スタジアムがぐるっとカナリア色に染まる。圧倒的なホームの力がブラジルを後押しした。その声援に圧され、序盤、ブラジルが攻勢をかける。5分、ネイマールのFK。そして7分、CHフェルナンジーニョのフィードに抜け出したOHネイマールをCBサパタがクリア。直後のネイマールのCKにニアでCBダビド・ルイスが数人のDFと競ると、その上を越えてきたボールにCBチアゴ・シウバが合わせてシュート。ゴール。ブラジルが先制点を挙げる。
ブラジルはルイス・グスタボが出場停止でパウリーニョとフェルナンジーニョのダブルボランチ。右SBにはマイコンを起用するやや守備的な布陣。フェルナンジーニョがコロンビアのエース、ハメス・ロドリゲスをマークする。10分、CHグアリンがFK。11分には右SHクアドラードがミドルシュートを放つ。だが序盤のうち、なかなかハメス・ロドリゲスにボールが入らない。
ブラジルは20分、左SHフッキがOHネイマールとのワンツーで抜け出しシュート。GKオスピナがナイスセーブ。はね返りを右SHオスカルがシュートするも、これもGKオスピナがセーブした。コロンビアは22分、ロドリゲスが反転から抜け出しドリブルで前進。右に流して右SHクアドラードがクロスを入れるが、CBチアゴ・シウバがブロックする。このゲーム、チアゴ・シウバが効いている。積極的に飛び出してチェックをすると、シュートブロックも位置取りが的確。22分のブロックもうまくクアドラードを誘い出してパスを出させてカットした。
26分、左SHフッキのドリブルから左SBマルセロがミドルシュート。28分、左SBマルセロのクロスに左SHフッキがシュート。GKオスピナがナイスセーブを見せるが、このゲームもフッキが力強いプレーを披露する。その後も激しい攻防が続く。30分、CBダビド・ルイスがドリブルでPA前まで持ち上がれば、コロンビアのCBサパタがブロックして逆に持ち上がる。右SHオスカルが激しくブロックして奪い返す。37分、ハメス・ロドリゲスのFKは壁に当たる。44分、ネイマールのFKはバーの上。前半はブラジル1点リードで折り返す。
後半、コロンビアは頭から左SHイバルボに代えてFWラモスを投入する。引き続き激しい攻防が続く。お互いファールを繰り返す。14分、FWラモスの戻しをOHロドリゲスが胸で落として、CHグアリンがボレーシュート。枠を外す。20分、ブラジルの攻撃を抑えたGKオスピナがパントキックをしようとしたところをCBチアゴ・シウバが通り、イエローカードをもらう。次のゲーム出場停止となる残念なプレー。
コロンビアが必死に反撃するが、ブラジルのCBコンビが強力。フェルナンジーニョもよくロドリゲスをマークし、パウリーニョとともにバイタルエリアを埋める。21分、ハメス・ロドリゲスのFKからブラジルのPA内で密集混戦からこぼれたボールをCBジェパスがシュート。ネットを揺らすが、オフサイド。ゴールが認められない。
すると24分、左SHフッキのドリブルをOHロドリゲスが止めようとしてファールを取られる。ビデオで見る限りは足を引っ込めている。残念。だがこれで得たFKをCBダビド・ルイスが蹴ると。強烈な弾道を描きネットに突き刺さった。ブラジルが2点目、追加点。コロンビアには悔しいゴール。25分、FWグティエレスに代えてバッカを投入した。
そして33分、OHロドリゲスのスルーパスにFWバッカが抜け出すと、飛び出したGKジュリオ・セザールがバッカの足を払ってPK献上。これをロドリゲスが落ち着いて決めてコロンビアが1点を返す。36分、ロドリゲスのFKからFWバッカがヘディングシュート。だが枠を外す。36分、クアドラードに代えてキンテーロを投入。
そして41分、コロンビアのCKのクリアをネイマールが受けたところに背後から右SBスニガが激しくチェック。倒れて異常に痛がるネイマール。このプレーで腰椎骨折。今大会の出場が絶望的となる大ケガを喫してしまった。
その後も必死に反撃するコロンビア。アディショナルタイムにはCBジェペスを上げ、CBサパタを上げ、GKオスピナも上がる。3分、ロドリゲスのCKにFWラモスがヘディングシュートするも枠を外す。そしてタイムアップ。ブラジルがホームサポーターの大歓声を力にこのまま逃げ切って、準決勝進出を決めた。コロンビアにとっては序盤ブラジルの攻勢を受けて、ペースを握られたのが痛かった。経験の差、そして総合力でもブラジルが上回ったゲームだった。
だが、次のドイツ戦にCBチアゴ・シウバがいないのは痛い。しかもネイマールが大ケガ。この逆境が却ってブラジルの集中力を高めるか。優勝に向けて試練が続く。結果はホーム・サポーターの力にかかっているのかもしれない。デモなどやってる場合じゃない？
