチャンスに右サイドからグランパスが攻めていく。左SH小川のスルーパスにFW矢田がシュート。DFに当たってはね返ったボールを矢田が中にパス。左SH小川がシュートするが打ち損なって左サイドにこぼれる。それを左サイドで待ち構えた闘莉王がシュート。グランパスがついにゴールを挙げた。その後、長い4分のアディショナルタイムもうまく時間を使い、そのまま勝ち切った。ナビスコ杯、グランパス3連勝。今節で決勝トーナメント出場を決めたレッズに続き、2位のヴァンフォーレに勝ち点で追い付いた。
 次節は6月1日レッズ戦。レッズにとっては消化ゲームで控え選手主体で来てもらえばいいのだが、聞くところによれば、ヘルタ・ベルリン移籍を決めた原口のお別れゲームにしたいような意向。そうなるとそれなりに勝利へのモチベーションも高いかな。いずれにせよ、グランパスは次節に勝ち抜けがかかっている。この日のような気持ちの入ったゲームをして絶対勝利をつかんでほしい。勝利もうれしいが、何より見ていて楽しいゲームだった。