とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

コスタリカの健闘を評価すべきか、はたまたオランダ攻撃陣が不甲斐ないのか。ファンハール・マジックもやりすぎるとブラジル観客の反感を買うのではないか。

 格下のコスタリカ相手にどういう戦い方で行くのかと興味があったが、これまでのやり方を変えない3-4-3。デヨングが出場停止でワイナルドゥムをアンカーに置くダイヤモンド型の中盤にしてきた。対するコスタリカはもちろん5バック。とは言え、この5人のDFラインが高い。しっかり守って隙あらばカウンターを狙う。
 序盤、オランダも無理をせず後方でパスを回す。お互いゴール前に入っていく機会も少なく、退屈なゲームが続く。観客はロッベンがボールを持つと一斉にブーイング。もっと攻撃的に行けよとオランダを煽り、コスタリカを応援する声が多かったのではないか。
 ようやく22分、右WGロッベンから右に展開、右WGカイトのクロスを左WGデパイが左に流し、CFファンペルシーがシュート。GKナバスがファインセーブ。はね返りに対するOHスナイデルのシュートもGKナバスがファインセーブを見せる。29分、CFファンペルシーが中盤でルーズボールを拾い、ドリブルから左に流して、左WGデパイがシュート。これもGKナバスがファインセーブ。GKナバスがすごい。
 34分にはコスタリカも逆襲。左SHボラニョスのFKをCHボルヘスがヘッドで落とし、CBアコスタがオーバーヘッド。ゴール前で右SHルイスが待つが、オランダのDFがクリア。39分、スナイデルのFKにGKナバスが一瞬逆を取られながらナイスセーブ。42分には右WGロッベンのスルーパスにCFファンペルシーが走り込むが、GKナバスの方が一瞬早く飛び出しセーブ。前半はスコアレスで終わる。
 後半も同じような展開。8分、ロッベンのFKにOHスナイデルミドルシュート。枠を外す。コスタリカも20分、ボラニョスのFKにCBゴンサレスがヘディングシュート。こちらも枠を外す。21分にはCFキャンベルに代えてウレーニャを投入。23分、右WGロッベンのドリブルからCFファンペルシーの落としをCHテハダがクリア。コスタリカの守備がすばらしい。30分、スナイデルのFKにCBフラールがヘディングシュート。これも決まらない。
 オランダは31分、左WGデパイに代えてレンスを投入。逆にコスタリカは右WBガンボアが足を痛めてマイリーに交代。残り10分。オランダが攻勢をかける。37分、右WGロッベンのドリブルをCBゴンサレスがファールで止める。スナイデルのFKは壁を越えてポストを叩く。だがもしポストの内側であっても、GKナバスの手が伸びていた。39分、FKからのこぼれ球をCFファンペルシーがシュート。これもGKナバスがナイスセーブ。43分、左WGレンスが落としたボールをOHスナイデルがクロス。ファーでCFファンペルシーが走り込むが、足が出ない。左足が攣っていた?
 アディショナルタイム2分、右WGロッベンのドリブルを左WBディアスが止める。ファール。ファンペルシーのFKはGKナバスがセーブ。だが、その流れから左WBブリントが左サイドをえぐってクロス。オランダの選手3人がゴール前に詰めるが合わない。ファーで待ったCFファンペルシーのシュートはCHテヘダがブロックしてバーを叩く。どうしてもゴールが決まらないオランダ。ついに延長戦に突入した。
 延長前半4分、ロッベンのCKからCBフラールがヘディングシュート。またもGKナバスがファインセーブ。オランダの攻勢を再三オフサイドにかけるコスタリカDF。この時間になっても勇気を持ってDFラインを高く保つ。延長後半、オランダはCBマルティンス・インディに代えてFWフンテラールを投入。カイトとブリントをSBに下げる4-2-4。超攻撃的布陣で攻め立てる。
 だがコスタリカが勝負をかける。10分、左SHボラニョスのドリブルからシュート。DFがブロックするが初めてのCKを得る。12分にはCFウレーニャがドリブルから中に切れ込んでシュート。しかしGKシレッセンがセーブ。オランダも14分、OHスナイデルミドルシュートがバーを叩く。タイムアップ寸前にはPK戦に備え、GKシレッセンをクルルに交代する。いかにもファンハール監督らしい采配。そしてスコアレスのまま、120分が過ぎ去った。
 PK戦ではGKクルルがコスタリカのPKを二人止めて、準決勝進出を決めた。GKナバスもPK戦では一人も止められなかった。残念。それでもよくがんばった、コスタリカ。死の組と言われたグループDを首位通過。そればかりかベスト8まで進出して、オランダをPK戦まで苦しめたこの快挙は当分忘れないだろう。
 それに対してオランダはこんなゲームをしていていいのか。このゲーム中にもブーイングが聞こえたが、今大会、あれだけの攻撃陣を持ちながら、”超”がつく守備的な戦い方を続けている。準決勝のアルゼンチン戦も同じ布陣でいくのだろうが、どこまでこの戦術が許されるのか。あのサッカーで決勝まで進出したらいかんだろう。準決勝のアルゼンチン対オランダはアルゼンチンを応援したい。ましてや優勝なんて。ここまで来たら南米のブラジルとアルゼンチンの決勝戦となることを期待したい。