とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

コロンビアに完敗して、グループリーグ敗退。サッカー文化の厚みの差を感じた。

 大会前の予想は2分1敗。ほぼ予想通りの結果だったが、それにしても彼我の違いを感じさせた。まさにサッカー文化が違うなと感じたゲームだった。
 日本は大久保のワントップ。今大会、初めて青山をCHに起用。だが序盤からコロンビアの攻勢にさらされる。何とか集中した守備で守りきったが、つくづく遠藤を先発させなくて正解だと思った。7分、本田のFKが壁に当たる。大会を通じて、最後まで本田の調子は元に戻らなかった。9分、CH長谷部のロングフィードにCF大久保が走りこみ、切り返しからシュート。DFがブロック。10分、CF大久保のミドルシュートはGKオスピナの正面だった。日本が積極的に縦パスを入れると、次第にゲームは日本ペースになってくる。14分には右SB内田がミドルシュート。さらに15分、CH長谷部がミドルシュート
 既に決勝トーナメント進出を決めているコロンビアはロドリゲスを先発から外すなど、コートジボワール戦に比べ先発を8人交代。控えメンバー主体の先発陣だ。それでも選手の質は高い。16分、CFマルティネスのスルーパスに左SHラモスが走りこむ。CB今野が付いていってPA内でスライディング。ボールに行ったつもりが一緒にラモスも倒してしまい、PKを献上する。抜け出したのはラモス一人だけだし、あの場面ではスライディングまでする必要はなかった。どうしても勝たなければいけないという気負いがこういうプレーで出てしまったという感じ。このPKをクアドラードが決めて、コロンビアが先制する。
 日本も26分、CH長谷部のFKをCF大久保が落とし、左SH香川が切り返してシュート。だがGKオスピナの好セーブに止められる。33分、本田のFKはポストの右。36分、CH青山のフィードを右SH岡崎が落とし、CF大久保が右に展開。右SB内田のクロスにCF大久保がオーバーヘッドでシュートを放つ。先制をされたが、ゲームは日本ペース。右SHクアドラードの突破も左SB長友と左SH香川が高い位置を取って抑えていく。
 40分、CH青山からCF大久保の落としを左SH香川がシュート。コロンビアも42分、右SBアリアスのカットから右に展開、SHラモスのクロスにCFマルティネスがシュート。枠を外す。そしてアディショナルタイム1分、カウンターで右SB内田が持ち上がると、右に展開。OH本田が切り返しから入れたクロスに右SH岡崎が得意のダイビングヘッド。ついに日本が同点に追いついた。前半はこれで終了。後半に望みをつなぐ岡崎の勇気あふれるヘディングシュートだった。
 するとコロンビアが後半最初からOHキンテーロに代えていよいよロドリゲスを投入する。5分、ロドリゲスが中に切れ込んでドリブルからシュート。9分にはロドリゲスのFKにCBカルボネロが合わせる。ロドリゲスが入るとまたコロンビアが攻撃の主導権を握りだす。そして10分、右サイドに起点を作って落とすと、右SBアリアスが中にドリブル。いったんサイドに引き出された左SH香川の寄せが甘い。アリアスが中にドリブルをすると、OHロドリゲスポストプレーにCFマルティネスがシュート。またもコロンビアにリードを許してしまう。
 その後、必死に反撃する日本。13分、CH長谷部のスルーパスに左SH香川が走りこんでシュート。14分、左SH香川から左に展開、左SB長友のクロスにCF大久保がヘディングシュート。17分にはCH青山に代えて山口を投入する。でもこの交代ってどういう意味があったんだろう。ロドリゲス対策ということか? 19分、本田のFKはGKオスピナがパンチングでクリア。20分、右SB内田が右SH岡崎とのパス交換で駆け上がり、クロスにCF大久保がシュート。だがどうしてもゴールが遠い。コロンビアDFが堅い。
 すると日本は24分、岡崎に代えてCF柿谷を投入する。29分、CB今野がミドルシュート。32分、長友がミドルシュート。守備を固めるコロンビアに対してなかなかゴール前にパスを通せない。柿谷も一度オフサイドにかかる場面があったが、得点に絡む動きができなかった。
 そして37分、OH本田にコロンビアのCHグアリンがプレスをかけて奪って縦にパス。OHロドリゲスのスルーパスにCFマルティネスが抜け出してシュート。ついに3点目を献上してしまう。さらに44分、左SHラモスのスルーパスにOHロドリゲスが抜け出し、切り返しからシュートを決めた。CB吉田を滑らせた切り返し、そしてGK川島の動きをよく見たループシュート。ともにロドリゲスの落ち着きと技術の高さを思わせるゴールだった。アディショナルタイムにはCF柿谷がフリーで抜け出しながらDFに止められるシーンもあり、彼我の違いを強く感じさせるゲームだった。1-4。完敗だ。
 攻撃サッカーと浮かれていたのが嫌になる。その攻撃すら結局3ゲームで2ゴールのみ。そして6失点。やはり守備に目をつむって攻撃で上回るなんてことはこのクラスではありえない。事前の強化試合ですら十分な得点力を発揮できなかった時点で、南アフリカ大会のように守備的な戦い方を視野に入れるべきではなかったか。その点でザッケローニよりも岡田監督の方が勝負師としての才覚を感じさせる。この後、次期監督をどうするのかわからないが、マスコミとともに舞い上がって、浮かれてしまうような監督はもういらない。
 グループリーグ3試合で痛感したことは、日本にはある程度サッカーセンスのある選手はいても、サッカー文化が根付いていないということ。だから守備と攻撃のメリハリがうまく付かず、やらなくてもいい失点を喫し、打つべきシュートを打たず、ゴールが決まらない。本田や香川がたとえ不調でも代わって活躍できる選手がいる。そんな国にならなければ、ベスト8なんて言葉を口にするのはまだまだ早い。そう実感した大会だった。