とんま天狗は雲の上

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早過ぎたJR東海の決断。前日に運休を決めていなければ、もっと早く開通できたのではないか。

 今朝の中日新聞一面に「鉄道の運休判断、各社で判断分かれる」と大きく掲載されていたが、JR東海に好意的な意見しか載せられていない。しかし反対意見も多くあったのではないか。新聞で書かないなら、とりあえず自分で書いておこう。
 昨日の早朝に東海地域を襲い、その後東海道沿岸を進んだ台風18号だが、JR東海は早々とその前日に翌日(昨日)の全面運休を決定した。当日のHPには早々と「運転再開は12時頃(一部区間は15時頃)となる見込み」と書かれ、実際には10時半頃から徐々に運転が再開された。とは言っても、私が普段利用している中央本線は、中津川から運行が始まったため、高蔵寺駅に着いたのは11時半頃で既に超満員。それでも10時40分から並んだ甲斐もあって何とか身体を滑り込ませたが、帰りに会った知人はようやく12時過ぎの電車に乗れたと話していた。
 ちなみにJRと関係のある愛知環状鉄道城北線あおなみ線はJRに倣って前日から翌日の運休を発表したが、東海地域の私鉄の雄、名鉄は事前の運休発表はしなかった。当日になって豊橋−伊奈間の運休を決めたが、ここは豊川を越えるため普段からよく運休になる区間。後はほとんどの路線で通常運転を行った。
 そのおかげもあり、JRが名鉄と競合する東海道本線沿いは普段JRを利用する者も名鉄へ乗り換えての通勤・通学が可能だったが、中央本線沿いの市町に住む住民は代替の交通機関がなく、職場や学校に着いたのはお昼過ぎになった者が多かった。 
 台風のせいで雨や風が強ければそれも仕方がないが、東海地方は8時過ぎには雨も止み、多少の強風はあったもののほとんど被害がなかったことから、なおいっそうJRの早過ぎる決定に疑問符が付いた。前日の運休決定をしていなければ、もっと早く運転再開できたのではないか。
 職場に着いてみると、部長などは前日から名古屋に泊まり込んだと言う。中には、安いビジネスホテルは軒並み満室で予約が取れず、職場で一晩を明かしたという人もいた。JRが運休になるのなら名鉄も運休になる可能性が高いと思ったと言う。逆に言えば、JRの前日運休決定がなければ、彼らは宿泊することはなかったかもしれない。結局、ほとんど被害もなく、名鉄を使えば時間どおりの出勤は可能だったわけで、前泊する必要はなかった。
 もちろんどうしても出勤する必要がある人は、JRの決定が前泊を促す要因になっただろうが、たとえなくても前泊しただろう。そう考えると、JRの決定が無駄な前泊を誘引したとも言え、今回の決定は、実はJRとホテル業界が結託して仕組んだものではなかったかとさえ思ってしまう。
 これまで前日に運休決定をしたなんてことがあっただろうか。あまり私には記憶がない。そして今回の決定は完全に裏目に出たと言える。やはり鉄道会社は運行が第一任務なのだから、運休決定はその時の気象状況等を受けて決定してほしい。名鉄の判断こそが正解だ。今回、通常運転をした名鉄を悪く言う人は誰もいないはずだ。