とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

ザンビアが強いのか、日本が調整中のためか。W杯に取っておきたいような白熱のテストマッチ

 W杯本番前ラストマッチ、ザンビアはW杯出場チームに劣らぬ好チームでW杯ラストマッチとしては気持ちを高めるいいゲームになったのではないか。
 日本の先発CFは柿谷。CHに遠藤を起用し、GKは西川。この3人を注目した。序盤、日本は前からプレスをかけて攻勢をかけるが、ザンビアもしっかり対応し、逆に押し返してくる。そして9分、右SBムリロのクロスにCFマユカが足を伸ばしてファーに送ると、OHクリストファー・カトンゴが右SB内田をかわしてシュート。ザンビアが先制する。
 前半、日本は中盤から縦パスを入れるが、落としのボールをザンビアに拾われる。しっかり研究してきたのか、ザンビアのプレスが早い。だけでなく、強い。そして中央は高く堅い。日本はなかなかチャンスが作れない。16分、左SB長友が中に切れ込んでミドルシュート。これが日本のファーストシュート。
 しかしその後もザンビアの勢いが止まらない。日本は受けに回って、なかなか前に出ていけない。そして28分、中盤に下がったCFマユカのミドルシュートがDFに当たってCKを与えると、右SHフェリックス・カトンゴのCKに数人がCKフラッグに向けて走り出す。ショートCKかとDFが釣られたところをCK。CBスンズがスルーするとCHシンカラがミドルシュート。トリックプレーにやられた。ザンビアが追加点を挙げる。
 日本はザンビアの勢いの前に全体的に動きが少ない。練習と暑さによる体調不十分もあったかもしれないが、やはりザンビアに押されていた。それでも35分、左SB長友のクロスからCH遠藤がミドルシュートを放つと、次第に日本も動きがよくなってくる。そして40分、CB今野がザンビアの縦パスをカットすると、左SH香川がドリブル。右SH岡崎がポストに入り、さらにドリブル。クロスを入れると、マークに着いた左SBムボラの手に当てる。PK獲得。これを本田が確実に決めて日本が前半のうちに1点を返した。
 45分には左SH香川から左に展開、左SB長友のクロスにCF柿谷がヘディングシュート。だが決まらない。前半は2-1とザンビア・リードで折り返した。
 すると後半頭からCF柿谷に代えて大久保を投入。柿谷はセレッソでの不調そのまま、プレーに迷いがある印象。ザンビアの厳しい寄せにミスも多い。後半もザンビアが押していく。8分にはCFマユカを長身のワレンガに交代する。9分、右SH・F.カトンゴのCKにC.カトンゴがヘディングシュート。枠を外して助かったが、遠藤が倒れて押されたとアピールしている。倒れている場合ではないだろ。遠藤を先発させると守備が不安。11分にはOH・C.カトンゴがミドルシュート。日本も12分、本田のループパスに左SH香川が抜け出すが、うまく足に収まらず、シュートが打てない。
 日本は15分、CB今野に代えて森重、岡崎に代えてCF大迫を投入。大久保を右SHに回す。さらに21分、右SB内田を酒井宏樹に交代。右サイドを超攻撃的な布陣にする。すると、何度か日本がザンビア・ゴールに攻め込むが、なかなかゴールに至らない。そして28分、CH遠藤が大きく左に展開すると、左SH香川が中に切れ込んでミドルシュート。右SH大久保が走り込むが、そのままゴールネットを揺すった。ついに日本が同点に追い付いた。
 すると今度は30分、CB森重がCH山口の落としを受けてそのまま前進。右SB酒井とパス交換後もさらに前進。DFをかわしてクロスを入れると、OH本田が飛び込む。ゴール。何と日本が逆転。ザンビアは29分、左SHルングに代えてルバンボ・ムソンダを投入。32分、F.カトンゴのFKにC.カトンゴがヘディングシュート。日本は33分、香川に代えて齋藤を投入した。
 このまま逃げ切ろうと時間を使う日本。だが44分、左SHルバンボ・ムソンダが左サイドをドリブルで上がると、右SB酒井をカバーしていたCH山口の寄せが遅れる。R.ムソンダのミドルシュートが山口の足に当たって山なりとなり、GK西川を越えてゴールに吸い込まれた。何とザンビアが土壇場で同点に追い付いた。
 日本は直後、CH遠藤に代えて青山を投入。するとアディショナルタイム1分、CH青山からのフィードに右SH大久保が走り込み、ナイストラップからシュート。強烈にネットに突き刺さる。何と日本がアディショナルタイムに勝越し点を挙げた。2分にはOH本田から右に展開、右SG大久保のクロスにCF大迫が走り込んだが、飛び出したGKマサバタに抑えこまれた。最後は中盤がルーズになって点の取り合いになったが、結局、4-3で日本の逆転勝ち。派手なゲームで日本が勝利を飾った。
 ゲーム後のザッケローニ監督のコメントは厳しかった。ま、そうだろう。本番前に選手を弛めるわけにはいかない。しかも前半はザンビアに押されて、日本選手の動きはよくなかった。そして2点を先行された。後半はザンビアのプレスが弱まったこともあって逆転できたが、同点に追いつかれた部分も課題事項だ。それでも最後に大久保のビッグプレーで勝ち越して劇的な勝利を挙げたことは本番に向けて力になるだろう。大久保にはこの勢いでW杯でもひと暴れしてほしい。