とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

メッシの代わりがいないアルゼンチン。今後の活躍もメッシ次第。

 グループリーグが終わり、決勝トーナメントに進出する16チームが決まった。グループリーグの後半、E〜H組は弱小チームが多く、これは観たい、と思うようなカードは少なかった。F組も1ゲームも見ることなく最終戦がやってきて、アルゼンチンのゲーム位は観ておこうと、ナイジェリアとの対戦を観ることにした。ところがこれが、ナイジェリアの奮闘はあったが、アルゼンチンはメッシの活躍以外、観るべき点がない。いや、ディマリアがすごくがんばっているのは目立ったが、後半18分、メッシ交代後はナイジェリアに圧されたまま、何とか逃げ切ってゲームを終えた。こんなんで大丈夫か、アルゼンチン。
 序盤3分、CHマスケラーノのフィードに左SHディマリアが抜け出しシュート。GKエネアマに当たってポストにはね返されたボールにOHメッシが走り込んでシュート。あっという間にアルゼンチンが先制する。場内満員のアルゼンチン・サポーターが大歓声。
 ところが直後の4分、ナイジェリアは左SHババトゥンデがドリブルで上がり、左に流してOHムサがシュート。これが決まり、あっという間にナイジェリアが同点に追い付く。これは楽しいゲームになるかと思った。9分には左SHディマリアがミドルシュート。さらに、CBフェルナンデスのフィードからOHメッシのスルーパスにFWイグアインが抜け出してシュート。アルゼンチンが攻めて、ナイジェリアが守る展開。だがなかなかゴールが決まらない。
 30分、左SHディマリアのミドルシュートをGKエネアマがナイスセーブ。そして38分、FWアグエロが足の故障を訴え、ラベッシに交代する。44分、メッシのFKもGKエネアマがファインセーブを見せる。しかしアディショナルタイム1分、再びメッシのFKが美しい放物線を描いてゴールネットに吸い込まれた。アルゼンチンが勝越しゴール。2-1で前半を終える。
 これでアルゼンチンが勝利に向うと思ったら、後半早々の2分、OHムサのドリブルからCFエメニケをポストにさらに前進。シュートを突き刺し、ナイジェリアが同点に追い付く。だがすぐに5分、こぼれ球を拾った左SHディマリアがミドルシュート。これはGKエネアマが弾いたが、直後のCK、DFの競り合いを抜けてきたボールに左SBロホが合わせてシュート。またもアルゼンチンが勝ち越す。10分にはOHメッシのドリブルからスルーパスにFWイグアインがシュート。だがGKエネアマが抑える。14分にも左SHディマリアのスルーパスに左SBロホが上がってクロスにOHメッシがシュート。だがDFが身体を張る。
 互角と言えば聞こえがいいが、アルゼンチンの中盤のプレスが緩い。18分、OHメッシに代えてアルバレスを投入するが、状況はあまり変わらない。却って攻撃力が落ちただけ。メッシがいないと、前線にパスが出ない。29分、右SHオデムウィンギのクロスにOHムサがシュート。その後、中盤を省略した打ち合いが続く。
 33分、ディマリアのFKにFWラベッシが抜け出してシュート。またもGKエネアマがファインセーブ。ナイジェリアも34分、CFエメニケのスルーパスにOHムサが抜け出し、切り返しからシュート。これは右SBサバレタがナイス・スライディングでブロック。35分、ショートCKからクロスにCBガライがヘディングシュート。ナイジェリアも39分、CFエメニケがミドルシュート。アルゼンチンの寄せが甘い。40分、FWイグアインのスルーパスに左SHディマリアが抜け出してシュート。これもGKエネアマがファインセーブ。ナイジェリアも42分、右SBアンブローズがドリブルで中に切れ込みシュート。サイドネットを叩く。結局このままタイムアップ。アディショナルタイム、FWイグアインに代えてCHビリアを投入して逃げ切りを図ったが、アルゼンチンのサベーラ監督も中盤の守備に不安を抱いていたのだろう。
 アルゼンチンの中盤アンカーにはマスケラーノが控えているから、ある程度、守備の安定はあるが、それでも一人では守り切れない。メッシがいれば守備の不安を上回る攻撃力に期待もできるが、メッシがいないと途端に攻撃力が落ちる。メッシが徹底マークされた時に攻撃のバリエーションが少ない。ディマリアがよくがんばっているが、彼への負担が大きすぎる。
 大会前にはアルゼンチンはブラジルに並ぶ優勝候補と思っていたが、グループリーグを観る限り、ブラジルと同様、次第に不安が増えてくる。メキシコやコロンビア、チリの方がずっといいゲームをしている。どうなるだろうか、決勝トーナメントは。他の南米勢の活躍を期待したい。