とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

チリ、爪一つ届かず。ブラジル、守りのチームの本領発揮。PK戦の末、準々決勝進出。

 PK戦まで持ち込んだチリ。だがブラジルは守りのチームだった。GKジュリオ・セザールが立ちはだかり、最後の一線を守った。死闘の末、チリがPK戦で散った。
 序盤から激しいタックルの応酬で始まった。このゲームCHで先発したフェルナンジーニョが深いタックルを仕掛けると、チリのCHビダルネイマールを深いタックルで倒す。そして6分、左SHフッキのCKのクリアを左SBマルセロがミドルシュート。するとその直後にはカウンターでFWバルガスが前に運び、クロスのこぼれ球をCHディアスがミドルシュート。お互い序盤から互角の闘いが続く。12分、FWサンチェスのクロスにFWバルガスが走り込むとCBダビド・ルイスが弾き飛ばす。直後の13分、今度は左SHフッキのドリブル突進を右WBイスラが止める。お互い激しい守りの応酬。
 そして18分、フッキのFKをGKブラヴォが弾き出す。直後のCKをネイマールが蹴ると、ニアでCBチアゴ・シウバが逸らし、CBダビド・ルイスが合わせる。CBハラの足も伸びてオウンゴールだったかもしれないが、ボールはネットに飛び込んだ。ブラジルが先制する。さらに26分には、CFフレッジの落としからネイマールがドリブル。速い。シュートは枠を外す。
 しかしチリも負けていない。32分、左SBマルセロのスローインから左SHフッキが戻したボールをFWバルガスが奪い、そのままクロス。FWサンチェスがシュート。チリがブラジルの一瞬の気の緩みを突いて、同点に追いついた。
 その後、再び攻勢をかけるブラジル。36分、右SBダニエウ・アウベスが中へのドリブルからいったん外に流し、右SHオスカルのクロスにOHネイマールがヘディングシュート。DFが競って枠を捉えられない。39分、自陣深い位置からのFKに右SHオスカルが前線へフィード。OHネイマールが抜け出して、CBメデルをかわし走り込んだCFフレッジにパスをするが、シュートは右WBイスラが身体を張る。
 ブラジルが攻めてチリが守る。42分、左CBハラのフィードにOHビダルが抜け出しシュート。ブラジルも42分、右SBアウベスがミドルシュート。GKブラヴォがファインセーブ。アディショナルタイムにはCHビダルがボールを奪い、FWサンチェスのクロスにCHアランギスがシュート。だがDFがブロック。激しい攻防の末、1-1で前半を終えた。
 後半に入ってもブラジルが攻めてチリが守る展開。4分、CHフェルナンジーニョミドルシュート。10分には左SBマルセロのクロスに飛び出したSHフッキがトラップからシュート。コロコロとゴールに転がり込んで喜ぶフッキだったが、ファールでノーゴール。トラップの際にハンドの判定。ブラジルにツキがない。
 11分、チリはFWバルガスに代えてグティエレスを投入。ブラジルも19分、CFフレッジに代えてジョーを投入する。すると19分、チリは右WBイスラが中にパス。CHビダルがワンタッチでスルーパスを出すと、イスラが走り込みクロスにCHアランギスがシュート。だがGKジュリオ・セザールがスーパーセーブ。チリの決定的シュートをブラジルの守護神が守った。
 ブラジルは27分、CHフェルナンジーニョに代えてラミレスを投入。次第にブラジルの運動量が落ちてくる。一方、疲れを知らないチリ。ブラジルが攻めるが、なかなかゴール前まで入っていけない。ただ一人元気な左SHフッキが29分、ドリブルで左サイドを突破しクロスを入れるが、CFジョーが届かない。36分、右SBアウベスのクロスをOHネイマールがヘディングシュート。GKブラヴォが正面でキャッチする。ネイマールも疲れている。38分、左SHフッキがドリブルで左サイドを突破。シュートを放つがGKブラヴォがファインセーブ。フッキにツキがない。チリは42分、手術明けの主将ビダルに代えて、FWピニージャを投入する。そしてそのままタイムアップ。白熱の死闘は延長戦へと向かった。
 延長前半1分、またも左SHフッキが爆発的なドリブル突破。倒されて得たFKをネイマールが蹴るが、DFにブロックされる。11分、今度は右サイドからフッキがクロス。SHオスカルがヘディングシュートをするが、GKブラヴォが正面でセーブした。13分にも左SHフッキがドリブルからシュート。ブラジルの攻撃はフッキの突破頼み。ネイマールか、フッキか。ブラジルの攻撃に決め手がない。
 延長戦前半はこのまま終了。後半頭からSHオスカルに代えてウィリアンを投入した。お互い疲れて雑なプレーが頻出。ファールで倒されるシーンが続く。チリは延長後半3分、CBメデルが足を痛め、ロハスに交代する。その後も攻めるブラジル、守るチリ。チリは何とかPK戦まで辿り着こうという戦い方。しっかり守ってカウンター。そして15分、GKブラヴォからのゴールキックに競ったFWピニージャが落とすと、FWサンチェスのスルーパスにピニージャが抜け出す。シュート。だが無情にもバーにはね返される。ブラジルもアディショナルタイム、左SHウィリアンの落としからCHラミレスがミドルシュート。だが枠を捉えられない。その前にゴール前で足を攣るネイマール。両チーム死闘のゲームは延長戦でも決着がつかず、PK戦に突入した。
 PK戦に期待していたはずのチリだったが、一番手ピニージャ、二番手サンチェスの前にGKジュリオ・セザールが立ちはだかる。しっかりとキッカーを見て反応する。しかしチリのGKブラヴォも負けてはいない。ブラジルの二番手ウィリアンがコースを外すと、4番手フッキもGKブラヴォが止める。5番手ネイマールがどうなるか心配したが、かっちり決めて5-4。そして最後のハラのPKがポストに当たる。ああ! PK戦までもつれこんだ死闘は最後、ジュリオ・セザールが死線を守り、ブラジルが勝ち上がった。チリ、残念。
 チリは一人一人はブラジルの選手にかなわなくても、2倍動けばブラジルの11人を上回ることができる。そんなサッカーを実践していた。そしてそれこそ日本がめざすべきサッカーではなかったか。一方ブラジルは結局、守備のチームだった。攻撃はネイマールの技巧と速さに目を惹かれるが、それ以外の攻め手が少ない。それでもこのゲームを勝ち切ったことでネイマールにまた新たな経験が加わった。次はコロンビアとの対戦。ネイマールロドリゲスの対決が楽しみだ。コロンビアの方がより攻撃的かつバランスの取れたチームのような気がするのだが・・・。